第36話 バレました‥‥‥

プリム湖の妖精は僕に好意を抱いたので、僕に付くことになったんですが‥‥‥

妖精は好意を抱いた異性とは反対の異性になるとのこと。

ですから僕の場合は妖精は女性になるんですよね。


で、人にもなれるとの事ですが‥‥‥イレイとエレムによりあえなく却下されました。


まあ、女性になるんですからねぇ。

(僕自身は見て見たいですけどね‥)


で、ですね、何かに付く事になったんですが‥‥‥イレイが


「だったらチーをコピーしてぬいぐるみを一つだしては」


と言ってきたので僕は早速実行します。


「これに付けばいいの?」


白い球体の妖精はぬいぐるみの近くに来ると球体がぬいぐるみの中にスゥーと入っていきます。するとぬいぐるみがパアッと光りだすと


「プク‥プクプクプクプク‥‥」


ぬいぐるみの胸とお尻が膨らんでいきますよ。で顔もなんだか目がクリクリと可愛らしいのに変化すると‥‥‥


チーの女性バージョン出来上がり!てなりました。


「ふう〜っ、こんな感じなんだね」


と妖精はぬいぐるみの自分の姿を確認してます。しかも声もやたら可愛くなってますよ。


「僕が、女性になるとこんな感じなんだ」


とチーもまじまじと見てます。


けど‥なんて言うんですかね〜〜、チーと並んでいるとなんだかとても可愛く思えて‥‥‥はあっ!


「‥‥‥もう‥もう‥か‥か‥‥かわ」


「やばいです」

チーが言うと妖精から距離を取り出します。


「うん?」


「か、か、可愛いいいいい!!!!!!」


イレイが女性版チー(まだ名前がないので)の妖精の付いたぬいぐるみをパッと取ると抱きしめて頬ずりしてますよ。


「可愛い!可愛い!可愛い!可愛い!」


「や、や、やめてえええ!」


「イレイの洗礼‥‥受けちゃいましたねー」


「そうですねえー」


「そうですねわね〜」


僕、チー、エレムはまあ、しょうがないねてな顔でみてます。


「や、やめてえええ!まあああああー!!」


うん?あそうだ!と僕はポンと手のひらをたたくと


「こいつの名前"マー"にしよう」


「マー‥‥ですか?」


「なんかあんちょこ過ぎないですか?」


「いいの。てなわけで今日から"マー"な。よろしくマー」


イレイとマーの方を見て僕が言うとマーが


「名前なんかどうでもいいですから早く助けてください!」


イレイに頬ずりでスリスリされて可愛らしい声で叫ぶマー


「可愛い!可愛い!可愛い!」


今イレイからマーをとるとどうなるかわからないので暫し放置することに。


「暫しの辛抱だ」


「まあああああ!」


「哀れ、マー」



◇◇◇◇



で、僕らは今別荘の方に戻って来てます。

イレイがまだマーを抱きしめたままでいますよ。


マーは諦めたのかぐったりしたまま抱きしめられてます。


で、僕はと言うと‥‥‥エレムからのダーリン波状攻撃をくらってますよ。


もうね、僕との結婚が確約(マーが見た僕の未来像では)されたエレムは


「ダーリン♡ダーリン♡ダーリン♡ダーリン♡ダーリン♡ダーリン♡ダーリン♡‥‥」


と僕の腕に絡みついて離れようとはしないんです。


で、イレイが何か言って来るかと思えていましたがマーに夢中でなんとかなりましたけどね。


で、ですね気がかりなのがマーが言った僕の未来像なんです。


イレイ達と一緒になることは聞きましたが(まあ、そのせいでエレムが僕から離れようとはしないんですがね)

今後僕がどうなるかは聞いてないんですよね。


だからもう一度僕はマーに未来像を聞いたんです。そしたら、


「‥‥‥今話たら‥‥‥いや、これだけは言えるかな。君は‥‥‥光はプリム小国にとってなくてはならない存在なのかも」


はい?今、マーはなんて言った?僕が

"プリム小国になくてはならない存在"

だって?

んなあ、オーバーなあ。


マーが僕に指を指して


「君が現れなければ‥‥‥すでにプリム小国は無くなっていたかも‥‥‥」


「「「‥‥‥えっ?ええええー!!!」」」


僕、イレイ、そして僕にしがみついてるエレムは驚きましたよ。


けど‥‥‥もし僕がイレイ達に会わなければ、イレイはあのゲイルの嫁に。エレムは命が無かったかも‥‥‥メイルにしたって、ミレンにしたってそうだ‥‥‥。


だけどですねえ、やっぱりオーバーに聞こえるんですよね。僕が現れなくても他の誰かが、て考えてしまうんですよ。


そんな僕を見たマーは腕を組みながら


「なんて言えばいいのかなあ‥‥‥"君じゃなければ"は本当なんだよね。まあ、言っても問題ないかな」


「なにが?」

僕はマーを見ながら聞くと


「君をこの世界に呼び込んだのは他でもないこの世界そのものだから」


うん?僕は今一つピンとこない顔をしたんだけど‥‥‥イレイがいきなり立ち上がると


「マー、今の‥‥‥本当?」


「うん」


マーが頷くとチーが頭を抱えながら


「理屈ぽい奴ほど口を滑りやすいと言うけど‥‥‥あれ本当だね」


僕はチーのセリフで気づいた。


そしてイレイは、


「光を"この世界が呼び込んだ"つまり‥‥‥光は‥‥‥この世界の人ではないと言うことなの?」


バレました!イレイにいやみんなにいつか言わないと、て思ったことが‥‥今、バレました!


けど‥‥‥イレイが驚いてると思っていましたがなんだか不安みたいな顔をしています。


「‥‥‥だったら‥‥プリムを救った後、光は‥‥‥光は元の世界に戻るの?」


そう‥‥‥なんです。

イレイは僕が元の世界に戻るのか不安になっていたんです。

エレムもだんだん状況がわかったのか、


「私はダーリンと離れ離れになるのは‥‥‥絶対に嫌です!」


と僕にしがみついていた腕をギュとまたしがみつきます。


‥‥‥イレイ‥‥‥エレム‥‥‥僕だって


で、僕らはマーを見るとマーはなんだかあっけらかんとした顔で


「君達なにか勘違いしてない?」


「「「えっ?」」」


「光はねえ‥‥もう二度と元の世界には戻る事は出来ないんだよ」


「「「えっ?」」」


「えええええええええええ!!!」

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