第23話 三人には逆らいません

さて、アレム城に戻ってきた僕らは1時間休憩後、プリム小国に帰る準備を始めました。

けどですね、まさかこの世界に来て二日間で婚約者が3人できるなんて思ってもみませんでしたよ。

で、メイルとミレンはアレム大国に残りますよ。なぜかって?それはですね、まだ婚約した事は城内と一部の貴族しかしらないので、

まあ、メイルとミレンとで挨拶周りをしに行くとのこと。

でね、この挨拶周りがかなりの数でだいたい二ヶ月ぐらい掛かるそうですよ。

(まあ、大国ですから数は多いですよね。しかし二ヶ月てのは)

で、半年後の国祭(アレム大国の祭り)で大々的に婚約を発表するとの事。

そして、け、け、け、結婚式です。

(多分僕はアワアワモード突入するんだろうな)

で、で、その後住む場所は多分プリム小国になるとのこと。

なんでもアレム大国は次期国王は次男のカイル=ド=アレムに後を継がせるそうです。

そりゃあねえ、あのゲイルに継がせるととんでもない事になりますからね。

因みにゲイルはあの一件以来静かにしているそうですよ。(かなあ〜りタイル王から叱られましたからね)


あ、そうそう。なんで名前の間に:ド:が付くの?てイレイに聞いたら身分によって違うんだとか。

まず王族、上流貴族はドが、で普通の貴族と金持ちの民がレ、で平民がミ、だそうです。

つまりドレミですね。


で、話はコロリと変わりまして、チーと僕は、


「チー、朝頼んだ例の物はできてる?」


「うん。けど‥‥‥光がいた元の世界の科学は凄いね。あんなのがあるなんて」


そう僕の肩に乗っているチーと会話してるとイレイが来て、


「あんなの、て、何をはなしているの?」


「あ、イレイ。そうだ!メイルとミレンを呼んできて。3人に渡したい物があるから」


僕はそう言うとある物を用意した。

で、3人が僕の前に来ると、

「なんですの?光様」とメイル。


「光様?何かご用ですか?」とミレン。


「なんでも渡したい物があるそうですわよ」とイレイ。


「うん、これなんだけど‥‥‥」


そう、僕が出したのはスマホ。けどこのままでは使えない(あたりまえだよね。通信機器がないし、電波もない)ので僕がコピーでスマホを何台か出してチーの魔法で使えるようにしてもらいましたよ。勿論、電話やメール、写真も撮る事もテレビ電話もできます。アプリは一部しか使えないですけど。

しかも充電要らず。(魔法でほぼ一生充電しなくてもいいそうです)


「このスマホを使えばどんなに距離が離れていても話したり映像を送れたりできるよ」


そう説明をすると3人は大喜びですよ。

特にメイルとミレンは。この2人には暫く会えないですからね。


「「これでいつでも、光様とお話ができるのですね」」とメイルとミレン。


でね、そんな光景を羨ましそうに見る三つの影。タイル王とアレク王、イグム伯爵‥‥‥て、イグム伯爵までえ?まさかあのオヤジーズ王に毒されたか?まあ、予想はしていたので渡しましたよ3人にも。スマホを。


で、いつの間にか僕の婚約者3人娘が何やら話しているんですよね。

ちょっと距離があって聞き取れないんですけどたまにイレイが「えーー!」と叫ぶ声が二回聞こえましたよ。


で、で、話が終わるとメイルとミレンが僕の前まで来ると


「///あの、///光様て、接吻てした事は//////」とメイルが恥ずかしそうに言うと、


「えっ?接吻?」

接吻てキスの事だよな

で僕は首を横に振りますとメイルが


「光様///しゃがんでくださいますか///」


で、僕はしゃがみましたよ。

で、で、次の瞬間メイルの顔が近づくと僕の唇に柔らかいものが(その時間約5秒)

で、で、で、メイルの顔が遠のくと僕は硬直してますよ。そして今度はミレンがミレンの顔が近くに来るとまた唇に柔らかい物が(その時間約7秒)

僕は、僕は、僕は、僕は、僕は、なに?なに?なに?なにが起こったの?


「/////////こ、これって///き、く///じゃなく、キス?」


そうなんです!僕は2人からキスをされたのでした。けどですね、急で何が起こったのかわからなかったんですけど、僕はすごーーーく嬉しかったんですよ!

て、そこのオヤジ3人は写真をとらない!!

早速スマホを活用してますよ。


で、チーからチラッと聞いたんですけど、先程3人が話しあっている時のイレイの叫びの原因はなんでも僕のファーストキスをメイルに譲る替わりに結婚したらイレイに僕との初夜を譲るとの話だそうです。(暫く僕と会えないのが理由なんだとか)


「うん?初夜?‥‥‥イレイとの初夜ああああああ!!!」


この後僕は硬直しましたです。はい。

で、硬直した僕が動けないのをいい事に親バカ3人の父親が僕に娘を抱きつかせて写真を撮りまくってますよ。

あのですねえ、僕は観光名所の置物ではないんですよお!


そして‥‥‥プリム小国に向けて出発の時間になりました。お土産も沢山もらいましたよ。けどですね、最後の最後でやってくれますよこの人は。

僕の肩に手を回して小声で耳元で、


「出発時間を少しずらしてメイルとしてくか?国祭までにご懐妊になれば2つのおめでたが民に報告できるからな」


と僕の背中をバンバン叩くんですよ。


痛いです‥‥‥うん?メイルとしてくか?ご懐妊?‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥うん?‥‥‥

/////////なあ、なあ、なあ、何考えてるんですかああああ!!!//////


ほんとーーーーにメイルがタイル王に似なくてよかったですよ。まったく。

で、イメイラ妃が僕のとこに来て

「道中おきおつけて」と言って僕にハグして来ましたよ。ハグを。

「あの人がまた妙な事を光様に言ったみたいですね。ごめんなさい」


「いえ、気にしてませんから(本当はものすご〜く気にしてます)」


「あら?気にしてらっしゃらないの?」


「へえ?」


僕が驚くとイメイラ妃が僕の耳元で


「光様、メイルとの子供、早く私達に見して下さいね」


と。やはり孫の顔が早く見たいんですかね?

まあ、女性側はわかるよ。女性側は。

男性側は‥‥‥同じかな?

で次にイグム伯爵夫妻が‥‥‥同じこと言わないように!同じことを!

タイル王に毒されてませんか?いや、絶対毒されているぞ!この人は。

「光とミレンの子の顔が早く見たいぞ」と。


で、最後にこの僕の命より大切な2人です。

「「光様」」


「メイル、ミレン」


そして2人は僕の胸に飛び込んで来ました。

そんな2人を僕はギュと抱きしめると2人も僕をギュと抱きしめます。


「メイル、ミレン、ごめんね。暫く離れ離れになるけど」


2人は首を横に振ると


「いいえ、光様。暫しの辛抱ですわ」とメイル。


「そうですわよ。光様」とミレン。


うううっ、こ、こんな可愛い娘を僕が嫁にもらって本当にいいんですか?いいんですか?


「あっ!イレイ。先程の話お忘れないように」


「えっ?先程の話?」


「そうですわよイレイ様」


「ええ、わかってますわよ」


「「光様が浮気をしないようにしっかりと監視をする」」「ことですわね」


「へえ?監視?‥‥‥‥‥‥ええええええっ!!!!!!!」


僕は思いましたよ。女性は3人寄れば3倍いや20倍以上の結託する力があるんだと。

僕はこの3人には逆らいません、ええ、逆らいませんとも。

光哀れだなあ(チー談)


そして僕、イレイ、アレク王、チーを乗せた4WD車はプリム小国に向け、アレム城を後にした。

(イレイの結託した時の自信に満ちたニヤリとした顔はなんなの、ねえ、なんなのおおおお!!!)

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