第97話 修羅場

地上に戻って来た僕ら。

ブレイク王とミリアは約1カ月ぶりの地上ですので、

「眩しい!」と夕暮れの優しい日差しでも、目を細めて言ってます。


で、荷室にいたアルベルとデーブルは、4WD車がかなり急な坂道を勢いよく出て来たので、その際僕が、


「荷室の4人は何かに捕まって!」


そう言うと、アルベルとデーブルは前の後部座席にしがみつき、チィーユはアルベルに、ノウスはデーブルの体にしがみつきます。


で、あの地上に出てくる時の4WD車のジャンプする様な出かた。

荷室では4人が車内の宙を飛びますと、


「「お、おおおお!」」


アルベルとデーブルは、強張った顔をしますが‥‥‥チィーユとノウスは、


「こ、怖かったわねノウス」


「え、ええチィーユさん」


と二人とも声は少し震えてましたけど、顔はなんだか楽しそうな顔をしてましたよ。

やはり妖精でも女性になると、この手のは強いんですかね?


で、僕はと言うと、


「クリエラとライミがこちらに走って来るよ」とマー。


「えっ!」

僕は少し?顔元の口を引きつりながら、心の中では『ど、どうしよう! ミ、ミリアの事』

と、考えていると、き、来ましたよ(焦)、クリエラさんとライミさん。で、チーはクリエラさんの肩に乗っています。


「「光様!」」


「光!」


二人と一匹?は、僕が乗っている4WD車の運転席側に来ると、僕は覚悟を決めてドアを開けます。

いやね、ここは感動の再会をするところなんですが‥‥‥


「まずは第一の修羅場ですかねぇ〜、光」


と僕にとっては恐ろしい言葉を言って来ますよマーは。

で、車から降りて来た僕にクリエラさんは


「光様‥‥‥無事で‥‥‥無事で‥‥‥光様!グスン」


と、僕に抱きついて来ました。


「た、ただいま。クリエラさん、ライミさん、チー」


僕は軽くクリエラさんを抱きしめると、クリエラさん、


「光様///♡」


僕をギュッと抱きしめ返して来ましたよ。



で、で、で、その光景を‥‥‥僕の背中に突き刺さる視線が‥‥‥振り返ると‥‥‥

後部座席に座るミリアが僕を見てますよ〜お

しかもニコニコしながら見てますよお〜お


「ク、クリエラさん。ちょっと待っててね」


僕に抱きつくクリエラさんに


「クリエラさん、少しごめんね。車に乗っている人達をおろすから」


僕はそう言うと、車の後部座席のドアを開けますよ‥‥‥で、いきなり、


「光様!」


ミリアが僕に飛びついて来ましたよ。

で、その弾みで僕は尻餅をしました。


「光様! 私を放ったらかしにしないで下さいまし」


ミリアは僕に抱きつくと、顔をスリスリして来ましたよ。

その状態を見たクリエラさんは目を点にしてみてますよ。


「ひ、ひ、光様あああ、この人は、誰なんですかあああ!」


もうですね、クリエラさん、冷静ではいられない五分前てな具合ですよ。


で、それを見たミリアは、スクッと立ち上がるとクリエラさんを見て、


「貴女がクリエラ=レ=マシュウですか? 私はミリア=デ=ガルバディです。先程、私も光様の婚約者になりましたので、よろしくお願いしますね」


ミリアがウインクをしてクリエラさんに言うと、ライミさんとチーも


「「「えっ? ‥‥‥ええええええ!!!」」」


驚くと同時に、僕に詰め寄りますと


「光様あああ! どう言うことですかあ!」

ライミさん、怒鳴って言うと、チーは僕の顔に近づくとペシペシと小さなお手手で、僕を叩きます。


「光‥‥‥クリエラで暫くは最後ではなかったのかい?」


で、クリエラさんはという言うと‥‥‥

唖然としてますよ。で、目が点になった状態が、今度は白い目をしてますよ。


「‥‥‥‥‥‥」


「ク、クリエラさん? こ、これは‥‥‥そ、そのう‥‥‥」


僕はこの時に思いましたですよお!

僕に女性に対しての免疫が無いのが一番の理由なんですけどね、

やっぱりこの世界(一夫多妻)の女性でも、いや、どの世界の女性でも、一人の男性に好かれたい気持ちは変わらないんだと。


‥‥‥時、既に遅しなんですけどね‥‥‥


「で、光‥‥‥この修羅場の様な状態をどうするのかな?」


チーが、ニヤリと言ってきましたよ。


僕は‥‥‥僕は‥‥‥死にました。チーン!


「この後はイレイ達だねぇ! 光!」


僕はこのセリフに、二度死にました。



チーン! チーン!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る