第22話 三人目の婚約者
街中の石畳の道を通りやっとアレムの城まで戻ってきました。
けどね〜、ここからが問題なんですよね〜。
なにせあの初めて会ったメイルの時以上の積極的なミレンがいますので。
で城内のまただだっ広い庭園の建物の前に4WD車を止めますと首を長〜く待っていたイレイがお出迎えしてくれました。
「光!お帰りなさい‥‥‥あれ、それは?車に積んであった物ですか?」
僕がモンキーから降りると
「イレイ、ただいま、うん」
イレイがマジマジとモンキーを見ていて可愛い物を見るような目で見ていたので
「イレイ、こいつはこう見えても普通の馬車の倍の速度で走るんだよ」
僕の言葉にイレイは驚いてますよ。まあ、こんな小さな乗り物ですからね。
で、ここからが問題なんですよね。だってね、だってね、僕の呟いたのをメイル、その他に聞かれましたからね。
城に帰ったらメイルとイレイをギュと抱きしめて‥‥‥あ、あ、愛を叫ぶ、て。
まあ、イレイは事の内容を知らないからまだなんとかなりそうなんです。メイルにしてもたぶん恥ずかしさが出ると思いますからなんとか。問題はあのタイル王に聞かれたのが不味かったですよ。
城に着くなり車から降りるとメイルを連れて僕の所へ。そして今度はイレイを僕の所へ連れてきましたよこの王様は。
で、早く早くと急かすんですよ。まったくムードもへったくれもあったもんじゃないよ。
で、で、僕も男ですから言った言葉には責任を持ちますよ。責任をね。
「イレイ、メイル、僕の所へ来てくれないかい」
僕の前にイレイとメイルが来ましたよ。
メイルは事の内容を知ってますので恥ずかしそうにしてます。イレイはなに?て顔でキョトンとしてますよ。内容を知る知らないでこうも反応が違うとは。
「イレイ、メイル。あ、あ、あ、あ、のね、そ、そ、そ、そのね‥‥‥」
と、僕がアワアワともたっいているもんだからタイル王がイレイとメイルの後ろに立つと二人の背中をトンと押した。その弾みで二人は僕の胸に飛び込んできましたよ。
イレイは「///な、なに?///」
メイルは「//////」
の二人に僕は意を決して二人を抱きしめると
「イレイ!メイル!ぼ、僕は///ふ、ふ、二人のことを///あ、あ、あ、あ、あいしてます!!!!//////」
言っちゃいましたよ!言っちゃいましたよ!
メイルは「光様///」とギュと抱きついてきましたよ。
イレイは「///ひ、光、どうしたの?///」と恥ずかしそうに言ってきましたよ。
‥‥‥‥僕は、僕は‥‥‥すみませーーん!顔から火が出そうです!誰か水を持ってきてぶっかけて下さあああい!
はじゅかちぃいよおおおおおお!!!
周りにいた兵や人は「おおおおおお」と拍手をしてますよ。
で、この人ミレンは諦めると思いきや僕の所に歩み寄ると
「光様」
と言って僕の背中に抱きついてきましたよ。
まあ、当然とした表情のメイルと、驚くイレイ。で、結局イレイに今回の件を話すと、
「ハア〜」とため息をつかれました。
で、で、「ミレン嬢の気持ちもわかりますわね」とイレイが言うと怒られると思いきや
「無事に戻って来てよかった」と。
いえね、僕は覚悟していたんですよ。ビンタの二、三発。しかしそれどころか逆に心配されましたよ。で、僕はこの時思いました。イレイにしてもメイルにしても彼女らを泣かせては絶対にだめだと。
だから僕は、
「イレイ、メイル、僕は言うよハッキリと。ミレン嬢に。やっぱり僕にはこの二人しか‥‥‥」と言いかけるとイレイが
「ハア〜」とまたため息をして
「光、私先程ミレン嬢の気持ちもわかりますわね、と言いましたわよ」
「けど‥‥‥」
メイルが
「光様、なぜミレンが光様を好きになったかわかりますか?」
僕が首を振ると
「光様はいつも真剣に私達を助けてくれます。女性だからと言って差別もしない。むしろ優しく接してくれますわ」
そう、この国は平民を除く貴族以上の男性は女性を差別する。ほとんどが差別や真剣に向き合おうとはしない。むしろ物のように扱うのがほとんどだ。タイル王やイグム伯爵みたいな女性を差別しなく優しく接するのは少ない。だから僕みたいな男性だと恋に落ちるのは当然だとイレイやメイルが言った。
「けど‥‥‥このままでは」
「私とメイルは構わないわよ。一人増えたところで」
「ええ、それに3人の妻がいれば浮気もできないでしょうし」
それを聞いたミレンは涙を流しているのを僕は背中で感じていた。
で、なんでこんないいムードの時にこの人はチャチャをいれるんですかね。
「浮気なんかできないぞ!うん!それはわしが保証しょう!」とタイル王。
ほんと、この国王様は。
僕はミレンに向き合うと
「僕でいいの?」
「ハイ///光様///」と明るい茶髪の髪を上げて涙を拭いてあげると笑顔でそう答えるミレン。
で僕は
「この3人をあ、あ、あ、愛し続けます!」
やっぱりはぢゅかちい!!!
で、やっぱり忘れてましたこいつの事を。
ヨタヨタと歩いてくると僕の前でパタッと倒れるチー。
「ど、どうしたんだよチー!」
「ひ、光の帰りが‥‥‥遅いから‥‥‥イレイの‥‥‥イレイの‥‥‥ガクッ」
チー、力つきましたよ。
イレイいったいなにしたの。ねえ、ねえ、ねえええええ!!!
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