第82話 並行世界(パラレルワールド)
ホクトリアの悲劇?!だって!
この言葉に一番驚いていたのは、やはり、アルベルとチィーユですよ。
そして、五百年前の僕は言う、
“「多分、そこにはホクトリア生まれの者が居るはず‥‥‥そして‥‥色々な出来事を何故知っているか?、それについても説明する」”
五百年前の僕はあたかも今後の出来事を見て来たかのように話します。
“「まずは、乙川 光‥‥つまり僕、君は僕なんだよ。同一人物だ!」”
やはり同一人物か!しかし‥‥‥
“「しかし同一人物とともに別の人物でもあるんだ。それがスマホのシリアルナンバーだ。それと、ここグリーングリーンワールドの着方も違う」”
「なあ!なんだって!」
僕は驚くと共に、まだ違うところがあったのかと、更に驚く。
“「僕の場合は海に行く途中のトンネル内。そして君は山道のトンネル内だろ」”
「!」、確かに僕は静岡のキャンプ場に行く為に山道を走って、その途中にあるトンネルをくぐり、このグリーングリーンワールドに来た。
“「何故、僕と五百年後の僕が、同じ人物なのか?普通なら、同じ世界に同じ時間、同じ人物の存在はありえないんだ」”
確かに‥‥‥もし、同じ時間に同じ人物がいたらそれはまるで、ドッペルゲンガーになる
(ドッペルゲンガーとは、自分と同じ人物を見たら近い内に死ぬ、とされる現象)
‥‥‥けど、今回、僕の場合は五百年と言う長い時間差が生じて入る。
だからドッペルゲンガーは起こらない。しかし‥‥
“「これは、並行世界の話でした方が早いかも」”
そう五百年前の僕が言うと、周りの皆んな、「「「「「⁇⁇⁇」」」」とした表情をします。
そして、今の僕が言います。
「並行世界、つまりはパラレルワールド‥‥‥」
「パラレルワールド?てなんですの?」
「パラレルワールドは無数に存在する世界のことだよ」
「?」とミリア達。
で、僕がなんて例えれば良いか、考え
「う〜ん、なんて言えば‥‥‥あっ!ミリアは夢を見たことある?」
僕がミリアに聞くとミリアは、うん、と頷いた。
「夢もパラレルワールドの一つだと考えられているんだよ」
「夢‥‥‥ですか?けど夢は夢ですわ」
「けど‥‥現実味みたいな夢だってあるよね」
「‥‥‥!!、確かにありますわ」
「うん、それは寝ている時に自分の意識だけが別の世界に行き、その世界の自分に移り、体験する、て言われている。だから、目覚めた時『夢でよかった』とか『なんだ、夢か』てなる時があるんだよ。つまりその夢で見た世界が並行世界、パラレルワールドなんだ」
けど‥‥‥‥それではなんで、三つの世界が‥‥‥、僕は疑問に思います。
“「これは、僕が思った事だから、確証はないが、ABCの三本の線があるよね。Bの線はグリーングリーンワールド。Aの線は僕(五百年前)、そしてCが五百年後の僕だ。普通はこの三本の世界は繋がる事はないんだよ。けど‥グリーングリーンワールドは如何やら五百年毎に別の世界に繋がる扉が開くらしい」”
これは僕も知っていた。マーが前に言っていた。『次の扉は五百年後』だと。
“「そして、このBのグリーングリーンワールドを中心にしてAとCの同じ時間、僅かに違う世界『シリアルナンバーだけ違う世界』と繋がる扉が、同時に、同じ時間で、違う場所で開いた。そしてだ、入り口は同じ時間だったが‥‥‥出口で、五百年と言うズレが出た」”
そうか!それで僕と別の世界の僕とには五百年の差が出来たのか?
じゃあ?いったい、誰がこんな事をしたんだ?
“「それはわからない。けど‥僕も、五百年後の僕も聞いているはず。この世界、グリーングリーンワールドが僕らを呼んだ、と言う事を」”
その言葉を聞いた時、周りにいたミリア達は、僕に振り向くと、
「では‥‥‥光は異世界から来たのか?」
ブレイク王が目を細めて僕に聞きます。
「光様‥‥‥本当に‥‥」
ミリアも何か戸惑いながら聞きます。
僕は少しため息をすると、一つ深呼吸。で、
「うん、本当だよ」
とニコリと言う。
これで、ミリア達が僕を敬遠するなら仕方がない事。だって僕は、異世界の住人ですからね。けど‥‥‥そんな僕をイレイ達は受け入れてくれたんだ。
「光様‥‥‥異世界の人」
「うん、黙ってて、ごめん」
「光様は‥‥‥私は光様の事が好きです」
「えっ?」
「ううん、私は光様と結ばれたいです」
そのミリアのセリフにブレイク王は最初は驚くが、
「ミリアがそこまで気持ちが固いなら‥‥光、ミリアを頼むぞ!」
腕を組みながら、僕の方を向いて話すブレイク王。
「ちょ、ちょっと、頼むぞ!、て言われても」
「なんだ?ミリアの事が好きではないのか?」
とまたも定番のセリフを僕に言います。
「いや、好きとかじゃなくて、僕は異世界から来た住人で‥‥‥」
そんな会話に茶々を入れる五百年前の僕は、
“「もう、ミリアは確定なんだから、往生際が悪いぞ!僕」”
なあああーーーーー五百年前の僕!
そんなとこは未来視で見るなああああ!!!
て、五百年前の僕にツッコミを入れました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます