第84話 ホクトリアの悲劇

ホクトリア、ガルバディ帝国の首都ベルガーから北にある街。

50年前に、謎の大爆発により、気候の急激な変化により、ホクトリアの大地に作物が育たなくなった。


て、その話は前にも聞いてますけど‥‥‥

肝心のホクトリアの爆発の原因を知りたいんですけどね。


で、ですねぇ、漸くホクトリアの話に入りましたんです。


“「まあ、単刀直入で言えば、ホクトリアの原因は人間の欲が招いた事だよ」”


五百年前の僕が言います。

けど‥‥‥人間の欲が招いた事って、どう言うことだ?


“「この世界、グリーングリーンワールドは、君らからの時代からおよそ百五十年前までは戦争をしていたんだよ」”


「戦争をしていたんだって!」

僕は驚いて、ブレイク王に確認すると、首を縦に振るブレイク王。


“「ただ、僕‥‥いや光の世界の戦争のような大量に人が死ぬのではなく、本当に小さな、いざこざみたいな戦争を何回も繰り返していたんだよ」”


僕は再度ブレイク王に確認します。

やはり、五百年前の僕が言うように、ガルバディ帝国、アレム大国(この頃のアレム大国はまだ大国ではなかった)は小さな戦争を繰り返し、していた。

確かにアレム大国は戦争などで、大国になった。

ブレイク王はガルバディ帝国も似たようなもんだと言います。


けど‥‥‥その戦争とホクトリアの謎の大爆発と何の関係が‥‥‥。


“「これは、君らから二百年前の話になるが、偶然、本当に偶然が生み出した物なんだよ」”


偶然が生み出した物?


“「ガルバディ帝国の地下には純度の高いクリスタルが取れたんだ」”


クリスタル?僕はアルベルに聞くと、確かに今もクリスタルは取れるのだとか。しかし今は、なかなか取れない為、幻のクリスタルと。


“「そのクリスタルは各方面でかなりの高値で取引されたそうだ。そして、そのクリスタルを持った者がある国に訪れた」”


ある国?


“「そのある国とは‥‥‥光、君がよく知っている国‥‥‥プリムだよ」”


「!」プリムだって!けど‥‥‥何故プリムが。そして、五百年前の僕が言います。


“「プリム‥‥‥この場所にしか取れない鉱物、プリム宝石。これとガルバディのクリスタルが合わさった時‥‥‥」”


このセリフにアルベルは「ハアッ!」と気づきます。


「まさか!ホクトリアの謎の大爆発は‥‥」


僕もまさかと思いましたが‥‥‥


“「五百年後の僕、信じられないかもしれないが‥‥‥これは事実なんだ。僕も未来視で見て最初は信じられないでいた。けど‥‥‥何度未来視で見ても結果は変わらなかった。プリムにあるプリム湖はその時起きた、爆発の跡なんだよ」”


プリム湖が‥‥‥その跡だって!

僕はマーに聞きますと、マーは


「僕も知らないよそんなこと!僕はプリム湖の妖精になったのは百年前だから、その前のことは知らないよ!」


そして五百年前の僕は言います。


“「それを知ったある妖精はプリム宝石を封印、取れなくしたんだ。ガルバディのクリスタルも砂に変えたんだよ」”


じゃあ、ここにある、鍾乳洞内にある砂は元はクリスタルだったのか。だからこんな所に砂が大量にあるのか。


“「けど‥‥‥ある団体がその‥‥二百年前の情報を何処かで知った。そして、どの様なルートで手にしたかは知らないが、プリム宝石とクリスタルを手にした。それをホクトリアで使用したんだ。五十年前に」”


アルベルは両手をギュッと握り、


「いったい、何処の団体だ!」


悔しそうに、いや、かなり怒りに似た様に言うアルベル。

そして、五百年前の僕が言います。


“「五百年後の僕‥‥‥この事を二百年前の事を知る人物が君の側に居るんだよ。それは‥‥‥君に付く妖精だ!」”


僕に付く妖精はマーと‥‥‥まさか!チーなのか!確かにチーは何の妖精かは知らない。


「チーが‥‥‥」



“「そして‥‥‥五百年後の僕、いや、乙川 光に頼みたいことがある」”


頼みたいこと?


“「この地を、ガルバディを守ってもらいたい」”


「?」とする僕に、


“「ホクトリアの悲劇がまた繰り返されようとしているんだ!あの団体によって!」”


「「「「「!!!!!!」」」」」


周りにいる全員が驚きます。

そして‥‥‥五百年前の僕は言います。


“「あの団体‥‥‥反政府組織『自由の翼』が」”と。

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