第37話 近い内に‥‥

僕はもう二度と元の世界には戻れない‥‥。


覚悟?はしていましたが‥‥‥改めて言われると流石にショックが‥‥‥あまりないんですよねこれが。


イレイとエレムは僕を心配そうに見るので


「元の世界に帰れないのは正直少しはショックだよ。けどね‥‥‥けど‥‥‥この世界で僕は、僕は自分の命より大事な女性達に巡り会えたから、帰れたとしても帰らないよ」


僕はイレイとエレムに微笑むと


「‥‥‥光」


「‥‥‥ダーリン」


イレイは僕の肩にもたれかかって安心した様な顔で僕を見つめます。

エレムは僕の腕に絡みついていましたが下を向いて小声でダーリンと何回もつぶやいてます。


こんな‥‥‥こんな素敵な女性達を残して僕は元の世界には戻りたくはありませんよ。


けど‥‥‥‥‥‥二つの疑問が残るんです。


先ずは僕が元の世界に戻れない理由。


「それは次の扉が開くのが500年後だから。しかも場所がどこかも分からないんだ」


と、マー。


そしてもう一つが


何故、僕がこの世界に呼び込まれたんだろう?他の強い人でもよかったのではないかて事。


そう考えてしまうんですよね。実際。


で、チーにも聞いてみたんです。このことを知っていたのかって、


「‥‥‥うん、知っていた」と。


そして、


「君は‥‥光は力もないのに、見ず知らずの人を助けたりした。まあ、半ば強制的?な時もあったけど、それでも真剣になって助けたりした」


チーは言いますが、これはイレイやメイル達みんなから言われたからわかってわいたんだけど‥‥‥。


僕が、う〜んと悩んでいるとチーは


「君はこの世界の男性に欠けている物をもっているからね。一つは見返りをもとめないで人助けが出来る事。もう一つがどんな事でも真剣になってすること」


と、チーはそういいますがねこれは僕の性格と言うか死んだオヤジがいつも言っていた口癖を実践してい内に自分の性格になったんですよね。


で、オヤジが言っていた口癖とは、


「男なら見返りをもとめるな!小さな事でも真剣に取り組め!困っていた人を見たら手を差し伸べろ!」


てな具合で、極め付けが


「惚れた女は自分の命にかえても守れ!」


ですからね。


さすが昭和一桁生まれの人間だと思いましたよ。


だからですか、おふくろがオヤジの愚痴を聞いたことは一度もありません。


そんなオヤジに育てられたから僕はこの世界、グリーングリーンワールドに呼び込まれたのか、て思いましたが‥‥‥‥‥‥


チーもマーもそれは違うと言っています。


「いくら光がその様に育てられても、いいも悪いも行動するのは本人だからね」


とチー。


「実際は僕にもわからないけど、これだけは言えるよ。この世界は君自身‥‥光自身を必要としているんだと」


とマーも言います。


イレイもですね、


「私も光は必要です。いえ、もう私は光なしでは」


と凄く、すごーーく嬉しい事を言ってくれます。


エレムなんて


「私も死ぬまでダーリンと一緒です」


と僕の腕に絡みついていた体をもっと密着させてきますよ。


僕はこの様な女性が僕の婚約者(エレムは正式にはまだですね)であることにすごーく幸せを感じています‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥が、


ここで終わらないのが今の僕の状況。


マーが


「あっ!そうだ言い忘れてた」


「何が?」


「近い内に光に五人目の婚約者が現れるかも」


「「「はあいい?五人目の婚約者ああ!」」」


この後イレイとエレムの顔色が変わりました‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥そして‥‥そして‥そして‥そして‥


僕がどうなったかはご想像にお任せします。


僕は知らないぞおおおお!!!

五人目なんてえええええ!!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る