第170話 消えたクリスタルの粒子

嬉しそうに泣く木の妖精。

その声に良かったと同時に何故地中にある粒子になったクリスタルがあのように消えたのか?そして消えたクリスタルはどこへ行ったんだ?


僕は木の妖精に聞いた。


「何故地中の粒子になったクリスタルが消えたかわかるかい?」


『いえ‥‥‥ただ貴方のスキル【リペア】で消えたと言う事しか‥‥‥』


やはり、木の妖精でもわからないのか。

で、僕はスマホを取り出すと


「プ・プ・プ・プルルルル・プルルルル」


「あいつでるか?」


「プルルルル、!」


「あっ! 出た! 光だけど」


「‥‥‥」


「おーーーい!」


「‥‥‥チィーユなら側にいないぞ!」


「えっ?」


あ〜、さっきアルベルをからかったから、不機嫌な返事をして来ましたよ。

まあ、頭の固いアルベルだからね、暫くは不機嫌が続くかな?、て思っていても、今聞ける最善の人物はアルベルしかいないから僕は、


「アルベル、さっきはすまなかった。で、アルベルに聞きたいことがあるんだ」


アルベルにからかった事を謝ると、アルベルは「なんだ?」と一言言ってきた。

で、僕は今起きた事を全てアルベルに話すと、


「光! それは本当か!」


スマホのスピーカーが壊れるのでは、と思うぐらいの大きな声で言ってきましたよ。


「あ、ああ。本当だ!」


僕がそう言うと、スマホの向こうからアルベルの歓喜した声と同時に「キャア!」と女性の悲鳴が。

で、アルベルの歓喜した声が、僕のスマホのスピーカーからダダ漏れですよ。ダダ漏れ!


「チィーユ!チィーユ!地中の中のクリスタルの粒子が消えたんだ!消えたんだよ!」


「ちょ、ちょっとアルベル、何急に抱きつくのよ!‥‥‥えっ?まって!何ていったの?」


「地中のクリスタルの粒子が消えたんだ!」


「本当に!」


「ああ、光が消したんだよ!」


今度はチィーユまで歓喜してますよ。で、アルベルと二人で泣きながら喜ぶ声が聞こえてきます。まあ、あの二人だから抱きならが喜んでいるんだろうなぁと想像できますがね。

けどですねー、アルベルさん、貴方チィーユが側にいないと言ったじゃないですか、と、ツッコモウとしましたがやめました。また機嫌が悪くなるかもなあ。で、僕は、


「アルベル、何故地中のクリスタルの粒子が消えたかわかるか?」


「う〜ん‥‥‥すまん、私にもわからない」


「そうか、ありがとうアルベル」


「ああ、あとブレイク王から先程、私のスマホに連絡があって、城に近寄るなと、インフルなんとかで、と言われたが‥」


今度は心配そうに話すアルベルに僕は、


「その事は、こちらが片付いたら直ぐにベルガーの方にもどる」


「ああ、光、まっているぞ!」


僕はスマホの通話を切った。そして考えた。

何故クリスタルは消えた?そしてどこに行った?

僕が唸りながら考えているので、心配になった、エレム、ミレン、カイトが、


「「「大丈夫ですか?」」」


と顔を覗き込んできましたから、笑顔で僕は


「大丈夫だよ」


と。で、僕は少し喉が渇いたので、


「水を一杯もらえませんか?」


で、ミサさんが木のコップに水を入れて持って来てくれたんですが、水の色を見て僕はギョッとしました。水の色が少し茶色かったんです。で、思わず、


「これ、飲めます?」


と、言ってしまいましたよ。

で、ミサさんが


「このままでは飲めませんよ(笑)」


笑いながら言ってきました。なんでもアマリリス村は水が貴重で飲み水や畑の水は雨水や井戸の水で、なんとかしているとか。で、最近、井戸の水が枯れて今は雨水でしのいでいるとか。

で、で、ミサさんがポケットから手のひらに乗るぐらいの木箱を出すと中から出したのは


「クリスタル? えっ!それってまさか?」


「ええ、ホクトリアのクリスタルです」


小指程の大きさのクリスタルを木箱から出すと、木のコップの中にポトリと落とすと、コップの中の水がみるみる透明になっていく。


「なんなんだ?これは?」


僕が驚いているとミサさんが、


「このクリスタルが水を綺麗にしてくれるんです」


まさか、クリスタルにそんな水を入れろ過する力があったなんて、驚きですよ。

‥‥‥‥‥‥‥‥まてよ。

クリスタルが水だけじゃなく他のもろ過できたら。

‥‥‥だから消えたのか!だったら消えたクリスタルは‥‥‥たぶん‥‥‥。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る