第90話 光の元へ

イレイ達四人は、翌朝、陽がまだ登らない内に4WD車が収納されている倉庫の近くにある納屋へと忍び込みます。


しかし、倉庫の扉の前には兵が2人警備していましたよ。


「で、メイル‥‥‥この後はどうしますの? 兵が2人警備してますけど‥‥‥」


イレイが不安まじりにメイルに聞きますと、


「う〜ん、どうしましょう?」


「「「えっ?」」」


メイル以外の三人は、驚いてメイルを見ますよ。

で、イレイはメイルを見て、


「そうでしたわ!メイルは昔から行動力はあっても、考えなしに行動するから、私も酷い目にあっていたのを思い出しましたわ」


下を向いて溜息をするイレイ。


「と、言う事はメイルさんは猪突猛進タイプ?」


イレイを見ながら、付け加えるように言うミレン。


「当たって砕けろ!て事も」


エレムは腕を組んで言いますよ。(けどエレムさん、その言葉、貴女にもあてはまりますよ。光 談)


で、当のメイルはと言うと、


「三人共、言いたい放題ですわね」


頬をプクリと膨らませてます。


「けど、やはりこのまま、あそこに突進あるのみですわよ」


今にも1人で乗り込もうと言うぐらいの勢いで言うメイル。


「そんな事したら、直ぐにお城に連れ戻されますわよ」


イレイは不安が的中した様な顔をしてますよ。


「けど、お姉様。私もメイルさんと同じ気持ちですわよ」


エレムがメイルの助け舟を出しますと、


「だから、そんな事したらお城に‥‥‥」


やはり不安なのかイレイはメイルを見ます。


「けど、イレイ、直ぐにでもいかないと‥‥‥」


メイル、段々と苛立いらだち始めます


「だから、もう少し考えて」


イレイも苛立ちはじめますよ。


「お姉様、そんな悠長なことを考えている暇など」


エレムも苛立ちはじめますよ。


「エレムの言う通りですわよ」


メイルも、て、最初から苛立っていますね。


「さ、三人共落ち着いて下さい」


恐る恐る言うミレンに、


「「「うるさいですわ!」」」


と三人共ミレンを睨みつけます。


「ウウウッ‥‥‥」

ミレン、可哀想に少し泣きそうな顔になっちゃいましたよ。


で、そんな言い合いをしていたら‥‥‥


「たっく!お前らは!」


の声にイレイ達は、振り向くと‥‥‥そこには、両手を腰に置き、仁王立ちに立っているアレク王が居ました。


「「「「えっ!」」」」


「「お、お父様!」」


4人は驚き、イレイとエレムはアレク王を見ます。


「まあったく! 城にいないと思ったら、こんな所に居たのか!」


やれやれとした顔をするアレク王にメイルが、


「あ、あの‥‥‥私のお父様は?」


「うん? タイル王か? タイル王とイグム伯爵は長旅で疲れて、まだ寝ているぞ」


「そうなんですか」


メイルが安心したかの様に言うと、イレイが


「お父様! 私達を光の所に行かせて下さい!」


「!‥‥‥‥‥‥」


「お父様!お願いします!」


頭をアレク王、いや父親に下げるイレイにアレク王は黙ってます。


「‥‥‥‥‥‥」


「「「私達からも、お願いします!」」」

メイル、ミレン、エレムが頭を下げます。


「‥‥‥‥‥‥そんなに光の所に行きたいか?」

アレク王は腕を組んで聞きます。


「「「「はい!」」」」


4人はアレク王を見て返事をします。けど、その返事はかなりの意志の強い返事です。


「‥‥‥はあ〜っ」


溜息をするアレク王は、何か決心をしたのか目を見開き、そして‥‥‥


「わかった!お前達、光の所に行ってこい!」


「「「「‥‥‥本当ですか?」」」」


「ああ!」


4人はお互いに顔を見合わせると“やった!”と喜ぶます。


「ただし!‥‥‥お前達!必ず無事に戻ってこい!必ずだ!」


「「「「ハイ!」」」」


先程の返事とは明らかに違う、明るい返事をするイレイ、メイル、ミレン、エレム。


そして、アレク王は


「お前達だけでは心細ない‥‥‥こちらへ!」


「「「「「「「「ハア!」」」」」」」」


アレク王の声で出てきたのは、8人の女性兵。


「お前達だけでは、心細ない。お前達1人に女性兵が2人付く」


4人は更に驚くと、アレク王に頭を下げると、


「「「「ありがとうございます!」」」」


と。


「お父様」とイレイ


「うん?なんだイレイ」


「‥‥‥ありがとうございます!」


「後の事は任せろ!」


「ハイ!‥‥‥さあ!皆さん、ガルバディに、光の元に行きましょう!」


「「「「「「「ハイ!!!」」」」」」」


イレイの掛け声の元、皆が返事する。


そして‥‥‥ガルバディへ‥‥‥光の元へ。





◇◇◇◇







「はあ〜、やれやれだな。もう、こんな役は嫌だからな!2人共!」


そう言うと、4人に気づかれないようにタイル王とイグム伯爵が出てきた。


「一番の適任はお前しかいないからな」

とタイル王。


「そうですね。私が出て行ったら、王でもない者が出て行ったら何故?になってしまいますからな」

とイグム伯爵。


「まったく‥‥‥けど」


「ああ‥‥‥けど」


「そうですね‥‥‥けど」


「「「何かあっても、光がいるからな」」」


タイル王、アレク王、イグム伯爵は言います。


で、その場にいない僕の意見。もしその場に居たら‥‥‥


信用されてるのは嬉しいけど、


重たいですよおお〜〜

信用が重たいですよおお〜〜。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る