第177話 甘かった考え。

ベルガー平原。そこはガルバディ帝国の首都とベルガーとホクトリアの中心にある平原。

このベルガー平原の広さは約四国ぐらいの広さはある。ホクトリアはその約四倍か。

ガルバディ帝国自体がアレム大国に匹敵するぐらいの広さがある。


だから僕はこの人数(僕、チー、マー、チィーユ、ノウス、エミリ)だけのマナだけでは到底たりないと思っていた。が‥‥‥


「光!最初からそんな考えではダメだよ!」


チーが僕の右肩に乗り、やってみないと分からないような口調で言ってきた。

確かにそうだ!僕は最初からネガティブな考えをしてしまう。けど、そんな考えを僕の親父の『どんな小さな事でも真剣に取り組め!』この言葉が僕のネガティブな考えを打ち負かしていた。だが‥‥‥やらなければ!

そして僕は徒競走のクラウチングのポーズを取ると、


「みんな頼む!」


「「「「「うん!」」」」」


そして僕は【リペア】を大地に掛けた。光りだす僕ら。イレイ達はただ両手を組み祈るしかなかった。

僕を中心に青い波紋が広がり出した。ここまではアマリリス村でした事と同じだ。僕とチー達はこのまま行ける!そう感じていた時、


「な、なんだ?」


それはまるで大地に僕らのマナが吸われていくような感じがした。いや、感じではない!明らかに吸われていた。しかも急速に。

チー達が次々と倒れていくなかで、僕も


「力が‥‥‥抜ける‥‥‥」


僕は必死になり体全体を震わせながら【リペア】を大地に掛け続ける。


チィーユ達が倒れ込んだ姿にいたたまれなくなりアルベル達が駆け寄りると、


「光!一旦やめるんだ!」


チィーユの倒れた姿を心配したアルベルは争う様に僕に言って来た。だがチィーユは、


「アルベル‥‥い、今やめると‥‥どうなるか‥‥」


弱々しい言葉で言うチィーユに、


「だがしかし‥‥‥」


アルベルの目が潤み出した。

そんなアルベルの姿が僕の瞳に映る。

だから僕はみんな(妖精達)のマナの供給を切った。


「「「「「えっ?」」」」」


急にマナの供給が切られたおかげでチー達の体が楽になる。そしてチーが僕を見て、


「光!何故!」


チーが叫ぶとみんなが僕を見る。そんな僕は体が一気に何倍もの体重がのしかかったような状態になり、


「‥‥みんな‥が‥犠牲になる‥‥ことない」


苦しみながら僕は言った。そんな僕をチーは


「チィーユ達はともかく、僕とマーは君の妖精付きだ!なのに何故!」


僕は言葉で返そうとしたが、言葉が出なく首を横に振るのがやっとだった。そんな姿の僕にイレイは言った。


「光!私との約束忘れたの!無茶はしないて約束!」


イレイ、いやイレイ達僕の六人の婚約者は涙ながらに僕の名を呼ぶ。が、もうその言葉が僕の耳には届いてなかった。イレイは僕の手を取ると、


「つ、冷たい!まるで氷のよう‥‥‥」


「マナ欠乏!けど‥まさか!光!自分の命をマナにしているのか!」


イレイ達が驚く横でチーは険しい顔をして叫んだ。そんな言葉に僕の六人の婚約者は僕に抱きつき体を温めようとするが、僕は力を振り絞り一言「無理」と言ってニコリと笑みを浮かべた。


「いや!いや!いや! 何で光が!何で!」


イレイが泣き叫んだ時、側に止まっていた6台の4WD車の様子が‥‥‥。

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