ルルコちゃんを助けたい!
俺の言った文句にフィルフィーがキレないなんて、珍しいコトもあるもんだ。
明日はきっと、イヤ、確実に雨ですよ!
って。んんっ?
「選択の部屋っ? なんでっ? そこって神様がいないと行けないんじゃないのっ?」
「
じゃあ、ここでヒカリにクイズターイムっ!
つい最近、あたしとペリ子がした事ってなーんだっ? ヒントは『結婚』だっ!」
いきなりクイズって、なんじゃいそれ。
ヒントは結婚……っ?
二人がつい最近したコトって、結婚のコトじゃないのかなっ?
え? 違うっ?
二人がしたコトなんて、それ以外なーんも思い浮かばねーですよっ。
でも、とりあえず、なんか言わないとっっ。
相手してあげないとヘソ曲げちゃうからな、フィルフィーはっ。
めんどくさい女神様ですよ、まったくもう!
「えっと……新婚旅行に行った、とかっ?」
「あー、まあ、
「うーん。一緒に料理作った、とかっ?」
「料理はペリ子がいつも作ってくれてるなっ。オマエも知ってるじゃん。ハズレっ」
「ええー? じゃあ……洗濯とか?」
「それもペリ子がやってくれてるなっ。オマエの服もたまに洗ってくれてるだろーがっ。ハズレっ」
て言うか、居候してる俺だって食器洗いとか洗濯はしてるのに、家事全般をペリメール様に任せっきりですよ、ぐうたら女神っ。
そんなんじゃ、いつか愛想尽かされちゃうぞっ。
二人が結婚以外で最近したコトって他になんかあるのかなっ?
新婚で、ラブラブで、って、思い付くコトと言えば。
「それじゃあ……ちゅっ、チューとかっ?」
「あん?
「なっ!? ちょっ! ふぃふぃふぃフィルフィーさんたらっ、余計なコトは言わなくてもよろしいのですわんっっ!」
毎日チューしてるんですか、そーですか。
新婚女神様はイチャコラでウラヤマですよ!
「へえー、毎日してるんだ、お姉ちゃん」
「まっ、毎日っ、ですかっっ?」
「わあー♡ いいですねえ♡ アハー♡」
「くくっ、口吸いを毎日でござるかっっ」
うら若き女子四人も興味津々じゃないですかっ。
ペリメール様ったら、みんなの前で『毎日チュー』をばらされて、キレイなお顔が真っ赤っかになっちゃいましたよー!
めっちゃカワイイけど、今はそれどころではナイですよっ!
「フィルフィーとペリメール様がしたコトって他になんかあるのっ? 何も思い付かないんだけどっ」
「なんだよ、わかんねーのかー?
しゃーねえなー。教えてやんよっ!
答えは『結婚』だっ! ヒントが答えだなんて思わなかったんだろー? まだまだこざかしいぜ、ヒカリぃっ!」
答えは『結婚』って、やっぱりかっ。
て言うか、こざかしいのはフィルフィーの方ですよっ!
めんどくさいからツッコまないけど!
「確かに二人は結婚したけどっ。それって、この状況と何か関係あるのっ?」
結婚がどうとか、どーにも結びつかねーですよ。ナニが言いたいんだ、フィルフィーはっ?
「フィルフィーさんは説明不足すぎるのですわっ。私が代わりにご説明いたします! ですわっ」
つついっ、と前に進み出てきましたよペリメール様っ。
すかさずフィルフィーのフォローをするあたりが、賢いパートナーってカンジですよー!
やっぱり頼りになるキレイなお姉さんです!
「では
「権利、ですか?」
「まず、天界に住宅を購入する権利。
住宅ローンは金利0.1パーセントになる権利。
天界のスーパーでお買い物する時に10パーセントのポイントゲットする権利。
その他にも色々な特典、もとい権利を得たのですわっ」
今、完全に特典って言いましたよね、ペリメール様っ。ツッコミませんけど!
って、言うかね。
結婚するコトで得られる権利って、なんかしょーもなくないですかっっ?
めっちゃ所帯染みてないですかっっ?
天界に住宅って、それは魅力的なのかも知れないけどもっっ!
「まあ、あたしらはまだまだ天界に住む気は無いけどなっ」
ヤンキー女神は天界に住んじゃダメなんてコトは無いだろうけど、似つかわしくナイってのは目に見えてますよっ。
言わないけど!
「あの、話が全然見えてこないんだけどっ?」
「あん? そーか? よーするにだ。
あたしらが結婚した事で得た権利のひとつが『選択の部屋』に
「選択の部屋に? 神様がいないのに?」
「あたしとぺリ子のランクアップっぷした力を合わせれば
イヤ、別に参ったとは言わないけども。
フツーにビックリですよ。
さすが女神様! ってトコロなんだろうけど、ペリメール様はともかくフィルフィーにそんな権利があるって、なーんか
「ルルコはまだ死んで無い。でも、ぶっちゃけ死にそうだ。仮死状態ってヤツだなっ。なんとかしようにも、ここじゃどーにもなんねーからなっ」
「じゃあ、そこに行けばルルコちゃんは助かるのっ?」
「おうよっ。ルルコをなんとかするには『選択の部屋』に
ちょっとキレ気味ですよ、江戸っ子女神っ。
ワケわからん権利の話なんてせずに、最初からそう言えばいいんじゃないんかいっ。
ツッコまないけど!
「他にもイロイロあるけど、詳しいコトは後で説明してやるよっ。さっさとルルコを連れてかねーとマジでヤバいからなっ」
「えっ?……フィルフィー……!」
なんだ……やっぱり心配してくれてたのか。
冷たい態度だったから、ルルコちゃんのコトなんてどうでもいいのかな、って思っちゃったよ。
フィルフィーって、いつもつっけんどんだけど。やっぱり、
いるよね、普段はイキってても心優しいヤンキーって。
ツンデレには遠いかもだけど、でも。
「フィルフィーって、なんかカワイイね」
ポロっと呟く俺ですよ、するとなんとっ!
「はああああああんっ!? ななななナニ言ってやがんでい、こんちきしょーめっっ! 三枚に
うわ、ブチキレたっ!?
干物にされちゃうんですか、男の
って、耳まで真っ赤になっちゃってますよ、ヤンキー女神っ!
めちゃめちゃ照れてるじゃないですかっ!
「ええー? ホントにそう思っただけだよっ?」
「とととっ、年上のオネーサンをからかうんじゃねえっ! ブチかますぞコラっ!」
なんつってクチは悪いけど、顔がふにゃふにゃになっちゃって、めっちゃ嬉しそうですよー!
髪の毛いじりながらチラチラこっちを見るなんて、思春期のオトメみたいですよー!
なるほどなるほど、そーですか。
フィルフィーって、カワイイって言われ慣れてないんだなっ?
普段が『あんなカンジ』だから、そうなんだろうけどっ。
思わぬトコロでフィルフィーの弱点発見! ってヤツですよー!
これでフィルフィーをイジって遊べるってなもんですよっ!
「かっ、カワイイなんて、軽々しく言うもんじゃねーぞっっ」
フィルフィーったら、なんかワタワタしてますよっ♪
俺にカワイイって言われて、そんなに照れ臭いんですかねっ♪
ニャハー!
「フィルフィーさんがカワイイのは、私がイチバンよく知ってます! ですわっ♪
それではフィルフィーさんっ。
「あんっ? おっ、おうっ。どんとこいだぜっ。それ着ないと、選択の部屋に
おおー。
見るのは久々だから、めっちゃ楽しみですよ!
と、その時ですよ!
「『そうはイカのタマキンじゃぞい、妄想勇者ヒカリちゃんよ』」
むむっ!?
どこからともなく響き渡る低い声!
聞き覚えのあるこの声は、もしや、あのお方っ!?
いったい何のご用事なんですかねっ?
イカのタマキンって何?
なんて思ってる場合ではナイですよっっ!
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