第38話 あなた♡

「近い内に光の五人目の婚約者が現れるかも」


て、マーが言ったもんだからイレイやエレムにはどこの誰?と責められるわ、メイルやミレンからは引っ切り無しに電話が掛かってくるわで僕は大わらわですよ。


で、メイルやミレンが何故知っていたかは、どうやらエレムがメイルに連絡をしたみたいなんですよね。


「私もダーリンと婚約しましたわ」


「えっ?‥‥‥ダーリン?」


「あっ!ダーリンは光様の事ですわ」


「‥‥‥‥‥‥‥」


で、この後直ぐにメイルは僕のスマホに電話を掛けてきて


「光様ああああ!!!!!!」


もう耳の鼓膜が破れるかと思うぐらいの勢い。


で、で、エレムから聞いた話を凄い勢いで話すんですよ。僕は見えないメイルにスマホに向かって平謝りです。


で、メイルが終わったら今度はミレンですよ。


で、で、またいきなり大声で言われると思ったんですがね、以外にミレンの方が冷静なんですよ。

(僕はメイルの方が冷静に来るかなと思ってましたから)


「‥‥光様‥‥エレム姫とも婚約したんですのね‥‥」


となんだか元気がない返事をするんですよ。

あの、"元気ハツラツウ!"的なミレンではないんです。


で、僕が

「エレムとの婚約はまだ正式ではないんだよ」


「けど‥‥婚約はするのですわよね」


やっぱり元気がない返事をするミレンです。


心配になった僕は聞いたんですミレンに。なにがあったの?と。


「別に‥‥」


「ミレン、いつも見たいな元気なミレンじゃないと僕は凄く心配だよ。僕に出来る事があるなら相談にのるから」


「‥‥‥‥‥‥光様‥」


やっぱり元気ないミレンはミレンじゃないよ。本当に僕は凄く心配です。そう思いながらスマホに耳を集中していると、


「‥‥‥光様‥‥‥みんな姫様なのに‥‥‥私だけが‥‥‥」


「えっ?姫様?」


「はい‥‥‥私だけが貴族の出です」


「えっ」


つまりミレンは自分以外は三人とも姫様だと

身分の事を気にしていたんです。


「僕は身分なんて関係ないよ。イレイ達だってそうだよ」


「‥‥光様が‥そうは言いますが‥‥私は」


僕は暫し考えて、


「もし身分がどうのこうの言うのが一人でもいたら僕はこの婚約は辞退するよ。なかったことにするよ」


「えっ!それは‥‥‥」


「で、改めてミレンに婚約を申し込むよ」


「‥‥‥光様‥‥」


「僕の選んだ三人の姫は身分の事なんて言わないよ。けど三人以外の誰かが言って来たら僕がミレンを守るよ。必ず!」


「光様‥‥」


スマホの向こうですすり泣く声が聞こえた。

こんな時、そばにいたあげれない自分が情けなく感じた。


「ミレン」


「‥光様‥‥ありがとうございます。もう‥もう大丈夫ですわ」


「ミレン、僕の方こそごめん。ミレンのその様な気持ちに気づかず」


「ううん、いいのですわ」


「ミレン‥‥‥必ず僕が守るからね。命にかえても」


「光様///」


スマホの向こうで明るいミレンの返事に僕はミレンの笑顔が頭の中に想像できた。


「‥‥‥光様♡」


「なに?」


「光様♡‥‥‥今から光様♡の事を"あなた♡"とお呼びしますわ」


「へえっ?」


「あなた♡」


「ミ、ミレン、気が早いよ。気が」


「あなた♡、あなた♡」


「あっ‥‥‥はい‥」


「あなた♡、あなた♡、あなた♡」


暫く僕はスマホを耳元で持ちながら硬直してましたよ。恥ずかしさのあまり。


「あなた♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」


「は、恥ずかしいよおおおお〜〜///」


けど‥‥イレイとメイルに‥‥ミレンの僕への呼び名が変わったの二人になんて説明すればいいの?


誰か教えてえええええええ〜〜

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