第24話 見えてきました‥‥

アレムの城を出て只今街中を走行しています。


行きは何とか早く着かないと、て思いから周りを見る余裕なんてなかったんですよね。


で、帰りはのんびりと帰る事にしたので現在アイに自動運転してもらってます。


街並みを見ているとやっぱり異世界て思えるほど中世の西洋風の建物が所狭しと並んでます。しかもカラフルなんですよ建物が。

よく見ると煉瓦ぽい物を重ね積み上げた建物何ですが普通煉瓦は茶や白なんですが、緑や黄、赤、青、紫など本当にカラフルです。


「本当に色取り取りだなあ」


「光、珍しいの?」


「うん、僕は山奥育ちだから」


「そうなのね。けど私はこの車の方が‥‥」


イレイが窓の外を見て言いますよ。

確かにそうですよね。見たこともない物が馬が引かないで走ってますから。


因みに街中なので現在約30キロで走行中。ですので街中を歩いている人や馬車の客なんかは驚いた顔で見てますよ。


「なんだあれは?」とか、

「奇妙な乗り物だ!」とか、

「馬が引かないで動いてる!」


ハイハイ、全部聞き慣れたセリフです。ハイ

けどね、


「化け物だあ!」


にはちょっとめげましたよ。


するとスマホがなり見るとメイルからです。


『光様、今どの辺りですの?』


「まだ、街中だよ」


と他愛ない話をして一旦切ると今度はミレンから、


『光様、大丈夫ですか?』


「ミレン、うん、大丈夫だよ」


と、これまた他愛ない話をして一旦切ります。と、今度はまたメイルから。で、切るとまたミレン。この繰り返しを2時間近くしてましたよ。


で、助手席のイレイは何やらスマホで僕や外の景色を撮って2人に写真を送ってます。


いえね、別にいいんですよ。別に。写真を好き勝手に撮ろうが電話を何回も掛けようが。

けどですね、度が過ぎるとダメですよ。度が。て、そう僕はメイルとミレンには言えません。だってですね暫くあの2人には会えないですからね。甘いと言えば、ハイ、僕は甘いです。イレイにしてもやっとプリム小国に帰れるんですから。


ですので僕はこの3人には怒れません。怒れませんよ。ハイ。


けどですね本当にこのグリーングリーンワールドの異世界は緑に囲まれた世界だと改めて知りました。


街中を出ると徐々に緑色の木々が増えてきます。そして田園風景や草原も。


「本当に緑の木々や草原が光に照らされキラキラしてる。こんな光景見たことないですよ」


僕が言うとイレイが不思議そうに


「光て山奥育ちでしたわよね?こう行った光景はめずらしいのですか?」


「えっ!『なあ!しまった。まだイレイには僕が異世界から来たことしらなかったけ』」


「う、うん。だって山奥じゃこんな田園風景や草原もみれないからね」


僕が言うとイレイはそうなんだと頷いた。

とにかく信じてもらえた。けど‥‥‥いつかは本当の事言わないといけないよな。


で、4WD車はアレム大国とプリム小国を繋ぐ峠道に入ろうとしていた。


僕はここの何処かの道からトンネルを通ってこの世界に来た。なのでこの峠道の全行程を知らない。


なのでアレク王に峠道の事を聞いた。

アレク王曰く、この峠道が一番時間のかかる道らしい。


なんでも峠道は約180キロぐらい有るが標高は約3300メートルあり馬車で行くとこの峠道だけで1日はかかるとか。


だからプリム小国からアレムまで行くときは野宿する道具を持って行くそうです。


けど、こいつなら4時間ちょいで行けます。


峠道に入り峠道を登る4WD車。


しかし僕はここでフッと思ったんです。


《異世界と繋がったトンネルはあるのか?》

と。


確かトンネルを出てイレイと出会い、アレム大国に向かう時はなかったんです、トンネルが。


で、ですね、チーにこっそり聞いて見たんですトンネルの事を。


「もう、トンネルは現れないよ」


との事。なんでも同じ場所には2度と現れないらしいんです。


それを聞いた僕はホッとしました。何故かって?やはり婚約者がいますからね。

‥‥‥けど、100パー安心したかと言うと嘘になりますが。だって僕も人ですから元いた世界の未練はわずかばかしありますよ。


そして‥‥‥、


「ここ‥‥‥ですわね」


「うん、ここからはじまったんだよね」


そうなんです。ここで僕はイレイと初めて会いました。(詳しくは第1じゃなく第2話をご覧下さい)


「あの時は驚きましたわ」


「僕もだよ。いきなり兵に物取りか盗賊に間違われたんだから」


「わしは‥‥‥気づかんかった」


「そうですわね。お父様は馬の綱を持ったままでしたから」


そんな談話を笑いながら話して暫く走り山々に囲まれた峠道が開けた道に出ましたら、


見えて来ましたああ!


「‥‥‥あれが」


「ええ、あれが私達の国‥‥‥」


「プリム小国です」

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