第166話 どうすれば‥‥‥
只今、エレムとミレンのお説教中。
僕はですね、この二人からお説教を食らうとは思いませんでした。
ただ、イレイ達程きつ〜いお説教ではなかったので、内心ホッとしてます。
「ダーリンは、本当にもおー!」
「旦那様!しっかりしてください!」
ですからね。
この二人、本当に美人でスタイルも良く、おまけに普段の性格はものすご〜く、可愛いいんです。本当に、毎日でも守ってあげたいぐらいです。
ですから、
「二人共、ごめんなさい。もう二人には心配させるような事はしません」
正座をしながら頭を下げてあやまりました。
ですがね〜、カイトがですね〜、
「お兄様!僕にはないんですか!」
「へえ?」
「へえ?じゃないですよ!へえ?じゃあ!」
「あっ! カイト、ごめんなさい」
カイトが腕を組んで頷きながら、僕の方を睨んでますけど。カイト君、君は僕の婚約者ではなく弟なんだからね。
けど、あの美少女的なカイトの怒った顔がまたこれが良いんですよ〜。
「お兄様あああ!(怒)」
「はあいいい!」
と、言うわけでお説教は終了となりました。
けどですね〜、僕の背後からものすご〜く熱い視線が‥‥‥サラ姉さんの熱い視線がくるんですよ〜。
さっきも、僕がサラ姉さんを見ると、
「光様‥ポッ//////」
ですから。また一波乱起きそうな予感です。
けど‥‥‥
僕はそれよりも「インフルエンザウイルス」の事を思い出していました。元いた世界のあの「スペインかぜ」「パンデミック」の事を。
スペインかぜは1918年から1919年の間に世界中で流行ったインフルエンザウイルス。
死者は五千万人から一億人とも言われる。
そんなインフルエンザウイルスがこの世界、グリーングリーンワールドで出た。
まだ、パンデミックはまだこの世界ではおこってないと思いたい。
ただ、首都ベルガーでは、アメリア王妃が間違いなく感染しているだろう。と、なればすでにウイルスは広まりつつあると考えるのが正解か?
けど‥‥‥ウイルスをどうやって防ぐ?手洗い、うがい、マスクをつける。元いた世界なら、直ぐにでも実践できる。
けど、ここは異世界。グリーングリーンワールド。文明も中世の様な感じの建物。ベルガーの街並みも綺麗に見えるが、やはり衛生面に問題がある場所はかなりある。
ましてやこのアマリリス村は、古ぼけた家々が立ち並ぶ。衛生面ではかなり悪い。そんな中で、手洗いうがいをしても多分効果は薄いだろう。後、住民の栄養面もそうだ。みんな痩せている。この地は「ホクトリアの悲劇」により、作物が育ちにくくなっている。
こんな状態では、インフルエンザウイルスにかかって下さいと言っている様なもの。
「兎に角、村人の栄養面だけでもなんとかしないと」
で、僕は4WD車の後部座席のシートの裏に50センチ程のショルダーバッグが置いてあります。その中をさばくると、
「あった!」
で、出したのは缶詰。この世界に来る前にキャンプ用に買った缶詰。牛丼の缶詰やら果物の缶詰なんか6種類程。(缶切りのいらないパッカンの)
それをコピーで大量に出しましたよ。
村人が十日程食べれる量を。
「なんなんですか?これ美味しいです!」
ミルやサラ姉さん達に食べさせると、あっという間にたいらげてしまいましたよ。
まあ、とりあえずは栄養面は何とかなった。後は‥‥‥「インフルエンザウイルス」をどうするか。
村人の体の中に潜伏しているはず。そしてこのアマリリス村の空気中にも。
「どうすれば‥‥‥」
『あなたのスキルを使ってみて下さい』
「えっ?」
またあの声、何処から‥‥‥
僕は周りを見渡すがそれらしいのは感じられない。やはり‥‥‥、
「あの木しか考えられない」
僕はもう一度、ミルの家の隣の三メートルある木に接してみた。
「今の声は君かい?」
『‥‥‥ハイ』
僕の言葉に少し不安そうな返事が返ってきた。
「君はいったい‥‥‥」
『私は木の妖精‥‥‥あの子に助けられた木の妖精です』
と。
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