第157話 ポッ♡

ここはどこなんだろう? 上と下には柔らかく暖かい‥‥‥ベッドだろうか? 多分それだろう。

僕は薄っすらと薄眼を開ける。確かに僕の上には掛け布団らしきのが掛けてある感じだ。

暖かい‥下はやはりベッドだろう。

このまま横になっていたら、睡魔が襲って来た。

徐々にまた、まぶたが閉じる寸前の薄眼の先には、イレイとメイルとミリアが何か話しているのが見て取れた。


「‥‥疲れているみたいですから、このまま寝かせておきましょう‥‥」


その様な? 会話が聞こえた。

僕は彼女らの名を呼ぼうとしたが、頭がボーとしてるのか、それとも睡魔のせいなのか、疲れのせいなのかはわからないが、また寝てしまった‥‥‥。


‥‥‥‥‥‥

‥‥‥


再び目を覚ました時、僕はやはりベッドの上で寝ていた事を確認した。今度は頭がスッキリとしていた、が、周りが薄暗く、ここがどんな部屋かはわからない。ただ、広さは16、いや20畳程はあるかの寝室ぽい部屋の様だ。

窓が3箇所あり、その内の一つを見ると、外の暗い空の一部が少し紫色になっていた。


「あっ‥‥空が紫色て事はまだ日は登る前かあ‥‥‥確か、アメリア王妃の胸の中で気を失って‥‥‥」


で、頭を動かすと、布団の中で何かモゾモゾと動きます。で、少し掛け布団を捲ると、


「いつの間にこいつら‥‥‥」


チーとマーが丸まって寝てますよ。

で、で、掛け布団をかけ直すとまた、寝ようとした時、頭に違和感を感じたんですよね。


「あれ? こんなに枕‥硬かったけ?」


で、頭を左右に振った時、一瞬見えました。


「なんだ? 今のは‥‥‥ま・さ・か‥‥」


ゆっくりと天井の方を見ると‥‥‥そこには

見慣れた光景が‥‥‥


「まさか! イレイ? ミレン?ミリア?メイル?エレム?クリエラ?て事はないか、クリエラさんこの中では身体は大きな方だから」


そうなんです。誰かに膝枕をされていたんです。しかし‥‥‥

だったらだれだろう?まさかの悪亜か?

僕はゆっくりと上半身を置き上げると、その人物をジィーと見ます。

薄暗くていまいちわからないけど、多分赤色の厚手のガウンを着て、その中に着ているのは可愛らしい赤?の厚手のネグリジェ?ぽいの。

で、で、でえぇ、顔をよ〜く見ると‥‥‥嫌な予感がしますよおお。


「‥‥‥あっ‥お目覚めになったんですね」


まだ半分眠たそうな可愛らしい声で言ってきましたよ。


「何故に君がおるのかな?」


「えっ?別におかしなところあります?」


「いやいやいや! おかしな所だらけですよ!

カイト君!」


です。膝枕をしていたのはカイトでした。やはりこの格好は、側から見ると美少女ですよ!美少女! 。けど‥‥カイトは男の子です。男の子!。けど‥‥この服のチョイス、


「アメリア王妃!グッジョブ! でなく!」


困った! ほんと〜に、困った!

こんな所イレイ達に見られたら‥‥‥


「あっ、それなら大丈夫です。知ってますから」


「へえ? 知ってる?」


「はい!」


へえ〜知っているんだ! て、多分彼女達はカイトが男の子だから大丈夫、て思ってるからですかね。そりゃあね、彼女達の誰かが膝枕をしに来ると嫉妬されますからね。


「で、何故にカイトなの?」


「えっ?僕、お兄様と寝たかったから」


「で、何故に膝枕?」


「えっ? 僕、お兄様に膝枕をしたかったから」


う〜ん、ええ子やあ!、て、ちがあーう!

カイトは男の子!男の子! 男の子!

チラッと見ると‥‥‥美少女‥‥‥


「やっぱりちがあーう!」


このままだと、僕は危ない道にいきそうで怖いですよお(泣)


「あの〜うですね、お兄様に一つ頼みたい事があるんですぅ」


なんかすご〜く可愛らしい声で、上目遣いでカイトは言ってきましたよ。


「ゴクリ! な、何かなあ?」


その姿、態度、まさに美少女‥‥しつこいようだがあ!美少女にみえちゃうんですう!


「お兄様のあの馬車に乗りたいんです」


「馬車?‥‥‥あっ!4WD車ね」


「ええ、その4WD車に」


「別に構わないよ」


「やったあ! じゃあ今から直ぐにいきましょう!」


「へえ? 今直ぐ?」


「そうです!今直ぐです!」


カイトはベッドから飛び降りると、僕の腕を掴み引っ張ります。早く、早く、て。

いやあ〜朝っぱらから美少女に腕を取られ‥‥‥て!カイトは男の子!男の子!男の子!男の子!男の子!男の子おおお!


で、目を覚ましたチーとマーが


「次回、カイトとの初デート」


「デートじゃない!」


「じゃあ、初ドライブデート?」


「だ・か・ら!デートじゃあない!」


「僕はお兄様となら♡ポッ♡」


アーッ!カイト君!ポッ♡じゃあないですよ!ポッ♡じゃ!


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