第26話 ガイアの花

「イレイの妹!!?」


僕は驚きました。て言うか僕はイレイの家族構成は知らなかったんですよ。

そんなイレイの家族がどうか聞く暇などなかったんですから。


それで、イレイに聞いてみたんです。妹のことを。


「妹はエレムと言いまして私より3つ下になります」


イレイは心配そうな顔で妹のエレムについて語ります。


「妹は‥‥‥エレムは昔から好奇心旺盛で何にでも興味をしめしました。私が考えて行動する人ならエレムは直ぐに行動に移す人です、そしてその行動が災いしてあの子は幼少時一度誘拐にあっているんです」


「!‥‥‥じゃあ今回も‥‥‥」


「わかりませんわ。けど‥‥‥」


そう話していると然程大きくないプリム城。

直ぐに目的の部屋にたどり着くと、イレイが扉をノックする。


「お父様。イレイです」


「はいれ」


イレイが扉を開けてはいる。続いて僕が入る。

その部屋は然程広くなく、正面には大きな窓があり左側には立派な書籍が並べられた棚が、右側は何かの自然の絵が描かれていた大きな額縁が。そして低いテーブルの周りには6つの1人ようのソファーがテーブルを囲むように置かれ、そこにアレク王と下を向いて泣いているマキエ妃がいた。


「お父様、エレムに何があったのですか?‥まさかまた‥‥‥」


アレク王はイレイに問いに直ぐに首を横に振る。


「どうやらガイアの花を取りに行ったみたいだ」


「ガイアの花ですって!」


イレイが驚いて話すので僕は聞いた。


「イレイ、ガイアの花とは?」


「ガイアの花とは別名身代わりの花と呼びますの。その花に身代わりになってほしい人の名前を言いながら願うと、ガイアの花が身代わりになると。‥‥‥ただそれが咲いている場所は‥‥‥まさか!お父様!」


イレイが何かに気づいたのかアレク王のそばに。


「うむ、どうやらそうらしい‥‥‥今、兵を総動員して捜索しているらしいのだがこう暗くては‥‥‥」


僕の肩に乗っているチーに


「チー、ガイアの花って何処に咲くの?」


「あれは崖とかの危険な場所に咲く花なんだよ」


「‥‥‥!‥‥‥じゃあ」

「うん、最悪‥‥‥」

チーが言葉を詰まらせながら話すと


「私も探しに行きます」

イレイがアレク王に向かい言うと


「馬鹿な事を言うんじゃない!こんな暗い中でどうやって探すのだ!ましてプウにでもあったら」


そうだよイレイ。アレク王の言う‥‥‥うん

プウ?プウて何?なんかやたら可愛い名前だけど。

で、またチーに聞くとなんでもプリム小国に住み着いた大型の野犬の事らしい。

にしてもプウって、もしかしてプリムだからプウかな?


「光、光!一緒に探してくれませんか」


「えっ?あ、ああ。うん」


「では直ぐにでも‥‥‥」


僕の手を掴み引っ張るイレイに僕は、


「ちょ、ちょっと待ってイレイ。むやみやたらに探しても見つからないよ。‥‥‥エレムが何処かそのガイアの花を探しに行きそうな場所て知っているの?」


アレク王とマキエ妃は首を横に振りますがイレイが考えて、


「まさか!あの子‥‥‥」


「何処か思いついた?」


「ええ、昔あの子と遊んだ時に一度だけガイアの花を見た場所があるの」


「じゃあまずはそこから。いこうイレイ!」


イレイが頷くとアレク王がわしも一緒にと言ってきたが


「アレク王はここに。マキエ妃の側にいて下さい。何かありましたらスマホに連絡しますから」


アレク王は頷き、僕は扉の取っ手に手を掛けようとした時、扉をノックしてメイドが「失礼します。紅茶を、キャア!」と僕と鉢合わせになり倒れそうになるメイドを僕は助けますと、


「大丈夫ですか?」


「ええ、ありがとうございます。ポッ///」


ええ⁈なんですか!その最後のポッ///は、イ、イレイ違うからね、違うからね。

あーっ!そこのアレク王はニヤつかない!

マキエ妃なんかはポカンとしてますよ。


「行くわよ!光!」

僕の腕を掴み引っ張られる僕。


僕にはカッコいいシーンとかないんですか?

やっぱりお約束ですかアアアアアアッ!!!

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