第51話 城の下の‥‥‥
「タッタッタッタッタッ‥‥‥バタン」
兵が先程まで光とアルベルが商談していた客間のドアをいきなり開け、
「ハアッハアッ!‥‥た、大変です!アルベル様!」
息を切らせながら部屋に入る兵に
「何事だ!」
「ハッ!プリムの国王代理の乙川 光様が屋上の城壁のブロックの崩落に巻き込まれたとの連絡が‥‥」
それを聞いたアルベルは座っていた椅子が倒れるぐらいの勢いで立ち上がると
「光が崩落にまきこまれただと!」
「‥‥‥で、光は!」
「ハッ!城の地下の方へと落ちていったと‥‥」
「なに地下だと!」
「はい!」
なにか一瞬慌てるアルベルだが深呼吸を一つすると
「今はこれ以上崩落させないのが先だ!上には誰も近づけさせるな!」
「ハッ!」
アルベルの近くにいた白銀の美女のチィーユが
「ギッシュ、地下には‥‥‥」
「ああ、わかっている。だがそう簡単には見つかるまい。それよりも落ちた光が心配だ!ここで光に何かあれば国同士の問題になる。それだけは今は避けねば‥‥‥」
「そうね‥‥‥では私達も」
「ああ」
そう言うとアルベルとチィーユは城の地下へと向かった。
◇◇◇◇
「ポタッ‥‥‥ポタッ‥‥‥ポタッ‥‥‥」
どこからかの水の雫の落ちる音が木霊して聞こえます。
しかし‥‥‥辺りが暗く何も見えません。
てか、僕は気を失ってないのか‥‥‥‥
あっ!それよりもマーは?
「マー!‥‥‥マー!!聞こえたら返事をしてくれないか!」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥光‥こ、ここだよ」
「‥‥‥どこだよ?」
「‥‥上だよ‥上」
「上?」
僕が上を見上げると、
「痛っ!」
頭の毛を引っ張る感覚‥‥‥
で、頭の辺りを両手で探りますと‥‥
いました!いました!毛を引っ張る犯人を。
「マー、僕の頭の上に居たのか」
「‥‥うん、‥‥光それよりここはどこ?暗くて分からないよ」
というマーを僕の左肩に乗せますと、ポケットからスマホを取り出しライトを点けます。
で、ライトを照らした所を見ると白いのですよ。
最初はライトに照らされて白く見えるのかな?と思いましたが‥‥‥‥‥‥
「これってもしかして砂?」
で、手で僕の周りを探ってみますと、確かに砂の感触です。しかもかなりサラサラした細かい砂です。
で、ライトを上に向けると‥‥‥‥‥‥‥
「‥‥なあ?なあ?‥‥あんなとこから僕は落ちて来たのかよ?」
そう、高さは15メートル?いや、それ以上高い天井がライトに照らされます。
しかも天井にはつららのような物がいくつもぶら下がってます。
つまり‥‥‥ここは‥‥
「鍾乳洞‥‥しかもかなりだだっ広い空間の」
そうなんです!ここは多分城の下にある鍾乳洞。しかも‥したが何故か砂の。
しかし‥下が砂のおかげで僕とマーは助かったんだから。
「それにしても‥城の下に鍾乳洞があるなんて‥‥」
「そうだね‥‥」
僕とマーはライトを照らしながら辺りを目で追います。
で、天井をもう一度見た時気づきましたよ。
天井には無数の穴が開いてますよ。
「僕とマーはあのどれかの穴から落ちて来たのか‥‥‥」
「所で光、ここからどうやって出る?助けを待つかい?」
「あっ、それなら」
と僕は右手の人差し指の先を口にしてくわえ出すと右腕を上げ人差し指を立てて、感じ取ります‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥あっ感じた。
そうなんです。風が吹く方を指先で感じ取っていたんです。
こういった洞穴や鍾乳洞は、風の吹く方や、水の流れ先なんかに出口があるって‥‥。
まあ、行き止まりて事もありますがね。
「風はあちら側から吹くから‥‥吹く方に行ってみよう」
「うん」
で、僕とマーは風が吹く方へと歩き出した。
けど‥、けど‥ですね。
アニメ好きの僕はこん場所に落ちるとこう叫びたくなりますよ。
「人を排泄物扱いしやがって!フ〜〜ン!」
とね。
「光‥‥」
「うん、なんだいマー?」
「光はう○こなんだね」
なあ!
ちぃ、違うわあああああああああい!!!
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