二人の想いが繋がる瞬間
愛の宣誓、と聞いた二人の女神様は顔を真っ赤にしてフリーズですよ!
「大事なコトを訊いておかねばのう。二人はお互いをどう思っておるのかのう?」
その質問は当然と言えば当然!
フィルフィーとペリメール様はお互いの顔を見てから、パッと同時に目を逸らしたっ。
これはどう見てもっ!
フィルフィーは珍しく動揺してペリメール様の方を全然見れない!
俺に向かってめっちゃメンチ切ってますよ!
「ペっ!ペリ子はっ!あたしの
永遠の、って!
それを俺に向かって言ってどうするんじゃいヤンキー女神っ。
ペリメール様に言わないとダメだろっ!
それを聞いてたペリメール様は!
「わっ……わんっ!」
ペリメール様っ?
わんって言っちゃいましたよ?どしたのかな?
「わっ!わっ!わっ!わたきゅしはぁっ!フィルフィーしゃんのコトがあっ!」
すうっと大きく息を吸い込んで!
一瞬ピタリと息を止め!
「だいしゅきでしゅわあああああああんっ!
うわああああああああああぁぁぁぁんっ!」
号泣っ!
告白した後に号泣ですよペリメール様っ!
あらあら鼻水まで出ちゃってますよー!
キレイなお顔が涙と鼻水でくしゃくしゃですよー!
ポロポロと
「なっ!泣くなよペリ子っ!」
「だってっ!だってぇ!フィルフィーしゃんはどうなのっ!?
私のコト、どう思ってるのっ?
わたきゅしはっ!ずっとっ!
ずっとずっと前からフィルフィーしゃんのコトがっ!
大しゅきなのおっ!」
胸の前で握りこぶしを作って涙ながらに訴えるペリメール様!
いつもの喋り方が変わっちゃってますよっ!
今まで言えなくて溜まりにたまった感情がバクハツしちゃったみたいです!
どうするフィルフィー!女神はウソをつけないハズ!
しかも神様の前!エロジジイだけどっ!
これはっ!
フィルフィーは本音を言うしか無いヤツ!
「あたっ……」
あた?
「あたたたたっっ……!」
どしたのかなっ?
神拳的なアレでも炸裂する気かなっ?
それともどっかイタイのかなっ?
「あたし、はっ……あたしがっ、女神になったのはっ。ペリ子とずっと対等でいたかったからだっ」
「えっ!?」
フィルフィーからの思わぬ告白にペリメール様がビックリしてますよ!
「だっ、だからっ……だなっ」
フィルフィーが照れてる!?
下唇を尖らせてほっぺたを膨らませるなんて、子供が拗ねてるみたいな顔ですよ!
でもペリメール様の欲しい答えはそれじゃないぞヤンキー女神っ!
勇気をっ!
勇気を出すトコロだぞフィルフィー!
「だからっ!あたし、も……っ」
「あたし、もっ………………すき……だ」
声ちっさ!
いつものフィルフィーとは思えないほどの声の小ささですよ!
頬を赤らめて照れるなんて激レア!
激レアです!
こんなフィルフィー見たコト無い!でも、言った!確かに『すき』って聞こえた!
「わっ、私の目を見て言ってくださいっ、ですわんっ!」
ペリメール様っ?
また『わん』って言っちゃいましたよっ?
「だからっ…………すき、だ」
「聞こえませんっ、ですわっ!ちゃんと私の目を見て言ってくださいっ!ですわっ」
おおっ!珍しくペリメール様がちょっとイジワルい!
グイグイと詰めよってフィルフィーが後ずさりしちゃってます!
「……すき、だっ」
「えっ?聞こえませんっ、ですわっ」
「だからっ…………すき、だっ」
「えっ?もう一回!ですわっ」
「……ぐだぐだウルセエ」
「えっ!?」
「ぐだぐだウルセエっつってんだよっ!」
逆ギレっ!ペリメール様にいじられて逆ギレですよヤンキー女神っ!
ぐぐっとコブシを握りしめ!
「うらあああああっ!」
フィルフィーのボディーブローがペリメール様のくびれたウエストに炸裂!
したかと思いきや!
ペリメール様の細い腰ををぐいっと抱き寄せてっ!
「ったく、しょーがねえヤツだな……っ」
一瞬、見つめあってからペリメール様の顎をくいっと上に向け!
すっ、と触れ合うお互いの前髪!
からの!
ぶちゅっ。
とキスをしましたよー!
これはっ!誓いのキス的なアレですよー!
イケメンのみに許された神の技『アゴクイでキス』が炸裂ですよー!
フィルフィーのココロの中の王子様、銀髪君への『アゴクイでキス』のお返しです!
数秒の誓いの口づけの後、すっとペリメール様から唇を離して。
「……ぺリ子のクチビルは涙と鼻水でしょっぱいなっ」
「フィルフィーさんたらっもうっ!イジワルですわっ」
フィルフィーがにかっと笑いながらペリメール様の涙と鼻水を拭いてあげてますよ。
ドレスの袖で。
「あたしの……
「……はいっ!ですわっ!」
フィルフィーの熱い眼差しと言葉を受けて、ペリメール様の瞳から一筋の涙がポロリと
二人ともすごく幸せそうで穏やかな顔ですよ!
俺、余計なコトやらかしちゃったのかもしれないけど。
二人の女神様の想いが繋がった瞬間に立ち会えた事を、俺はこの先、きっと、ずっと忘れないだろうな。
向かい合ってお互いの首に手を回して。
ちょっと照れながら、じっと見つめ合う二人の姿を。
ラーフィアちゃんにも。
見せてあげたかったな……
ラーフィアちゃんなら、きっと……
一緒に喜んでくれただろうな……
◇
「うむ。善きかな善きかな。しかと見届けたぞ、フィルフィーマートとペリメールよ。
二人の愛が永遠でありますように、じゃ」
おおー、神様店長が神様っぽいコト言ってますよっ。
「すぐに離婚しちゃダメじゃぞい」
ちょっとっ!
こんなイイ場面でそんなコト言っちゃダメでしょっ!
「女神ランクも上がり伴侶まで得るとはのう、フィルフィーマートも成長したようで嬉しい限りじゃ」
むむっ?
神様店長は嬉しそうですがっ。
確かに女神ポイントは大量ゲットしたけど、フィルフィーって成長してるんですかねっ?
中身はヤンキーのままのような気がするのは気のせいなんかじゃないですよ!
まあ俺もヒトのコトは言えませんがねっ。
勇者になったとは言え、ポンコツなままですからねっ。
「ところでヒカリはアレかな?もしかしてリセットしに来たのかな?」
「はいっ!実はそうなんです!」
さすが神様っ、察しがイイですよ!
時々バグるけど、それは大目に見てあげます!
後は俺の男の
そう思えば、フィルフィーの女神ランクアップって、イイコトづくめじゃないですかっ!
「それでは二人とも。
イチャイチャちゅっちゅはそれくらいにして、ヒカリを選択の部屋にリセットしに行こうかのー」
神様の一言で俺達は『選択の部屋』へ!
いよいよリセットですよ男の
ようやく!ようやくイケメン勇者になれる日がっ!
ヤンキー女神フィルフィーを更正出来たとは言い難いけど、リセット出来ればいいのです!
ノープロブレム、エブリシングオッケーですよー!
ニャハー!
フィルフィーとペリメール様はどちらからともなく手を繋いでます。
善きかな善きかなですよー!
なんだか俺まで幸せでハッピーな気分ですよー!
意味がダダかぶりだけど、まあそんなカンジです!
◇
でも。
この時の俺は浮かれてて全然気付いていなかった。
選択の部屋でリセット。
その言葉を聞いたフィルフィーが。
ものすごく寂しそうな顔をしてたって事に。
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