第174話 無理、無茶

カイトの一件は一段落?したので、いよいよインフルエンザウイルスの駆除と『ホクトリアの悲劇』で荒れ果てた土地を元に戻す事に取り掛かります‥‥‥が!


「これだけの土地に光のスキル【リペア】を使用するのに僕らだけのマナではたりないよ!」


と、チーとマーが僕に言ってきました。

確かにアマリリス村では木の妖精のマナを使って、村の周りに【リペア】を掛けることができたんですが、今回はかなりの広さ。


「どれだけの広さがあるか見当もつかない!」


チーとマーが頷きます。だから‥‥‥

アルベル、デーブル、クラウドの妖精さん達が協力してくれます。


「ありがとう!アルベル、デーブル、クラウドの将来の奥様方」


僕が冗談交じりに言ったら、チィーユ、ノウス、エミリの三人の女性(元は妖精ね)が顔を赤らめて恥ずかしそうにしてますよ。チィーユなんて、「光、何言っているの//////!」と、恥ずかしさを隠しながら背中をバァーンと思い切り叩かれましたよ。


まあ、男性陣からは怒られましたけどね。


とりあえず、ベルガー城と周りだけでもなんとかしないと、で、【リペア】を使用しました。

やはりと言うか、ベルガー城の周りの土地からも僅かながらクリスタルの粒子による、透き通った青色がポツリポツリと所々から出てきました。

それを見ていたアルベル達は、


「本当だ!これで‥‥‥これで、ホクトリアを元の大地に戻せる(泣)」


泣きながら喜んでましたよ。ただですね‥

ベルガー城と周りに使用した【リペア】は、僕だけのマナを使用したものだから、マナがギリギリだったのか、立ちくらみをしたんですよ。その状態を誰にも見られなかったから良かったんですがね〜

見られました、イレイに。

イレイからは「無理はしないで」と念を押して言われましたから。で、イレイが僕のところに来て真剣な顔で、


「光、私との約束忘れた?」


「忘れてないよ。けど!今回だけは無理‥無茶な事をする事を許してもらいたい!」


「光!」


僕はイレイに頭を下げた。するとイレイは僕の名を怒鳴るような勢いで叫ぶと、みんなが僕とイレイを「どうしたんだ?」とした表情で見ます。


「光!‥私は貴方の‥‥‥」


「イレイ、君にして欲しいことが、いや協力してもらいたいことがある」


「えっ?」


「さっきみたいに僕は倒れそうになるかも、だから‥イレイ‥君にその時、僕の看病をしてもらいたい」


「光‥」


「君が‥君らが僕の側にいたらな、無理はするけど、僕自身が倒れる程の無理はしない。君らを悲しませる事はしない。約束したからね」


「光‥‥うん、わかったわ」


「ありがとう」


そう言うと、僕の婚約者達は


「「「「「私達もついてますよ♡」」」」」


僕はこの時彼女達から物凄く元気をくれた気が、いやくれた、くれたんだ。


「ありがとう、みんな」


そして、いよいよインフルエンザウイルスを駆使する僕と妖精付きの妖精達。


「お兄様♡」


「あ、カイト君いたんだね」


「僕もお兄様の看病をしてあげるね♡フッウ」


あ〜っ!カイト君、耳に息をかけないでいえ〜!力がねけるうううぅぅぅ。



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