第73話 どうして‥‥‥
言い伝えられた話と、本当の話はやはりと言うか、違いますよね。
まあ、現世に居た時も歴史の教科書の中も修正されたなんてよくありましたからね。
て、それよりも‥‥‥僕がこの異世界、グリーングリーンワールドに現れ、悪魔の
僕的にはこちらの方が、驚きですよ。
では?、今ここに居る僕はなんなんですか?何者なんですか?てな具合になりますよ。
けどですね〜、僕は僕なんです。誰がなんと言おうと‥‥‥。
僕は現世で産まれて此の方異世界に、グリーングリーンワールドなんかに行ったことなんてありません。ましてや、親が異世界から来たなんて聞いてませんし。
けど‥‥‥けどですね‥‥‥
これはこの場に居た全員が思っていました。
「信じて‥‥くれるの?」
半分泣く様な感じで言う悪亜に僕は、
「うん‥‥‥けどね‥‥僕自身は半信半疑だよ。やっぱり‥‥‥証拠がね‥‥」
僕のこの「証拠」の言葉に悪亜以外は皆、頷きます。
「‥‥‥証拠ですか‥‥‥ありますよ」
「「「「えっ?あるの?証拠が!」」」」
悪亜が言うと皆、驚きますが‥‥デーブルが
「‥‥‥はあっ!、もしかして彼処では?」
このセリフにアルベルも、
「そうか!彼処か!」
「彼処?」と僕。
「デーブルが発見した所だ‥‥‥ここの下だ!」
◇◇◇◇
僕らは今、地下のそのまた下の暗い地下通路をデーブルが発見した所迄、歩いてます。
で、何処に?その地下に入る扉が在ったかは‥‥灯台下暗しとは良く言ったものです。
地上から地下に続く地下道から少し離れた所に、見事にカモフラージュされた扉が在りましたよ。しかも地面に。
五百年て歳月が余計分かりづらくしていたんですねぇ。
「これでは誰も分からないのは当然だな」
僕におんぶされているブレイク王が言います。
あっ、僕が何故?ブレイク王をおぶさっているかは、まだ体力が戻らないからです。
ヒーリングは掛けましたけど‥‥筋力はすぐには戻らないみたいです。
因みに、デーブルにもヒーリングを掛けました。
「処でデーブルさん、その発見した場所は‥‥‥」と僕に
「デーブルでいいよ。私も光と呼ぶので」とデーブルはニコリと。(けどニタニタしたデーブルの印象しかないので‥‥このニコリはなんだかねぇ)
「しかし‥‥‥光、そのスマホ‥‥か?そのライトはかなり明るいな。この魔法石火のランタンより数倍は明るい‥」
デーブルが持っている20センチ程のランタンと見比べてます。
「流石私の旦那様///。持ち物も凄いのを持っていますのね」
僕の左横を寄り添いながら步くミリアは自慢気な顔で言うと、
「だ、だ、旦那様って///」
「別にいいではないか光、上に戻ったら直ぐに結婚だからな」
ブレイク王がとんでもない事を言ってますよ。
「ブレイク王!あ、あ、あのですね///‥‥」
と、僕は途中で言うのをやめた。
だってですねえ、あのオッサン王二人で経験済ですから、この後どうなるかは‥‥‥。
そんなこんな話をしながら步く事暫し、
「着きました」
「ここよ」
デーブルが言うと、悪亜も頷いて言います。
スマホのライトを辺りを照らしながら見渡す僕は‥‥‥
「ブレイク王‥‥‥おろしますけどいいですか?」
「あ?うむ」
「光様?」
僕を心配そうに見るミリア。
そして、ミリアに抱っこされていたマーが僕の左肩にヒョイと乗ると‥‥‥
スマホのライトに照らされた物を見て 僕とマーの動きが止まります‥‥‥
「‥‥‥なんで?‥なんで?‥‥‥」
「‥光‥」
「‥‥マー‥‥なんで?‥僕は‥‥」
「‥光‥僕も‥‥」
「光様!光様!どうなさいましたか?」
心配そうに僕を見つめるミリアに、
「ミ‥‥ミリア‥‥」
僕はミリアを、まるでぎこちないロボットの様に見ると、またある物に向き直った。
そして一歩、また一歩と近づくと‥‥
「‥‥どうして?‥‥なんで?‥‥なんで?‥‥」
「光‥‥」
不安そうな顔で僕を見るマー。
「‥‥‥どうして!これがここに在るんだあああああああ!!!!!!」
僕は叫んだ。
そこに‥‥‥在ったのは‥‥
周りを苔と錆だらけで覆われて五百年もの間放置された‥‥‥4WD車だった。
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