第18話 神の前で認めた

車を出した僕でしたがいかせんこの辺りのことはなにもしりません。

(あたりまえと言えばあたりまえです。この世界のことはほとんどしらないので)


で、タイル王が街外れの教会に行きたいとの事でアイにナビで検索、案内をしました。

するとやはりそれに興味を示したのがタイル王ですよ。


「なんだこれは地図みたいのは!」とかもうね、同じ事の繰り返しなので以下略で。


ちなみにタイル王の横には第1王妃のイメイラ妃が乗っています。このイメイラ妃はメイルのお母さんなんです。

まあ、やはり親子なんですね、メイルに似て美人です。

(メイルももう少しするとこんな感じになるのかな)

でね、でね、僕の顔を見るなり


「早くあなた達の子供が見たいわ」


なんて言ってきたんですよ。

メイルなんてかな〜り意識しちゃって僕の方をチラチラ見るし。

だいたい結婚はおろか、婚約すらちゃんとしてないのに‥‥‥。



で、かなり広い城内から車で街に出ると、路面は石畳になってます。けどこの石畳、機械で正確に作られたのではなく人が手で作ったものを石畳にしたのであちらこちらに継ぎ目の荒い箇所が見られます。


「こんなとこ、サスがない馬車だともろに振動が来るんじゃないの?」


僕が言うとタイル王は


「確かにな。馬車だとお尻が痛くなる、が、この車は違うな。乗り心地もすごく良い。これなら遠出しても大丈夫だ」


と、なにか凄く上機嫌で話してましたよ。

けどね、その後サスとはなんだ?と聞いてきたので、以下略と言うことで。


で、メイルの方は初めて助手席に乗ったので車が走っている時は、前の流れる景色を見ていましたよ。


まあ、馬車だと御者が前に居て景色は見えませんからね(御者の横にいれば景色は見えますけどね)

ですから


「景色が流れていく。まるで飛んでるみたい」


と、さすが女性らしい発想で言ってました。


で、今度は街を出て暫く走る事20分ぐらい小高い丘に小さな、本当に小さな教会の建物が見えました。


建物の近くに車を停めると僕らは車から降り

教会内へ。けどこの建物、今にも朽ち果てそうな感じなんですが‥‥‥。


「大丈夫だ、ついてきなさい」


タイル王がイメイラ妃と建物内に入ると僕とメイルもそれに続いて‥‥‥入ったら、


「な、なんですか‥‥‥ここは‥‥‥」


「‥‥‥綺麗‥‥‥」

メイルが足を止めて見ている。


そこは天窓につけられた大きな四つのステンドグラスの窓から光が差し色とりどりの影が辺り一面に映し出されていた。


「タイル王‥‥‥ここは?」


「ここはわしとイメイラとの秘密の場所だ」


僕はえっ?と。で、タイル王とイメイラ妃が祭壇のとこまでいくと祈りました。


「今日は私タイルとイメイラ、その子メイルをつれてまいりました。‥‥‥‥‥」


なにかぶつぶつと言うタイル王は


「そしてメイルとその伴侶の乙川 光に祝福があらんことを」


へえ〜、やっぱりタイル王はメイルの事を大事に‥‥‥‥‥‥、うん?

伴侶?伴侶て確か一緒に連れだった配偶者て意味‥‥‥だった‥‥‥


「伴侶⁈て配偶者!!?つまり旦那てこと!」


タイル王はニヤリとする。


は、はめられた。最初から僕をここに連れてくるのが目的だったのか。

だいたいまだ正式に婚約すらしてないのに、


「あら、光様。メイルはお嫌い?」


イメイラ妃がニコリと僕に言うんですよ。


「い、いえ、き、嫌いではないです」

あたりまえですよ。メイルは好きですよお!

けどね、けどね、やっぱり順序てのが。


て、見るとメイルはすでに祭壇の前にいますよ。います。


「////‥‥光様‥‥///」

と、恥ずかしそうに僕を祭壇へ誘うんですよ。その仕草がまた、可愛くて‥‥‥‥‥‥

気づけばメイルの隣にいました。ハイ。


「では、誓いの接吻を」とタイル王。


うおおおおおおい!!!なんで接吻なんですかああああああ!違うでしょおおお!!!!

これは結婚式ですか?ですか?

けどね、けどね、けどね、けどね、

メイルが目を閉じて顔を僕に、僕に、僕に、


「め、メイルごめん‥‥‥今はこれが精一杯」

と、何処かで聞いたセリフを言うと僕はメイルのおでこにキスをした。


う、う、うううっ、顔から火が出そうだよ

で、僕はメイルの前でヘタレっぷりを出したんですが‥‥‥


ギュとメイルが抱きついてきたんですよ。

僕はえっ?てなりましたよ。


「///ううん、いいの///」


そう言うとまたギュと抱きついてきましたよ

その仕草がたまらなく可愛くて僕もいつのまにかメイルをギュと抱きしめてましたよ。


で、

「結婚式までには‥‥‥かならず///」

「///うん///」


て言ったんです僕は。うん?まてよ、結婚式?そう、僕は認めました。メイルとかならず結婚することを。祭壇の前で。


で、かな〜り喜んでいたのはタイル王とイメイラ妃です。


「光が神の前で認めたんだ。な、イメイラ」

「ええ、あなた」


と、言って僕の背中をバンバン叩きます。

本当、この国王夫婦はあなどれませんよ。

(けどタイル王には他に三人の奥さんがいたはず、とツッコミをいれようかとしましたがやめましたよ。だってせっかくメイルと良い雰囲気だったので)


けど、この後の帰り道、お約束はないですよね、ね、ね、ねえええ!

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