強制退学!?男の娘《コ》!
バレた?バレた?バレちゃったっ!?
一部の生徒とは言え、俺が『男かもしれない』疑惑を持たれちゃったっ?
火のないトコロに煙は立たない!
今は小さくても煙がくすぶってる状態であります!その煙がモクモク大きくなって発火してその内に大炎上!
大火事になってしまう事は必至!
俺が男とバレるって、それはつまり!
コヒカリ君に危機が迫っているっていう事でありますよー!
ぬおおおおっ!
せかせかせかっと早足で校長室にたどり着き!
コココンっとノックして返事を待たずに入る俺っ!
「神様校長っ!大変ですっ!」
軽くパニくってる俺の目に映った神様校長はっ!
ずびーずぞぞっずぞぞっ。
神様校長はお食事中!
メニューはソバ!ニシンソバ!異世界ファンタジー感をブチ壊すおソバです!
朝からニシンソバですかっ。まあ何を食べようが神様校長の勝手ですがっ。
「んー、んまい。おお?ヒカリじゃないか。おはようさんおはようさん。ヒカリも食べるかの?」
「おっ、おはようゴザイマスっ。ソバはけっこうですっ」
ずびびーぷはー、と美味しそうにソバを食べる神様校長っ。
なんなんですかねこの緊張感の無さはっ。
「あー、呼び出したのは他でもない。大事な話があるんじゃよ。その前に腹ごしらえをしようかと思ってのう、ほっほっほっ」
ほっほっほっ、て呑気な!
大事な話だっていうんならソバ食ってる場合じゃないでしょーがっ。
「サトナカ先生もニシンソバが好きみたいじゃからのう。こうして目を閉じると見えるのじゃ。
サトナカ先生がちゅるちゅるとソバをすするお姿がっ。音を立てずにすするそのお姿がとってもせくしーなんじゃよ」
なんじゃいそれっ。
セクシーにソバ食べるってどんなんじゃいっ。
サトナカ先生は音を立てずに食べる派ってコトが判明ですがっ。
「ヒカリよ。お口をすぼめてちゅるるとソバをすするサトナカ先生を想像してみそ」
「えっ!?」
「まあ良いから、想像してみそ」
みそみそウルサイですよ神様校長っ。やらなきゃ終わんないヤツっぽいからやりますがっ。
俺は目を閉じて、サトナカ先生がソバをすすってる姿を想像してみたっ。
妄想は得意ですからねっ。
余裕ですよ!
端の尖ったメガネは曇っちゃうので外しますよ。
熱いおソバを食べると汗をかいちゃうから、胸元のボタンを3つ外すとっ!
Hカップの胸の谷間がチラリズムっ。
細くてキレイな指で髪を耳にかけ、頬を赤らめながら熱いおソバをふうふうと。
おおっ!この時点でめっちゃセクシーじゃないですかっ!
音を立てずにお口をすぼめてちゅるるるんっ、とおソバをすするサトナカ先生。
あっ。はねたおつゆが胸の谷間にダイブっ!
その熱さにピクン!と反応して、あんっ、なんて声を出しちゃって!
ほうっと吐息を一つ吐き、二口目をちゅるるとすするサトナカ先生っっ!
えっ……
エロいっ!
イヤ違うっ!
俺はっ!サトナカ先生のエロいお食事姿を妄想しに校長室に来たのでは無いっ!
否!断じて否であります!
「かっ!神様校長っ!そうじゃなくてですねっ!大変なんですようっ!」
「ん?サトナカ先生がソバをすするお姿がか?確かにある意味タイヘンじゃのう」
「ちっがいますよ!妄想の中でめっちゃセクシーでしたけどっ!」
「ヒカリもニシンソバ食べるかの?」
「今はニシンソバの事はどうでもいいんですっ!」
「今?じゃあ、後で食べる?」
なんでそんなフレンドリーなんですかね神様校長っ!俺は今それどころじゃないのですようごおおおっ!
「アレじゃろ?男だとバレてしまったかもしれない件じゃろ?その事で呼び出したんじゃよ」
「えっ!?なんで神様校長が知ってるんですかっ!?」
「女子生徒の中に『スキルオフ』という幻視系のスキルを無効化するスキルを持ってる者が何人かおってのう。昨日の黒竜王との戦いの後でフィルフィーマートがやらかしたじゃろ。
ずるうっとな。
その時に見えちゃったんじゃろうな。そのコトが書かれた投書が相談箱に入ってたんじゃよ」
相談箱ってのは、生徒達からの苦情とか意見を受け付ける投書箱の事だ。
昨日の事だったのに、もうそんなのが投書されてたのかっ?
これはっ!
情報の広まりがめちゃめちゃ早いのではっ!?女子の噂話は超絶短時間で広まるって言うしね!
がさごそと取り出した3枚の投書を読み上げる神様校長。
3枚もあるのか……少なくとも3人は『見た』かもしれないんだな。
「えー、匿名のこの生徒はじゃ。
『昨日のエキシビジョンマッチの際、ラミィちゃんのコカンにあってはならないモノが見えたような気がします。一瞬だったから確信は持てませんが、疑念を抱いてしまいました。調査をお願いします』とな」
ラジカルラミィのコスチームだったからなー。確かにラミィちゃんにはあってはならないモノですよねっ。
「えー、続きまして、この生徒は。
『昨日のエキシビジョンマッチの際、ラミィちゃんのコカンにあってはならないモノが見えたような気がします。一瞬だったから確信は持てませんが、疑念を抱いてしまいました。調査をお願いします』とな」
それ、文面まるまる同じじゃないかっ?
ホントに違う生徒なのかっ?
「えー、最後の一枚。
『校門の前にでっかいう○こが落ちてます。昨日のラミィちゃんは可愛かったです』とな」
なんじゃいそれっ。
校門の前のう○ことラミィちゃんを並べるとは不届き者ですよっ!て言うか『見えた』ってハナシはどこ行ったっ!?
「という事で、ヒカリにはこの学校を出ていってもらうコトにしようかと」
「えっ!?」
「たとえ一部の生徒とは言え、ヒカリは男の
「ええっ!?退学っ!?」
これはっ!
一大イベント発生ですよっ!?
イヤ違うっ!いきなり退学処分なの!?
「黒竜王を撃退したのは紛れも無い事実なんじゃがのう。女子校に男が紛れ込んでおったとなってはクロジョの名折れじゃからのう」
ここで神様校長は、ふと遠い目をして見せ。
「で。退学、ではなく、追放というカタチにしようかと」
「追放っ!?それ処分が重くなってますよ神様校長っ!」
「追放って、なんか流行っとるみたいじゃしのう。ほっほっほっ」
ほっほっほっ、ておいっ!神様校長!ムリヤリ流行の波に乗ろうとしてないかっ!?
大体、クロジョに編入させたのって、神様校長のハズだよね!?
「ヒカリよ、真面目な話をするとじゃな。生徒達が納得せんのではないかと思うのじゃよ。十代の女の子というのは、なんというかのう。
純粋で潔癖なトコロがあるじゃろ?
特にクロジョの生徒はの。勇者、魔王、女神を目指す者達の集まりじゃ。目指すものは違えども、熱い信念を持っておる。
真っ直ぐな性格の生徒が多いのじゃ。
それはヒカリもわかるんじゃないかのう?」
うむむ。確かにそうかも。
ザコレベルB班のみんなだって、やる気の無いコなんて一人もいなかった。熱い想いを持って真剣に取り組んでた。
「ヒカリもこの先、疑惑を持たれたまま学校生活を送るのは心苦しいのではないか?」
「それは……」
いつかきっと『男』だとバレる。現段階でコレなんだから、この先、平穏な学校生活が送れるとは考えにくい。
「ちなみにワシもクビじゃから」
「えっ!?そうなんデスカっ!?」
「ワシはヒカリを男と知っとって編入させてしもうたからのう。クビも致し方無いかのう」
ふと寂しそうに神様校長が窓の外に目を向ける。
意外とシリアスが似合うな神様校長!
「サトナカ先生のあの汚いゴミを見る目が見れなくなるのは寂しいのう」
おいっ!神様校長っ!そこじゃないでしょっ!
「ではでは、次なる新天地へ、れっつらごーじゃ。あー、ほいっ」
「えっ!?ちょっ」
と!って言う前にっ!
ひゅわあっ!という音と共に足元に黒くて丸い穴が開いたっ!
これはっ!
落とし穴っ!この世界にやって来た時と同じ落とし穴っ!
「っきゃあああああああっ!?」
びゅわあああっ!という凄まじい風切り音と共に落ちていくっ!
真っ黒い空間を落ちていきますよ男の
「フィルフィーマートとペリメールも後で行くからのー。待っときんさーい」
軽ーいカンジで言う神様校長の声がフェードアウトしていくっ!
これから楽しいイベントがたくさんあったハズなのにっ!
学校祭とかっ!体育祭とかっ!
中間テストとか期末テストとかっ!
あ。それはイヤかも。
イヤ違うっ!
女子高生としてのイベントがあっ!
あっ。
そうだったっ!
俺はっ!女子校生じゃ、ない!
男の
ずびゅわあああっと、真っ黒い空間を落ちていくよ男の
落ちながらふっと浮かんだのはラーフィアちゃんの優しい笑顔。
もう会えないんだろうか?
男ってバレるのは時間の問題だったからこれでよかったんだろうか?
ラーフィアちゃんと初めて出会った時の事。
ランチした事。制服でデートした事。
フィルフィー達とボーリングした事。
お着替えガチャで騎士の鎧になっちゃってタコ殴りにされたっけ。
初めて手を繋いだ事。初めてキスした事。
いろんなコトが脳裏をよぎってく。
これからもっと!楽しい学校生活が待ってるハズだったのにいいいっ!
俺はっ!
どうなってしまうんだああっ!?
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