一転!大ピンチ!
「頑張ってね、ヒカリちゃんっ!ヒカリちゃんなら勝てるって信じてるよ!」
ラーフィアちゃんは俺の両手を強く握って熱いエールを贈ってくれてます!
銀髪美少女からの応援っ!
フツーにうれしいですよー!
ラーフィアちゃんの浮遊刀があればっ!きっと!なんとかなりそうな気がしないでもないですよ!
試合開始の時間までもう少し。
高まるよ緊張感!
カクカク震えるよ俺のヒザっ!
心臓なんてドキドキのばっくばくです!
と。
カチッ、ブイーン、と放送マイクの音。
『あー、あー、テステス。ん?スイッチ入っとる?入っとるの?これじゃろ?うん、あんがとさんあんがとさんワタナベさん』
これ、神様校長先生の声ですよ。
神様校長の近くには原付バトルの時にグリッドガールやってた、あのワタナベさんがおられるようです!
ワタナベさーん!神様校長のセクハラに気をつけてー!
『あー、クロジョの皆様。ごきげんうるわしゅうございまするかな?〖黒竜王との戦い委員会〗会長の神様校長先生ですじゃ』
そんな委員会あったのか。
全然知らなかった。まあ、知ったトコロで何が変わるって事も無いだろうけどっ。
『えー、本バトルにおきましてのルールをちょちょいっと説明しておこうかと、おー、思いまする。しばし聞いて下され、ですじゃ』
ルールかー。あって無いようなものかと思ってたけどあるんだなー。
消し炭にしちゃダメってルールは無いのかっ?
『えー、どれどれ?メガネメガネ……最近、老眼でのう。小さい文字が見えづらいんじゃよ」
えっ?最近になって老眼っ?神様校長800歳じゃなかったっけっ?
どんだけ健康な目なんだっ!
『ワタナベさんは視力は良いのかな?え?裸眼で1.5もあるの?そうかそうか。ハダカの目で1.5……ハダカで1.5……ハダカ……ワタナベさんの……ハダカ……』
おいっ神様校長っ!さっそくセクハラかっ!
ワタナベさんがお困りのご様子が見えないけど伝わって来ますよ!
『ええと、なんじゃったかな?ん?ワシ、ナニしにココに来たんじゃ?
え?黒竜王バトルのルール説明に?ワタナベさんはナゼここに?
え?ワシのアシスタントとして?ああ、なるへそ』
へそってなんじゃいっ。
バグるのも大概にして早くルール説明していただけませんかねっ!
『え?これ?そっち?ああ、それそれ。
え?違う?違うの?ワシの手元にあるの?
えー、と?ああ、これかな?
え?違う?ん?コレかな?』
がさがさごそごそとペーパーノイズがウルサイ!ナニやってんですかねっ?
段取り悪いよ神様校長っ!
『あー、どれどれ。ゴホン。んっんん。
『私はその時、気づいた……気づいてしまった。700歳以上も歳の差があるのに、あの人を愛してしまっているという事に……教職の身でありながら、あの人を想うとHカップの私の胸の先っちょがビンビンのコリコリに硬く……』
おや?コレ、原稿違いませんかのう、ワタナベさんや?ああ、そっちそっち』
今のは……っ!
神様校長先生が執筆してるエロ小説!?ナニしてるんですかね神様校長っ!
全校生徒に自作のエロ小説聞かせるって聖職者失格だろっ!
しかも登場人物が700歳以上の歳の差とHカップの教職者って、神様校長とサトナカ先生のコトですよねっ!?
怒られる!きっと怒られますよ神様校長っ!そしてゴミを見るような目で睨まれちゃうんですよ、サトナカ先生にぃっ!
自業自得ですけどね!
『えー、では、気を取り直して』
ガササッゴソゴソッとまたしてもペーパーノイズがウルサイ!
原稿は読む前に準備しておくべきですよ!
『ところで、ワタナベさんはカレシさんとはウマくいっとるのかな?ちゅっちゅしとるのかな?え?別れた?別れちゃったの?そうなんだー』
そうなんだー、てなんじゃいっ。
ホントは興味無いなら聞いちゃダメだろっ。
ワタナベさんも答えなきゃイイのにっ!全校生徒にカレシと別れたって知られちゃいましたよっ!
大迷惑なコト極まりナシですよ神様校長っ。
と、その時、コツコツと誰かが放送室に入ってきたような音。
『おや、サトナカ先生。なぜココに?
え?時間が押してる?押してるの?どうせならおしくらまんじゅうでサトナカ先生の大きなお尻に押されたいですのう。ほっほっほ』
ナニ言ってるんじゃいっ。
セクハラジジイもいいとこです!サトナカ先生に怒られますよ!
と思った瞬間!
ごつっ!キィィーン!とマイクがハウリング!
コレって、マイクで殴られたような音!?
『きさん、いい加減にしとっきゃらんかい。アタマかち割って脳ミソ握りツブすどコラ』
こっ、これはっ!
サトナカ先生のお声っ!
神様校長はサトナカ先生にマイクで殴られたっぽい!どこのコトバかわかんないけど、ものっそいド迫力!
アタマ割られた時点で死んでるのに脳ミソ握りつぶされるって!
こわ!
『ごっ、ごめんなさいですじゃサトナカ先生やっ。ジジイのカワイイ冗談なのですじゃー、ううっ、ぐすん』
半ベソっ!
イイ歳こいたおじいちゃんが半ベソですよっ!まあ、自業自得なんですけどねっ!
『神様校長に代わり、私、サトナカがルールを説明する。武器は禁止。所有スキルは使用可能。どちらかが気を失うか、再起不能になるまで試合続行とする。以上!』
サトナカ先生がサクッとルール説明をしてくれましたけれども、聞き捨てならない項目がっ!
武器は……禁止っ!?
ラーフィアちゃんの浮遊刀は使えない!?
ってコトっ!?
ちょっ!マジかマジですかっ!?
唯一の勝利への希望がっ!
断たれちゃったんですけどおっ!?
「武器は禁止、って、お姉ちゃん知ってたっ!?」
「いいえっ、初耳ですわっ」
初耳っ?
ラーフィアちゃんもペリメール様も知らなかったのかっ。
丸腰!俺っ!丸腰ですよ!?
素手で黒竜王と戦うのっ!?
え!?
素手での殴り合いってコト!?ラーフィアちゃんに剣術教えてもらったのにっ!まあ修得なんて出来てませんがね!
所有スキルは使用可能って言ったけど『お着替えガチャ』と『黒光り』でどうやって戦えとっ!?
これはっ!
マジでっ!戦える気がしない!
「さーて時間だし。ぼちぼち行くかー」
って、フィルフィー!なんでそんな平然としてるのさ!?
「ちょっ!フィルフィーっ!武器は使えないって言ってたよ!?」
「あん?聞こえてたよ。だからなんだよ?」
だからなんだよ?とは、なんだよ!ですよヤンキー女神っ!
勝てる見込みがゼロになっちゃったのにっ!
やたらえづいてたけど、黒い雷と一緒に現れるようなヤツと戦えるワケがない!
ほんの少しだけあった勝機が、ばっさばっさと羽ばたいて逃げてっちゃいましたよっ!
このままではっ!
ゴスロリメイド服が死装束になっちゃいますよ、男の
ぬおおおおっ!
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