第79話 五百年前の僕からの‥‥‥

「アクアニ、ヒカリカラメッセージガアリマス」


アイが悪亜に言います。


今の僕からではなく、五百年前の僕からのメッセージだそうです。


「アイ、光からのメッセージをお願い」


「リョウカイ、サイセイシマス」


悪亜がアイに言うと‥‥‥


“「悪亜‥‥‥悪亜‥‥‥僕の声が聞こえるかい?」”


「光?光‥光!‥‥‥あなた!」


スピーカーから流れる声。しかし何処か老けた声。


『そうか‥‥多分、年老いた僕なんだ』


“「悪亜‥‥‥僕はこのメッセージを君に話す前に謝っていけないことがある‥‥」”


「えっ?」


“「悪亜‥‥君を最後まで幸せにする事が出来なくて‥‥ゴメン‥‥。君より先にってしまう事を許してほしい」”


「あなた‥‥グスン」


“「僕は最後まで君と悪亜と生きたかった‥‥‥けど‥‥やはり‥‥病には勝てそうもない」”


五百年前の僕は病で倒れ死んだのか‥‥‥


“「けど‥‥悪亜と僕の子供らが君を守ってくれるはずだ‥‥‥」”


悪亜は僕の肩のとこでワンワン泣いてます。で、4WD車の外に居るブレイク王達も、貰い泣きしてますよ。


「あなた‥‥グスン‥グスン‥私もあなた‥光と一緒に生きれて幸せでした」


“「悪亜‥‥僕の寿命も後一年だろう。だから悪亜、君にこのメッセージを残す。」”


そうか。僕は病で、後、一年間しか生きられないのを知って、悪亜にメッセージを残したのか‥‥‥


「うん?、待てよ?。五百年前の僕はどうやって寿命を知ったんだ?」


そして‥‥‥僕は‥僕の‥五百年前の僕のメッセージに驚愕する。


「後、悪亜の‥‥五百年後の僕‥‥‥乙川 光にメッセージを残す」


「‥‥‥‥!!!、な、な、なんだって!」





◇◇◇◇




時は遡る事、1日半。

ここはプリム小国のプリム城内。

光がガルバディ帝国に立って既に半日が過ぎていた。


「ダーリン達、今頃はどの辺りにいるのかな?ねぇ、お姉様」


「え、ええ‥‥‥」

心ここにあらずのイレイが返事をすると、エレムがイレイの顔の近くで、手を振るが‥‥


「ダメ‥‥ですか。フゥゥゥー。お姉様!お姉様!」


エレムがイレイの体を揺さぶると、漸くエレムに気がつき、


「‥‥あっ‥‥エレム、どうしたの」


「お姉様、どうしたのではありませんわ!こちらが聞きたいぐらいです」


「‥ごめんなさい‥」


「お姉様‥‥ダーリンがガルバディに行って寂しいのは分かりますわよ。私だって一緒に着いて行きたかったですから」


「エレム‥‥‥」


「それにお姉様はまだいい方ですわよ!ダーリンが出発前に会えたんですから‥‥‥『私だって会いたかったんですからね』」


「‥‥‥ごめんなさい‥」


まだ気落ちしているイレイにエレムは、両手の人差し指をイレイの口元に置くと、無理やり口を吊り上げさせ、笑顔を作り、


「お姉様!笑顔!笑顔ですわよ。そんな顔ではダーリンに嫌われますわよ」


「エレム‥‥そうね、そうよね。ありがとうエレム」


エレムはニコリとして、やれやれとした顔をした時、


「イレイ姫様、エレム姫様、アレム大国よりメイル姫様とミレン嬢様がお越しになりました」


とメイドが二人に言います。


「メイルとミレンが?何かあったのかしら。こちらに通す様にお願いします」


「ハイ」

メイドはお辞儀をする。暫くしてメイルとミレンが、イレイの居る部屋へと来た。


「トントン」


「はい。どうぞ。」


部屋の扉が開くと


「お久しぶりですわ。イレイ、エレム」


「お久しぶりです。イレイさん、エレム」


因みにミレンは婚約が決まってからは、イレイとメイルの事をさん付けで呼ぶようになった。エレムは、さん付けは嫌です。呼び捨てでいいです。て、事でエレムですが。


「お久しぶりです。二人共」


「で、イレイ!光様は何処に?」


「えっ?聞いてないのですか?光なら今し方ガルバディに行きましたが‥‥」


「えっ?えええええええーー!!!光様はおられないのですかあ!ウウウッ、こうして美人の婚約者2人が遥々会いに来たのにぃ!」

とメイルは不機嫌に。


「そうですわよね。まったく旦那様は。プンプンです」

ミレンもなんだか不機嫌に。


そんな二人を見て、イレイはクスクスと笑いだします。で、


「所で二人はどうしてプリムに」


「えっ?イレイは何か聞いてないのですか?」


「いえ、エレムは何か聞いてますか?」


エレムも首を左右に振り知らないと言うと、メイルが、


「だったら、お父様に聞いてみますわ。一緒に来てますので」


「えっ!タイル王もこのプリムに来ているのですか!」


エレムが驚いた表情で聞いてきます。


で、何度もいいますがこの狭いプリム城、直ぐにタイル王はメイル達に見つかると、逆にタイル王は


「おお!お前達いい所に」


「えっ?お父様、私達に何か用でもあるのですか?」


タイル王の隣に居たアレク王が


「うむ、実はな、光に頼まれてある物を全員に渡すように頼まれたのでな」


「「「「えっ?」」」」


「光が‥‥‥」


「光様が‥‥‥」


「旦那様が‥‥‥」


「ダーリンが‥‥‥」


「それで私も呼ばれたのですか?」

イグム伯爵がアレク王の横に来ると、


「お父様‥‥何故ここに?」

ミレンが驚いて聞いてきます。


「私も光に呼ばれてな。して、タイル王様、アレク王様、もしかして例のあれですか?」


イグム伯爵がタイル王に聞くとウンと頷くとアレク王が例の場所へと案内をした。

そして‥‥‥


「お前達に光から渡して欲しいと託されたのは‥‥‥」


「「「「これは‥‥‥!!!!」」」」


彼女達の前に現れたのは‥‥‥‥。

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