第114話 再び地下へ

僕のスキル【瞬間移動】で、イレイを助けた洞窟? 洞穴? みたいな感じの所に、僕とチーとマーは飛びました。


「ここがイレイを助けた場所?」


「うん、そう」


マーが言います‥‥‥て、言ってもですねー暗くて表情なんてわかりませんよ!まあ、何処に居るかわ分かりますがねぇ。右肩にチーが左肩にマーが乗っていますよ。

で、ズボンのポケットからスマホを取り出すと、早速ライトを点けました。

そして、改めてこの洞穴? の様なとこを見渡します。


周りは一部を除いて、硬い岩で覆われていて、広さは暗くてハッキリとは分かりませんが、4WD車がスッポリ入るぐらいの広さか。

(4WD車は全長5.5メートル、全高は2.5メートルあります)


「本当に、この場所にイレイは怪我をして‥‥‥一人ここに‥‥‥」


僕はいたたまれない気持ち、いや、自分に対しての、イレイを護れなかった自分への怒りの気持ちが込み上げてきます。

そして、僕は右手の拳を岩肌に「ドン!」と怒りのあまり叩きますと、


「いでえ!」


痛がる僕の声にチーとマーは、「何事?」てな顔をして見ますよ(てか、チーとマーにライトが当たってないので顔なんかは見えませんね)


「何やってんだよ、光」


「そうだよ、ここの岩肌は、硬いから触る時は気をつけないと」


あのですね〜、チーさん、マーさん。

もう少し早く言ってもらえますかあ〜

てか、僕、おもいっきり岩肌を叩いたんですけどね〜

(この後僕はスキルを使いましたよ〜、あ〜痛かった)


で、ですね〜先程、一部が、て言ったんですが‥‥‥ライトの光が岩とかに反射しなく、光が届かないんです。つまりトンネルが有るんです。そのトンネルの巾は、大人の男の人がやっと通れる程。しかも光が届かない‥‥‥つまりはトンネルの長さはかなり有るみたいなんです。


「光、時間があまり無いから早く先に進もう! 」


チーはライトの先のトンネルを見て、不安がってますが、そんな余裕がないのは誰もがわかってます。


「わかった。行こう!」


僕、チー、マーはトンネルに入り、先を進みます‥‥‥



◇◇◇◇



15分程歩いただろうか‥‥‥僕らが歩いている暗いトンネルの先が次第に明るくなってきた。それと同時に、トンネル内の温度も上がってきた。


「何か暑くなってきたね‥‥‥この先なのかな?」


小さな腕で額の汗を拭おうとするマー、てか、ぬいぐるみが汗をかくの? 汗を!


で、チーも額に汗を‥‥‥て、チーまでもかい!


「えっ? 光は暑くないのかい?」


「暑いに決まってるだろう! 」


僕は気持ち悪いぐらい汗だくでなった上に着ているシャツをチーに見せると、


「あっ、本当だ。しょうがないなあー、じゃあ。【クール】を使うかな」


「はあ? 【クール】」


「うん、そう。魔法で体全体に冷気を帯びた服を着させる様な物なんだよ」


「そんな便利な魔法があるなら、最初から」


「えっ? だって聞かれなかったし、大丈夫かと」


あのですね〜、チーさん? 僕はここに、定番のギャグをする為に来たんじゃないんですよ。来たんじゃ!

後ね、時間が無いんですよ! 時間が!


で、早速【クール】をチーに魔法でかけてもらいました。


「あっ‥‥‥お、おお! 体全体が涼しくなって来た!」


僕の体全体がまるで氷の服を着されたような感じになり、額の汗もス〜と引いていく。


「すごいじゃないかよ!チー!」


「えっへん! すごいだろ! 因みに心まではクールに‥‥‥」


「はあーい! 早く行こう! 早く!」


残念そうな顔をして僕を見ますよ。

あのね、時間が無いんですよ。時間が!

もう、定番のギャグはいいの。


で、で、ですね、漸くトンネルを抜けた僕らの前には‥‥‥サッカーグラウンドが一面入るほどの広い空間に出ました。そして‥‥‥


「う、うそだろ!」


僕は下を向くと叫びました。

3、40メートル位下には、溶岩の池が‥‥‥

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