挙式当日!
なんやかんやとイロイロありつつ、どったんばったんしながらも。
今日は、ヤンキー女神フィルフィーと恋愛の女神ペリメール様の挙式当日です!
結婚式の準備ってめちゃ大変なのですよ。
業者任せじゃなくて個人のプロデュースだからなおさらなのですよー!
ラーフィアちゃんを突き動かす原動力は『フィルフィーとペリメール様の幸せな門出を祝いたい』という想い。
もし、ラーフィアちゃんが魔王であり続けてたら、二人の女神様の結婚式なんて出来なかったんじゃないかな?
そういう面では、ラーフィアちゃんは魔王向きじゃなかったってコトですよ!
式場はオーソドックスな小さな教会。
ここはなんとっ。
あの神様店長傘下の教会です!
式場の手配が早く決まったのはみんなが神様店長と繋がりがあったから。
コネクションってヤツですよ。
コネって大事なんですねっ!
ってコトで来てますよ、神様店長。
「ヒカリよ、今日はよろしく頼むぞい」
「はいっ。頑張りマスよっ!でも、主役はフィルフィーとペリメール様ですからねっ。ボクは裏方で馬車ウマですよ!」
「まさか、あのヤンチャなフィルフィーと真面目なペリメールがワシの元で結婚式を挙げるコトになるとはのう、ぐすん」
なんつって神様店長も感慨深い表情ですよー。
「あっ、そう言えば。フィルフィーの名付け親って、確か神様店長なんですよね?」
「うむ。誰にでも愛されるコンビニみたいになってくれたらと思って、フィルフィーマートと名付けたんじゃが。なんでヒカリが知っとるんじゃ?」
「二人と初めて会った時に言ってたじゃないですかっ。ボクは覚えてますよ?」
「おお、そうじゃったかいのう。パープーなヒカリが、よくそんなコト覚えとったのう」
おいっ神様店長っ!
パープーは余計な一言ですよっ!
「なんで神様店長がフィルフィーの名前をつける事になったんですか?フィルフィーのご両親に頼まれたとか?」
「ん?フィルフィーはワシの娘じゃから。親が名付け親ってフツーじゃろ?」
え。
えっ?
え゛え゛ええええっ!?
「ムスメっ!? 娘ってっ!?
フィルフィーと神様って親子だったんですかっっ!?」
「うむ、そうじゃよ。あれ、ヒカリは知らんかったのかな?」
ななななななんとっ!!
初耳ですよ、衝撃の事実ですよー!
この世界に来て1年半以上経ってるのに知らなかったし、気付かなかったっ!
フィルフィーだって『親父』とか『父ちゃん』とか言ってるの聞いたコト無い!
コネどころのハナシじゃなくて、親族そのものじゃないかっ!
マジですかっっ!
「親子だなんてっ!フィルフィーはそんなコト全然教えてくれませんでしたよっ!?」
「普段は神様と呼ぶようにと言ってあるからのう。ヒカリも知っとるじゃろうけど、フィルフィーはアマノジャクなトコロがあるからな。
わざと言わずにいたんじゃろうな。
ビックリしたじゃろ。ほっほっほっ」
ほっほっほっ、て!
神様店長だって十分アマノジャクですよっ!
これはとんだサプライズ!
びっくりさせる側がビックリさせられるとはっ!
フィルフィーにはビックリさせられっぱなしですよー!
◇
ラーフィアちゃん達は疲れた様子も見せずに元気いっぱい。
女の子パワー全開!ってカンジです!
式場の飾り付けやお花の用意、来客用のケータリングの手配。まあ、なんやかんやと忙しい。
式の段取りチェック、準備の確認を全て終えて、ちょっと一服タイムです。
俺はラーフィアちゃん達に飲み物とクッキーを差し入れに。
「お疲れ様っ、これ、差し入れですっ」
「あ! ありがとう、ヒカリちゃんっ。喉乾いたなーって思ってたトコロなのっ」
レイルさんとフェイリアちゃんにも同じものを差し出しますよ。
「ここは礼を言うぞ、ちんちくりん。貴様にしては気が利くじゃないか」
「アハー♡ ありがとです♪ ヒカリ様っ♡」
ほっと一息のティータイム。
小腹が空いた時には、腹持ちのいいクッキーがオススメなのです!
ラーフィアちゃん達は美味しそうに食べてくれてますよ。
あ、そうそう。
ラーフィアちゃんに訊いておきたかったコトがあるんだった。
フィルフィーは『再生』を、ペリメール様は『恋愛』を司る女神だったよな。
それじゃあ、ラーフィアちゃん達は?
三人揃ってるし時間的に余裕があるから、ソボクな疑問を訊いてみるですよ。
「ねえ、ラーフィアちゃん達は何を司る女神様なの?」
「リアちゃんは『全愛』の女神ちゃんですよぉ♡ 全愛っていうのはですねえ、男も女も老いも若きも関係なく愛するってコトなんですよぉ♡」
なるほどですよ。尻軽なフェイリアちゃんにはピッタリかも?
「私はペリメール様と同じく『恋愛』を司っているぞ、ちんちくりん」
恋愛ってマジですか。
レイルさんて意外と純情そうだからなー。ダイジョブかな?
「ラーフィアちゃんは?」
「私は『慈愛』を司る女神だよ」
「えっ?慈愛っ?」
これにはビックリ仰天ですよ!
魔王だった時って『魔王に慈悲は必要無い』って言ってなかったっけかっ?
無慈悲にチュンしまくってた魔王が『慈悲を司る女神』に転身って!
「私はね、ヒカリちゃん。魔王になったコトは後悔してないの。ただ、やり方は間違ってたのかも知れないかなって思うようになったの」
ちょっと伏し目がちのラーフィアちゃん。
でも、苦悩の表情なんかじゃないですよ。
「だから……罪滅ぼしって訳じゃないけど、これからは。女神ラーフィアは。
慈しみ深い女神になりたいの」
ラーフィアちゃんは真剣な眼差し。
いつだったか『私は魔王になる!』って俺に言った時よりも決意に溢れた瞳ですよ。
「私が言うまでもないが……ラーフィア様を信じろ、ちんちくりん」
「ラーフィア様なら成し遂げられますよぅ♪
今までも、これからも、ずっとですぅ♪」
信頼されてますよ、ラーフィアちゃん。
ホントにいい仲間ですよー!
「ラーフィアちゃん……ボクは、ラーフィアちゃんの力になれるかな?」
「もちろんだよ、ヒカリちゃん!今だってこうやって私のチカラになってくれてるじゃない!」
そう言ってから、ポン、と俺の肩を叩いてくれた。
「ヒカリちゃんと一緒にいるだけで私は元気になれるんだよ。これってね、きっとね。
恋してるからだと思うのねっ。
なっ、なんちゃってー!あははー!」
あらら、自分で言って照れちゃった。
やっぱりKAWAEEEEですよ!
俺はっ!
少しでもラーフィアちゃんの助けになれるのならばっ!
今日までイロイロあったけど。
男の
「さてとっ。もうすぐ時間だねっ!お姉ちゃんとフィルフィーも着替え終わる頃だし、見に行ってみようっ。
二人に渡したい物があるの。ヒカリちゃんにも手伝ってもらいたいんだけど、いいかなっ?」
「えっ? うん。ボクに出来るコトなら!」
渡したい物って何かな?
俺に出来るコトならなんでもお言いつけ下さいまし、ラーフィアちゃんっ!
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