第65話 間に合わない

場の妖精‥‥‥

その名の通り場を操る事が出来る妖精。

で、何を操るか?

マー曰く、何でも操る事が出来るらしいです。


「そんな妖精、無敵じゃないか」


僕が言うとマーが


「うん‥‥けどね、操れる範囲があるんだよ」


「‥‥‥範囲が決まってる、て、どの位なの」


「それは‥‥妖精の力量で違うらしいんだよ」


と言うことはですね‥‥‥

ノウスに聞くしかないですよ、て、教えてくれるわけないじゃないかよ

と、思いましたら


「ノウスはなあ、50メートル内ならどんな物でも操る事が出来るんだよ!どうだ!すごいだろ!あはははは!」


あ〜、50メートルね。

と言うか、デーブルはノウスを自慢するのはいいが、ノウスの長所、短所をいっぺんに言うとは‥‥‥

ノウスは無表情で「!!?」になってますよ。

やっぱりあいつはデブルだな。うん。


「誰がデブルだ!誰があ!!」



◇◇◇◇



砂に着いた足跡を追うアルベルは


「まだ追いつかないのか!」


「ギッシュ落ち着いて」

チィーユがアルベルをなだめる


「‥‥‥すまない‥‥‥そうだよな、落ち着かないとな。でないとノウスの魔法にやられるからな」


「うん」

頷くチィーユはアルベルを見る‥‥‥。




◇◇◇◇




場の妖精‥‥‥つまりは何でも操る事は

僕に放ったのは‥‥‥つまりは‥‥‥


「空気だな!」


僕がデーブルに言うと、何故か拍手をし


「よくぞ、分かりましたね」


と、またニタニタするデーブル。

で、デーブルはノウスに僕に向かって空気砲を撃つように命じます。

ノウスは二発、空気砲を僕に向け撃ちましたよ。


「ドスゥ!ドスゥ!」


見えない空気の塊が僕に向かって来ます。

このままでは‥‥先程の二の舞になる。



「マー! 例のを!」


「わかった光!‥‥‥‥‥‥」


マーは叫びます。


「ウオーターウインド!」


すると僕の前方10メートル辺りの地面から水柱が僕を覆うように立ち上がります。

と、水柱から球の塊のような物が2つ、僕に目掛けて飛んで来ましたよ。

僕はそれを2つとも交わすと、空気の塊は地面の砂に


「ドフゥ!ドフゥ!」


と砂煙をあげて地面にめり込こむ。


「なるほど‥‥考えましたね」


デーブルが頷くと


「では、これなら如何ですか?」


ノウスに次の指示を出すと、ノウスは両手をあげると、次々と空気砲の塊が上空に舞い上がり、僕目掛けて空気の塊が落ちて来ますよ。


「ヒュン!ヒュン!ヒュン!」


音は聞こえますが何処に落ちるかわかない。


マーが小さな手を頭上に振ると、ウオーターウインドの水柱が僕の頭上まで伸びて来ました。


「これなら、分かる!」


水柱を通って来た空気の塊は誰が見ても分かる為、僕はそれを難なく避けます。


「ドフゥ!ドフゥ!ドフゥ!」


またも砂煙をあげ地面に落ちる空気の塊。


焦り出すデーブルは


「貴方を倒すのは後回しにします。まずは‥‥‥」


ノウスはミリア姫に向くと空気砲を撃つ構えに入った。


「ミリア姫!」叫ぶ僕、


「‥‥あっ!」恐怖で動けないでいるミリア姫、


ノウスは構え、そして‥‥‥「ドスゥ!」


ノウスが放った空気砲の塊はミリア姫に目掛けて飛んで行く。


「ま、間に合えええ!!」


僕はミリア姫の前に何とか間に合う‥‥‥が、僕の左肩に空気の塊がヒット!


「グッ!‥あっ!」


僕は当たった反動で空中を二、三回転すると地面に叩きつかれた。


「光様!!!」


僕に駆け寄るミリア姫だが‥‥‥


「グッ!‥‥左が動かない‥‥か、肩がはずれたのか‥‥?」


その僕の苦しむ光景を見たデーブルは

ニタニタとした顔で、


「では次はブレイク王で」


ノウスはブレイク王に向くと空気砲の撃つ構えに‥‥‥。


そしてブレイク王目掛けて空気の塊が‥‥‥


「くっ、動け‥‥」

僕は体を動かそうとするが‥‥‥


「ドヒューウ!」

ブレイク王に目掛けられた空気の塊。


「間に合わない‥‥‥」


「お父様ああああ!!!」


ミリア姫の叫ぶ声がこだまする。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る