第21話 光様の‥‥‥バカ///

イグム家を助けた僕らは漸くして街に入った。

僕以外の人は4WD車に乗ってます。


「それにしてもそのバイクと言う乗り物はこの車の速度についてこれるとは。あんな小さな乗り物なのに」


タイル王がそう話すと僕のインカムから声が聞こえたので


「そうですか。こいつ(モンキー)でも先程の暴走馬車の倍近くの速度は出ますよ」


「なあ、なんと!ほんとかね光」


「では車の前に出ますね」


僕はそう言うとバイクのスピードを上げて車の前に出た。ちなみに4WD車は40キロで走行している。


「本当にあっという間に前に出ましたわ。凄いです光様」


メイルが言いますが、いえいえ、凄いのはこのモンキーて名のバイクです。こいつはいじる(チューン)楽しさを味わえるバイクだと死んだオヤジが言ってました。最高速度も約80キロぐらいはでるんですよ。


と、話しているとイグム家の皆さん、気がついたみたいです。


「‥‥‥うっ‥‥こ‥‥‥ここは?」


「おお!気がついたか、イグム伯爵」

タイル王は後ろを振り向きながら安堵のため息をした。


「こ、これはタイル王様!な、何故‥‥‥」


「うむ‥‥‥」とタイル王が頷くと今までの事を話した。


「そうでしたか‥‥‥暴走した馬車から私達を。しかしここは何処ですか?馬車の中とは違うようですが‥‥‥」


イグム伯爵が見た事もない物ばかりが目に飛び込んできたので周りをキョロキョロしていると、


「ここは車と言う乗り物の中だ」

タイル王が言う。


「くるま?ですか?」


イグム伯爵はくるまとはどう言う物か想像できないでいた。そう考えているとイグム婦人とミレン嬢が気がついた。


「‥‥‥あっ‥‥‥」


「おお、気がついたか」


「あ、あなた‥‥‥ここは‥‥‥」


「タイル王‥‥‥王様が我らを助けてくれたのだ」


イグム伯爵が言うと助手席に居たミレン嬢も気がついて運転席側を見て驚いていた。


「あ、貴女様はメイル姫様‥‥‥」

「気がつきましたか、ミレン嬢」


「で、では私達を助けてくれたのは姫様達なのですか?」

ミレンがメイルに聞くとメイルが横に首を振り前方に指を指して、


「あなた達を助けたのはあの方です。乙川 光様があなた達をたすけたのです」


イグム伯爵夫妻とミレンが前を見ると妙な小さな乗り物に乗って走っている僕に驚き、


「彼が乙川 光‥‥‥た、タイル王!あの彼が乗っているのはなんなんですか!」


え〜〜〜、話しが長くなるので以下略でお願いしまーす。


でメイルが

「光様、イグム伯爵達が気づかれましたわ」


「そうですか。良かった」


イグム伯爵達がまた驚いてますよ。僕が前で走っているのに声が聞こえたので。


「え〜とですね、インカムを通して車のスピーカーに」‥‥‥以下略です。ハイ。


で、イグム伯爵から礼を言われる僕は


「気にしないでください。当然の事をしたまでの事ですから」


僕がそう言うとミレンの様子がおかしいのに気づいたメイル。でミレンが


「あのう‥‥‥光様は今はお一人でいらっしいますか?」


「えっ?はい」


「お年は?」


「えっ〜と20です」

うん、嘘は言ってないよな。チーが20歳ぐらいだからと言っていたから。


「と、年下はお嫌いですか?」


そのセリフにメイルが何かに気づくと


「光様、早くお城に戻りましょう」

「う、うん」


けどミレンが

「光様、お嫌いですか?」


「えっ?嫌いじゃないですけど」


ミレンは僕のセリフにパッと顔を明るくすると


「光様!私と結婚してくださいませ」


へえ?今なんて?結婚て聞こえたんですけど。


「結婚してくださいませ!光様!」


このら流れはメイルの時と一緒ではないか。

じゃ、じゃあ、ここはハッキリとお断りを


「す、すみません。ぼ、僕、今メイルとイレイの二人と婚約してますので」


よし!これで引き下がってくれるだろう。

が、僕の予想は甘かったです。

メイルとイレイと婚約している事を聞いたイグム伯爵は


「タイル王、まことですか?」


「うん?ああ本当だ」


イグム伯爵は暫く考えて


「光とやら、我が娘ミレンとも婚約してくれまいか」


うん?イグム伯爵いまなんといいましたか?


「我が娘と婚約してくれまいか」


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥でえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!


なんでそうなるんですか!なんでですか!


「我がイグム家は代々王族に従えてきた。がもしメイル様と結婚した方とミレンが結婚したら王族の直系になりますからな。が表向き。どうやらミレンは光‥‥‥貴殿を気に入ったようだし」


顔を赤くして照れるミレン。

メイルは‥‥‥無言ですよね。無言。


あーもーおー!どうなってるの?どうなってるの?どうなってるの?

メイルが無言ですよ!怒っているんだろうな。


『お城に帰ったらメイルをギュと抱きしめて愛してるのはメイルとイレイだけだよ、て言うから』

それで許してくれるかなあ?


と僕が呟いたのをインカムを通して車の中の人達に聞かれましたよ。


で、メイルは


「‥‥‥光様の‥‥‥ばか////」

と恥ずかしそうに言ったんですよ。


いやいやいや、恥ずかしのは僕ですよお!

まさか呟いたのを聞かれていたことに。

それに、それにあのタイル王はぜっーたい何か言ってくるんだろうな。


けどね、けどね、ミレンも負けじと


「光様、私もギュと抱きしめて下さい」


あーーー、これ城に帰ったらどうなるのお!

また、一波乱ありそうな悪寒。

(イレイになんて言えば‥‥‥嫁さんが一人増えました、てへえ。で許してくれる訳ないじないかよおおおお)

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