カシマシ三人女神の初仕事!
「私達で宜しければ、全力で皆さんをサポートいたします、ですわっ♪ ランクアップっぷ目指して頑張りましょう!ですわっ」
ランクアップっぷ、それすなわち、
うお!これはっ!
やっとかないとね、妄想をっ!
女神になったラーフィアちゃんが、
キラキラりんっと滑らかに輝く魔法の生地は、太陽の光でちょっとだけ透けるのです!
ヒラヒラふわりと揺らめくドレスの裾からは光の粒が零れてますよ!
くるりとターンした拍子にふわあっと広がるスカート!
見えちゃいますよ、すらりと長ーいおみ足がっ!
そんでもって、ラーフィアちゃんお気に入りのスカイブルーのおパンツがチラリズムっ!
善き!善きですよラーフィアちゃんっ!
ムハー!
「『ヒカリちゃん?』」
「おえあっ!?」
ラーフィアちゃんのクールでダンディーなイケてるボイスは健在です!
あれっ?ちょっとご機嫌ナナメっちゃってませんかっ?
「『カワイイお顔がまたゲスくなってるよ、ヒカリちゃんっ』」
なぬっ!?
そんなにゲスい顔してましたかねっ!?
そういう所にはキビシイんですねラーフィアちゃんっ!
「まあまあ、ラフィーさんっ。ヒカリ様のゲスいお顔は今に始まったコトではないのですわっ。少々のコトは大目に見てあげるのも女神としての心の鍛練なのですわっ」
ゲスいお顔ってマジですか。
でも、そんなコト言われてもメゲませんよっ!
美しいものは愛でる!
これって人として何もオカシナコトじゃ無いですからねっ!
「そっかー。お姉ちゃんが我慢強いのは、ある意味フィルフィーのおかげなんだねっ」
ですよねラーフィアちゃん!
フィルフィーのヤンチャっぷりにはペリメール様も手を焼いてますからねー。
「でも、私以外の女のコをゲスい目で見るのは禁止だよ、ヒカリちゃんっ!」
「えっ!?」
と言うことはっ?
ラーフィアちゃんならゲスい顔で見放題ってコトなんデスカネっ?
「いくら貴様がラーフィア様の想い人であろうと、ゲスい目で見ても良いという事では無いからなっ。心に刻んでおけよ、ちんちくりんっ。
なんなら、私が貴様の心に直接切り刻んでやりたいくらいなんだがなっ」
直接切り刻むってマジですか。
レイルさんのは、物理的に切り刻んじゃうんじゃないデスカネっ?
俺の心と言うか、心臓そのものがズタボロになっちゃうんじゃないデスカネっ?
やっぱりレイルさんたら、魔王側向きなんじゃないデスカネっ?
「もうっ、やめてよ、レイルっ。私なら平気だからっ。レイルだってスズキ君にならゲスい目で見られてもいいんじゃないのっ?」
「えっっ!?そんなっっ!?」
ぼしゅんっ!てな音をあげて、一瞬で真っ赤っかになっちゃいましたよ、レイルさん!
スズキさんのコトとなると、めっちゃオトメですよー!
「リアちゃんは女神になる前は、いつもラーフィア様のコトをゲスい目で見てましたよぉ?
今でもそうだけど♡」
「オマエはただのヘンタイだっ!スズキ君と一緒にするなフェイリアっ!」
「えー?スズキ君は立派なヘンタイだと思うけどなあ♪」
それには同意見ですよフェイリアちゃんっ。
スズキさんは、俺がオトコだと知った上で『俺の嫁』なんて言っちゃいますからねっ。
「三角関係って言うか、四角関係だねぇ。あ、そうだー♡ レイルちゃんとスズキ君がぁ、さっさとくっついちゃえばいいんだー♡」
「えっっ!?」
ぼしゅわわっ!と、またまた耳まで真っ赤っかですよレイルさん!
て言うかねっ。勝手に四角関係にしないでくれますかねフェイリアちゃんっ!
「レイルちゃんだってぇ、そうなりたいんでしょお?」
「えっ!?それはっ!そのっ!?」
おおっ!フェイリアちゃんの口撃にタジタジですよレイルさん!
じわじわとにじりよるフェイリアちゃんから後退りしてますよ!
「いずれは結婚とかしたいんじゃないのお?」
「けけけけけけけけけけけけケッコンっ!?」
ペリメール様と同じ反応ですよレイルさん!
そういう所は女神向きなのかもっ?
「ケッコンかあ……結婚……あー!そうだっ!結婚式!」
いきなり大きな声を出すラーフィアちゃん。
なになに?どしたのかなっ?
ケッコン式?
「お姉ちゃんとフィルフィーって、結婚式は挙げたのっ?」
「「えっ!?」」
ラーフィアちゃんからの突然の問い掛けに二人の声が重なった!
そう言えばしてないですよ、結婚式。
「してねーけどな。別にいーんじゃねーかなー?ジ……神様の前で『愛の宣誓』したんだし」
むむっ?
今ジジイって言いそうになったよねフィルフィー?
「宣誓したからイイって、そういうコトじゃないのよっ!
わかってないなあフィルフィーはっ!」
「えー?ナニがだよー?」
子供みたいに唇を尖らせてブー垂れるフィルフィー。
精神年齢は小学生並み、イヤ、それ以下かも知れないぞっ。
「結婚は二人だけのものだけど、二人の門出を祝いたいって思う人達もいると思うのっ。
私だって、大好きなお姉ちゃんの結婚を祝いたい! ついでにフィルフィーもねっ!」
おおー。アツいですよ、ラーフィアちゃん。
もし魔王のままだったら、ここまで熱心にならなかったのかな?
「よおしっ!わかりましたっ!
新米女神の私がっ!
二人の結婚式をプロデュースしますっ!
それが女神ラーフィア=リンデルの初仕事です!」
「「えっ!?」」
なななんとっ!
ラーフィアちゃんが結婚式をプロデュース!
思いもよらない提案にフィルフィーとペリメール様はめっちゃ驚いちゃってますよ!
「わはー♡ それいいですねぇ、面白そうですぅー♡ リアちゃんもお手伝いしまぁすぅ♪」
「素晴らしいご提案です、ラーフィア様っ!
ペリメール様は私の恩人!そのお方の結婚式となればっ!私も全身全霊を込めてお手伝いさせていただきますっ!」
おおっ!熱いよレイルさん!
フェイリアちゃんもノリノリでやる気満々ですよ!
「もちろん、ヒカリちゃんも!ねっ?」
えっ? 俺もお手伝いをっ?
考えるまでもなく、俺はペリメール様にスゴくよくしてもらってる。
感謝の言葉じゃ足りないくらいに。
フィルフィーには……まあ、それなりに感謝はしてるかな?
お世話になりっぱなしってのはカッコ悪い。
よし、ここはひとつっ!
二人の門出を祝うお手伝いをっ!
させて頂こうじゃありませんかっ!
「うんっ、そうだねっ!ボクにも手伝わせて下さいっ、ラーフィアちゃんっ!」
「もっちろんっ!ステキな結婚式にしてあげるからっ!カクゴしててねっ、お姉ちゃん!ついでにフィルフィー!」
びしい!っと二人を指差すラーフィアちゃん!
ちょっとっ!
これから結婚式を挙げる二人を指差しちゃダメですよっ!
「そうです!幸せの涙を流させてみせますよ、ペリメール様っ!お覚悟願いますっ!」
ラーフィアちゃんの横に並んで、びしい!っと二人を指差すレイルさん!
ちょっとっ!
これから結婚式を挙げる二人を指差しちゃダメですよっ!
「リアちゃんもぉ、頑張らせていただきますぅ♡」
レイルさんの横に並んで、びしい!っと二人を指差すフェイリアちゃん!
ちょっとっ!
これから結婚式を挙げる二人を指差しちゃダメですってばっ!
むむっ?
カシマシ三人女神は、イヤ、フィルフィーとペリメール様までもが、なーんか期待の眼差しを俺に向けてくれちゃってますよっ?
え、なに?
俺もやんなきゃいけないのっ!?
あー、もう。わかりましたよやりますよっ!
「お二人ともっ!心に残るケッコン式にしちゃいますからねっ!涙を拭くハンカチを大量にご用意下さいましっ!」
カシマシ三人女神の横に並んで、びしい!っと二人を指差す俺っ!
端から見ると、スケスケネグリジェの三人娘とゴスロリメイド服の男の
ナニやってんですかね俺達はっ!
「みなさんっ、よろしくお願いいたします、ですわっ。ステキな結婚式を楽しみにしていますっ、ですわっ♪」
「初仕事で二人の女神のケッコン式とは荷が重いんじゃねーのかあ?ラフィーよう?」
ニターリと悪魔の微笑みでプレッシャーをかけるフィルフィー!
まったくもう、イジワルいヤンキー女神ですよー!
「挑発上等!ヤル気が増すってものだよ、フィルフィー!いっちょ気合い入ってるんで
「らっ、ラーフィアちゃんっ!?」
ラーフィアちゃんが、まさかのヤンキー言葉をっ!
二代目ヤンキー女神にでもなるおつもりなのデスカっ!?
「おほー♪ あたしにタンカ切るとは、やるじゃねーかっ!そんじゃあ、楽しみにしてやんよ、ラフィー!」
いきなり唐突、突然に!
二人の女神様の結婚式を、ラーフィアちゃん達がプロデュースするコトにっっ!
「会場の準備とか、招待状用意したりとか忙しくなりそうだねー!
あっ!何かサプライズも欲しいなっ!
ワクワクするなあっ♡ こうやって考える時間って大好き!
ねっ、ヒカリちゃんっ!」
キラキラっと目を輝かせて、めっちゃオトメですよラーフィアちゃん。
こんな眩しい表情をする娘は、やっぱり魔王には向いて無いですよ!
「そうだねっ!ラーフィアちゃん達の初仕事だし、ボクも頑張るよっ!」
「一緒に頑張ろうね、ヒカリちゃんっ!
うーんんんっ!頑張るぞー!おー!」
ラーフィアちゃん達の女神としての初仕事は、フィルフィーとペリメール様の結婚式をプロデュース!
とっても楽しみですよー!
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