第168話 確信
みんなが見守る中、僕は木の妖精が住み着く木に両手を添えた。
『私を媒体にしてウイルスを感じ取って下さい』
僕は目を瞑り木から僕に流れ込んでくる色々なウイルス、菌などを感じていた。それは何万いや何十億ものウイルスや菌。途方も無い感覚が僕に流れ込んできた。
「こ、こんな中からみつけるのかよ!」
焦り出す僕。いや、焦るより先に頭や体がパンクしそうだ。
『落ち着いて! 私が今までに余り感じた事がないのがそれです。貴方の言うインフルエンザウイルスです。落ち着いて‥‥‥そして貴方が一番探したい、感じたい物を感じて下さい』
木の妖精は僕に落ち着く様に言うと、僕は深く、それこそ自分の今の邪魔な気持ちを吐き出すつもりで深呼吸をした。そして‥‥‥
「‥‥‥うん?‥‥‥これか? いや、うん!これだ!」
僕は見つけた!インフルエンザウイルスを。感じたウイルスを!
そして僕は全神経を集中させ、このウイルスの感じの感覚を僕の記憶、体、神経などに覚えさせた。
『わかりました?』
「ああ、わかったよ! ありがとう」
僕はこの感覚を忘れない為に、一刻も早く【リペア】を使いたかったが‥‥‥
「木の妖精、もし知っているなら教えてほしい‥‥‥このインフルエンザウイルスは突然変異で生まれた物なのか?」
暫く黙る木の妖精は僕に、
『‥‥‥ええ、そうよ』
「そうか‥‥‥ありがとう。これで確信が持てたよ」
『確信ですか?』
「そう確信は自信に繋がるからね」
そう、これは失敗することはできない事。少しでも自信に繋がる事が大事だ。
みんなの前では、必ず助ける、と言ったが‥‥‥不安だ!だから自信に繋がる事が欲しかった。
そして‥‥‥もう一つ問題があるのに僕は気づいた。
「今の僕のマナが持つかどうか?」
以前にスキルの使い過ぎでマナが足りなくなった。今回は一回のスキルでどれだけのマナが消費されるかわからない。
「じゃあ、僕らのマナを光にわけるよ」
チーとマーは、僕にそう言います。
ありがとう。チー、マー。
「なに言ってんの。僕らは光の妖精付きだよ」
マーが僕の肩に乗ると、頬っぺたをペシペシと叩きますよ。
そして木の妖精までもが
『私も力を貸します』
と。
みんなの力を一つにして今から事をやり遂げようとする。体が震える。なんだかワクワクする。けど‥‥‥緊張のがつよいのか?手が震えだす僕。大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫‥‥‥
そして‥‥‥スキル、【リペア】を使用!
僕は体全体の神経を集中させ、インフルエンザウイルスを感じ取った!
すると僕の体が青く光り出した。その青い光は、まるで水溜りに雫が落ちた時の様な波紋が僕を中心に広がっていった。
空に村人の体にそして地面に。
が、地面から妙な音が聞こえた。
「パキン! パキン! パキン!」
僕は失敗か?と不安がよぎった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます