第156話 お兄様♡

ガルバディに夜が来た。僕達がガルバディに戻ってきたのが夕刻前、ブレイク王にホクトリアの悲劇の件を報告し終えた後には、既に日が沈もうとしていた。

で、報告を終えて王の間から立ち去ろうとした時、王妃に僕は呼ばれましたよ。

アメリア=デ=ガルバディ王妃に。

そのアメリア王妃の容姿は、流石ミリアのお母さんだけあり美人ですよ。本当に子供を二人も産んだ女性には見えません。ミリアに聞いた所、歳は34歳だとか。しかし二十代の前半と言われてもおかしくない顔つきや容姿です。まあ、あのブレイク王が惚れ込んだ女性ですからね。しかし‥‥‥


「お父様にはあと3人の女性がいますわよ」


つまりは第1王妃はアメリア王妃だと。

まあ、この世界は一夫多妻(逆もあるとか)だから今更驚かないんですがね。

で、他の王妃との間の子供は居ないとの事。

で、で、そんなアメリア王妃に呼ばれた僕は、


「なんでしょうか?」


アメリア王妃の前まで行くと、王妃は


「もう少し前に」


手招きをしますよ。そして、ジィーと僕を品物を見るような感じで、下から上まで見ます。


で、


「う〜ん、少し頼りない体格ですけど‥‥」


顎に手をやり考え込む王妃は、


「けど‥気に入りましたわ!あなた!」


「へえ? アメリア王妃様?」


僕がアメリア王妃の名を言うと、王妃は眉毛をピクッと動かして僕を睨みます。で、


「光様! 王妃ではありませんことよ!」


「へえ?」


「お母様と呼びなさい!」


「へえ? へえ? お母様?」


と、僕が驚いていると、いきなり僕の顔に両手で挟み込むと顔を自分の大きな胸に押し付けますよ。


「あなた! 私もこの乙川 光、気に入りましたわ!」


「そうか、それは良かった! これで全員の意見は一致したな!」


と言いながら甲高い声を出しながら笑ってますよブレイク王は。

それより誰か助けてくださいよぉ〜。

顔は気持ちいい‥じゃなく、息ができませんよお〜。

しかし‥この王妃様の性格どこかで‥‥‥


「あっ!メイルのお母さんだ!」


ですねぇ〜、あのメイルのお母さん事、アレム大国の第1王妃のイメイラ王妃に。


「お母様、僕、お兄様の事、大好きです♡」


「良かったわねカイト、大好きなお兄様が出来て」


「うん♡」


あのね、カイト君。おぶさりながら体の体重をかけないでね。よけい顔がアメリア王妃の大きな胸に押し込まれて、あ〜っ、気持ちいい〜、でなく、息が、息が〜、チ〜ン!

あえなく撃沈‥‥‥



「お兄様♡だあ〜い好き♡」


完璧に僕が苦しむ為の落ちキャラ認定ですねカイト君は。チ〜ン、チ〜ン!ガクッ。


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