第112話 死亡フラグ?

イレイ達を乗せ、この場を後に走り去る赤色の4WD車。


それを見送る、僕とチーとマー。

そして、チーが何かもの寂しそうに


「光‥‥‥これでよかったの‥‥‥」


マーも何か僕に言いたいのか、


「光、イレイ達に本当の事を話した後でもよかったのではないの」


と。


「‥‥‥‥‥‥」


僕は赤色の4WD車が見えなくなるまで黙ってその場に立っていた。

そしてまた、この場に静寂が戻って来た。

しかし‥‥‥それも後残り1時間と少しで、今まで以上の死の大地になってしまう。


「イレイ達に『必ずみんなの元に戻る』て、フラグが立ったかな‥‥‥」


僕がポツリと呟きます。


「フラグ?」


チーが何の意味があるの的な顔をしてます。


「えっ!、いや、何でもないよ‥‥‥それよりも‥‥‥チー、マー、ごめん!こんなのに付き合わせてしまって」


僕はチーとマーに頭を下げます。

するとチーとマーはやれやれ、てな態度をとると


「光、僕らは光の妖精付きなんだよ」


「そうそう、だから僕らは光と最後まで一緒にいるよ」


と、チーとマーが言って来ましたよ。

で、僕はこのセリフに感動するかな、て思いましたか?

いえいえ、僕はですねぇ〜

『このセリフ、死亡フラグ立ちまくりじゃん』て思いましたよ。


本当、不謹慎な僕ですよ。

けど‥‥‥僕は死ぬ気はありませんですよ。

例え数パーセントの生還率でも‥‥‥。


そして‥‥‥僕とチーとマーはあのクレバスの所まで瞬間移動で飛んだ。




◇◇◇◇




その頃‥‥‥


「何なんですの!いったいこれは!」


「メイル姫様! こちらのドアも開きません」

後部座席に座る女性兵二人が言います。


メイルの青色の4WD車は今、ベルガー城を目指して走っています。


「コレヨリ、キンキュウヒナンシマス」


「「「えっ?」」」


アイが言うとドアにはロックが掛かり、ブレーキやアクセルやハンドルが固定されて動かせなくなっていた。


「本当に何がどうなっているか‥‥‥」


そう思っていた時に、メイルのスマホが鳴り出す。相手はミレン。


「ミレン、どうしました?」


「あっ! メイル様。4WD車が急にゆう事を聞かなくて、アイに何言っても返事がないんです。おまけにドアも開かなくなりましたの!」


慌てふためく様子で電話をかけてきました。

で、メイルはですね、


「ミレン‥‥‥今は移動中ですか?」


「はい! そうです」


ミレンの返答にメイルは嫌な予感がし、


「ミレン、一旦切りますわ」


「えっ?、はい‥‥‥」


ミレンとの通話を切るとエレムに連絡をします。


「‥‥‥、‥‥‥あっ! エレム!」


「あっ! メイル様! いい所に。大変なんです! 4WD車が‥‥‥」


エレムが慌てふためく様に話しますとメイルが、


「エレムも‥‥‥ですか」


「えっ?‥‥‥もって」


「ええ、私の4WD車もミレンの4WD車もゆう事を聞いてくれなくなりましたわ。そして今、ベルガー城に向かって走ってますわ」


そう言うとメイルはイレイに連絡を入れます、


「‥‥‥、‥‥‥、‥‥‥、‥‥‥、」


「イレイ‥‥‥どうしたの? なぜでないの?」


「‥‥‥、‥‥‥、‥‥‥、あっ」


「イレイ! 」


「そ、その声はメイル姫様ですか?」


「えっ! イレイはどうしましたか?」


「姫様は‥‥‥」


話に出た女性兵は今まで起きた事をメイルに話します。


それを聞いたメイルは‥‥‥持っていたスマホを落とします‥‥‥。

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