第34話 プリム湖の妖精

朝食を済ませた後、僕はエレムが言ったことが本当かどうかイレイに聞いてみたんです。


「イレイ、あ、あのね‥‥‥」


「光、どうしたの?」


「あ、あのね、その‥‥‥ね」


「うん?」


「えっと‥‥‥‥‥‥プ、プリム湖の妖精さんに会いにそろそろ行かない?」


「そうですわね」


イレイに聞けませんでした。写真の件聞けませんでした。やっぱり僕はヘタレですうう。

けどですね、これだけは見たんですよね。

イレイがスマホを見ながらニコリとしたのを。しかも何回も眺めてる所を。




◇◇◇◇



で、今僕とイレイ、エレム、チーとプリム湖の別荘の反対岸に居ます。


さほど大きくない湖なので歩いて30分ぐらいで着きました。

で、ですね昨晩見た写真ではこの反対岸辺りに白い球体が写っていたんですよ。

と、言うわけでこの辺りを散策しようとなりましたが‥‥‥


今朝の一件があって、エレムがまだ僕とのキスショット写真を撮りたがっているんですよ。


で、まるで獲物を狩る動物のよいに隙さえあれば、てな状態なんです。


まあ、僕としては女性に好かれるのは嫌じゃありません。寧ろ大歓迎です。


けどですね、エレムは12歳ですよ。いくらこの世界の成人が13歳だとしても僕が元いた世界の常識がそう易々とぬけないですからね。

やっぱり抵抗感ありますよ。


イレイに関しては‥‥‥まあ年が15歳ですが僕が初めて心の奥底から惚れましたからね。

なんと言ってもあの目です。純粋な目に。

けど最近はイレイも大胆な行動や嫉妬?みたいな感じで僕と接してくるようになったんです。これっていい兆候なのかな?


とか、考えてプリム湖の妖精さんを探してますが‥‥‥‥‥‥


「いませんわね」


「いませんですわね」


「そうだね」


やっぱり見つかりません。

ただチーだけは気配があるのか分かるのか?う〜んと唸ってます。


で、僕が別の場所に移動しようと振り向いた時、


「どいて!どいて!どいて!どいてええええええええええ!!!」


何処から叫ぶ声が、イレイとエレムを見ますが違うと言ってます。

チーは僕の頭の上にいます。

で、振り返ると


「どいてええええええええええ!!!」


「えっ⁈」


「ドスウ!!!」


「オフウッ!!!」


何かが僕の腹めがけて突っ込んできましたよ。まるで正拳突きを腹に食らったかのような痛みです。(因みに僕は正拳突きを食らったことがありません。すみません)


でイレイとエレムが


「「光」様」


「えっ?」


僕の腹に突っ込んで来たのは‥‥‥

白い球体でした。


「て、事はこいつが‥‥‥プリム湖の妖精」


チーが僕の腹の白い球体をまじまじと見ると


「間違いないよ。こいつ妖精だ!」


僕の手のひらより小さい白い球体をイレイとエレムがジィーと見てます。

で僕が


「大丈夫かあ?」


「う〜〜〜ん、だ大丈夫‥‥‥えっ?」


なんかこいつ僕の事、驚いてますけど


「君‥‥‥妖精付き?」


「えっ?妖精付き?」


「僕が光に付いている、て事だよ」


とチーが言うとプリム湖の妖精が


「君がその妖精かい?」


「そうだよ」


「君もその人に付いているならわかっていると思うけど‥‥‥」


と、その後のチーとプリム湖の妖精の会話が聞き取れませんでした。と言うか妖精語?の様な会話でわからないんですよね。で、会話が終わると


「ふう〜〜〜ん‥‥‥僕、君に興味が湧いたかも、いや君が好きになったかも」


「「「えっ!!?」」」


僕、イレイ、エレムは驚いてます。


「えっ?今なんて‥‥‥」


「うん、君が好きになったかも」


えっ!ええええええええええ!!!

チーいったい何を話したんだよお!

妖精さんから好きと言われましたよおおお!

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