初めてのぶらじゃー

 ◇ ラーフィアの脳内思考 ◇


 さりげなく何気なく!ごく自然な流れでヒカリちゃんのおっぱいを触る方法それはっ!


 ランジェリーショップ!ランジェリーショップに行けば!


 ヒカリちゃんのおっぱいに触れるチャンスが必ずある!なんだから、何も不自然なコトは無い!

 

 ヒカリちゃんが穿いてるパンティーをゲットするのはムズカシイかも知れないけど……


 ヒカリちゃんが試着したパンティーを私が買う、っていう選択肢もアリだよね。


 お揃いの下着も欲しいし。

 頑張るぞっ、私っ!おー!


           ◇


 ラーフィアちゃんが自販機で飲み物買ってきてくれて、俺にレモンティーを手渡してくれた。

 優しい気遣いの出きるイイコですよラーフィアちゃんっ!

 

 ラーフィアちゃんは、どんな服が好きなのかな?何色が好きなのかな?犬派かな?猫派かな?

 なんて聞きたいコトを考えてたら、その質問は唐突に突然にいきなり突如!俺に投げ掛けられた。


「ヒカリちゃんは普段はどんなブラ着けてるの?」


「えっ!?ぶら!?どんなって、いや、あの……ブラって持って無い……要らないかな、って」


「えっ?そうなの?なんでっ?」

「えっ、なんで、って。ラク、だからかな?」


「ダメだよ、ヒカリちゃん!」

「えっ?」


「パンティーはカワイイのに、上下合わせないの?」

「え、うん?あの……胸、ちっちゃいから要らないかな、って」


 なんつって、俺、男ですからねっ。流石にブラジャーはキツいっ!

 今着けてるのはスポーツブラってヤツね。今はコレで十分です!めちゃ短いタンクトップみたいなもんだしお腹冷えるけど、これならまだ耐えられます!

 パット入ってるから胸のぽっちもガードできますからねっ!

 オススメです!


 ラーフィアちゃんもおパンツをパンティーって言うんだな。ふむふむ。

 ていうか、パンティーはカワイイ、って俺のを見たコトあるような言い方なんですけど?


「ダメだよヒカリちゃん!ブラジャーは大事だよ!?これからもっと大きくなるかも知れないんだよ?私よりおっきいんだから着けなきゃダメだよっ。それよりもなによりもっ」


 えらくアツいですよラーフィアちゃん。俺はスポブラで大丈夫なんだけど。


「ダサい!スポブラはダサい!しかも黒なんてダメダメだよ!ヒカリちゃんはカワイイんだよ?カワイイなんだよ!?カワイイ下着欲しいとか思わないのっ?」


 イヤ、ラーフィアちゃん。俺、男ですから。あと、なんで黒いスポブラって知ってるのっ? 

 ブラジャーは流石に抵抗が……だって、ブラジャーってみたいなもんじゃない?

 ふわふわのプルプルを包み込む聖なる神器的なものだと思うのですよ!

 なんていうかねー。男が踏み入れてはいけない領域、みたいなね!


 男でブラジャー愛好家ってネットで見た事あるけども!

 キレイ系のオニーサンならまだしも、お腹の突き出てる中年オジサンがブラジャー着けてるの見たら吐きそうになりましたよ!

 軽くトラウマですよ!地獄絵図でしたよ!


 ◇ オジサンが

    ブラジャー着けてる

     地獄絵図     ◇ ヒカリ 


「でも、一人で買いに行くの恥ずかしいし……今はこれで大丈夫かな、って」


 なんとかブラジャーから逃げないとっ!

 男としての威厳を!尊厳を!

 死守しないとっ!


「じゃあ、今から買いに行かない?」

「えっ?」


で下着買いに行くなんて、全然フツーのコトだよ?」

「えっ?そうなのっ?でも、あのっ」


「私とじゃ……イヤ?」


 うわ!またまたテンションダダ下がりっ!?ラーフィアちゃんがしおしおにしおれていきますよっ!?


「ラーフィアちゃんっ!イヤじゃナイよっ!?あの、ボクお金ナイからっ!」

「そんなの気にしなくてイイって言ったのに……」


 イヤイヤ!初カノとの初デートでスイーツおごってもらって、下着まで買ってもらう男のって、どうなの?

 ド底辺のクズ街道まっしぐら!じゃないデスカっ?


「私はヒカリちゃんの彼女!ヒカリちゃんは私の、何ですかっ?」

「えっ?えっと……カノジョ、です」


「ねっ!」


 満面の笑顔で『ねっ!』て言われても!


「じゃあ、行こう!すぐ行こう!私とお姉ちゃんがよく行ってたお店があるから!」


           ◇


 ……来てしまった。

 来ちゃいましたよ。下着のお店。

 魅惑のランジェリーショップですよー!


「あっ!お金卸してこないと無いんだった!ちょっと行ってくるねっ」


「えっ?あの、ボクはっ?」

「下着でも見ながら待っててっ。すぐ戻ってくるから!ゴメンねっ!」


 ラーフィアちゃんはそう言い残して、すてててっと走り去って行った。


 え。


 取り残されたっ!


 ランジェリーショップに男のが取り残されちゃいましたよっ!?


 これはっ!新手の放置プレイ!?


 ランジェリーショップっ!女性用の下着を売ってる店っ!

 男物なんて0.5割も無いブラジャーとかおパンツがまつられている女性の聖域っ!

 オトコが一歩でも足を踏み入れた瞬間に『変態』という地獄の烙印を捺される、恐るべき聖域!

 男女のカップルで入ったとしても、彼氏の方は一刻も早く立ち去りたくなる悪夢の聖域!

 悪夢の聖域ってどんなのかわかんないけど、まあそんなカンジです!


 一体、何処を見てればイイノヤラ……


 ふと顔を上げるとマネキン達が恥ずかしげも無く、半裸でブラジャーとおパンツをお召しになってますですよ。

 マネキン達が穿いてるおパンツなんてレースのみ!あのマネキンは間違いなくレースクイーン!


 なんつって。


 店内は意外と広くって。

 白は当然として、色とりどりのブラジャーとおパンツがディスプレイされてますよ。

 その光景はまるで室内花火!

 室内で花火なんてキケン極まり無いけど、キケンという意味では、あながち間違いではナイ!

 男にとってランジェリーショップなんて危険地帯に他ならない!地雷だらけであります!

 色とりどりのブラジャーとおパンツがっ。

 ディス!プレイ!

 赤、青、黄色、緑、ピンク。

 ……ナニ戦隊なんですかね?『お色気戦隊!ブラパンジャー!』とか?


 なんつって。


「何かお困りでしょうかぁー?」

「ほえっ!?」


 店内でキョドってる俺に声をかけてきたのはギャルっぽい店員さん!

 睫毛とか盛り盛りで、翔べるんじゃないか?ってくらいにまばたきする度にばっさばっさと羽ばたいちゃってます!


 派手なメイク、赤茶けた巻き巻き髪!ピッチリTシャツにホットパンツにコルクサンダル!

 股上浅いホットパンツからピンク色のTバックおパンツが覗いちゃってます!

 店員の名札ネックストラップ付けてなければ、フツーにGAL!

 GAL!ギャルですよ!

 俺のニガテなタイプですよー!

 ちなみに名前は『アゲハ』さん。なんかキャバ嬢っぽいですよっ。


「あ、えっと、あのっ」

「ご自分のサイズとかわかりますかぁ?正確なサイズを測っておくコトをオススメしますよぉ?」


「えっ?えっ、と、たぶん、Bくらい?かなっ?Aかもっ?」

「んんー?私の見立てではもう少しあるように見えますよぉ?」


 えっ?そうなの?制服の上から見てわかるモンなのっ?イヤ俺はわかんないからね、そんなのっ。

 ブラジャーサイズの知識持ってる16歳の男のなんていませんて!


「よろしければコチラでサイズ計測いたしますよぉ?」

「あ、えっと、じゃあ、あの、お願いしマス……」


 こっ、断れないっ!見た目ギャルだけど、めっちゃ親切ですよ、このギャル店員さん!ランジェリーショップってそういうもんなのかっ?


「コチラどうぞぉー」


 と通された試着室にて。


「上着だけ脱いで頂ければよろしいですよぉー?」


 そうなんですね、俺はまた上半身ハダカになんなきゃいけないのかと思ってましたよ。

 

「失礼いたしまぁすぅ」


 と、計測開始ですよ、測られちゃってますよ、俺のオパイ!

 細っこい腕で俺に抱きつくようにしてメジャーで計測っ。

 うおお、ギャル店員さんの髪からイイ匂いがっ!そしてくすぐったい!ギャル店員さんの指が俺のカラダに触れる度にピクピクっと反応しちゃいますよー!


「緊張しなくてもダイジョブですよぉー?ワタシもチュウボ……中学生の時にトモダチと買いに来たんですけどぉー」


 今、中坊って言いそうになったよね?元ヤンですかねっ?


「測ってもらってる時に、緊張し過ぎて屁ぇこいちゃったんですよぉー。ウケるでしょぉー?」


 屁って。せめてそこはオナラと言いませんかギャル店員さんっ。


「その時こいたの、すかしっ屁だったんですけどぉ。音がしなかったからバレてないと思ってたんだけど、もぉ、臭くってぇ♪」


 まだ屁の話を膨らませるんデスカ、ギャル店員さんっ?なんか楽しそうだから黙って聞きますがっ。


「静かな空気に耐えられなくなって、測ってくれてたお姉さんのせいにしちゃったのぉ。アハハ♪」


 アハハ♪って。マジですかギャル店員さんっ!なんてタチの悪い中学生なんだっ!


「その時のお姉さんが、ここのお店の社長なんですよぉ♪」


 えっ、そーなんですかっ。笑い話かと思えばなかなかイイ話じゃないですか。


「そのコトがきっかけで、高校入ってからこのお店でバイトしてぇ、気付いたら社畜?みたいなー♪」


 社畜って。

 ちょっとイイ話のハズが台無しですよ、ギャル店員さんっ。

 でも、そんな縁もあるんだなっ。勉強になります!

 

 ギャル店員さんは自らの失敗談を交えつつ、プロらしく手際よく俺のオパイのサイズを計測中。


「えっとぉ、トップ80センチ、アンダー64センチ……ウエスト細いですねぇ。羨ましいなあ」


 とっぷ?あんだー?胸囲とナニが違うんですかね?ギャル店員さんもウエストめっちゃ細いデスヨっ?

 メモも取らずにあっという間に計測終了。


 俺、ギャル店員さんのコト、誤解してたっす。お姉さん、めっちゃプロっす。


「あっ!ヒカリちゃん!」


 試着室から出てすぐにラーフィアちゃんと再会ですよ。

 ほっ。


「靴があったからすぐにわかったよ。ん?何か試着したの?」


「あ、えっと、自分のサイズわかんないから測ってもらってたんだよー。ラーフィアちゃんも測ってもらうといいよ?」


「こちらのお客様は、Aカップですねぇー」


 え!?ギャル店員さんはラーフィアちゃんをチラッと一瞬見ただけ!計測もせずに一瞬見ただけでわかるもんなんデスカっ?

 なんかラーフィアちゃん、またフリーズしてるんですけどっ!?


「コチラのお客様はCカップの方が良いかもしれないですよぉー?。Bカップだと、すぐにきつくなっちゃいますよぉ?」


 なぬっ?すぐにキツくなる、ですとっ?

 マジですかギャル店員さんっ!

 俺はっ!ラーフィアちゃんよりオパイが2サイズおっきいってコトですかっ!

 すぐにきつくなっちゃうんですかっ!?

 男のなのに、まだおっきくなるってコトですかー!?


 ランジェリーショップのプロが言うんだから、ほぼ間違いは無いんだろうけどっ。

 マジですかそーですか。俺のオパイは成長中ですか。


 ◇ 異世界で

    オパイが育つ

     男の ◇ ヒカリ


 なんつって。


 俺の彼女はAカップ。でもって俺はCカップのようです。

 男のの俺の方がラーフィアちゃんよりオパイが大きいとは。

 うすうすもしかしてと思ってはいたけど、数字に表されるとね!現実を突き付けられますよね!

 でも、どんまいですよラーフィアちゃん!母方が双子なんだからラーフィアちゃんだって、きっと!たぶん!ペリメール様みたいにおっきくなるハズ!と思うよ!


 ギャル店員さんがCカップサイズのブラジャーを何枚か持ってきてくれて。


「試着されてみるのがイチバンですよぉー?こちらどうぞぉー。試着室入りまぁす」


「「喜んでー!」」


 ドコから聞こえてくるのかわからない、他の店員さん達の『喜んで』の声!それって要るんデスカっ?

 

 とりあえずっ!試着室に待避っ!やっぱ恥ずかしいからねっ。

 ギャル店員さんオススメの何枚かのブラジャーを手にささっと試着室に入る俺っ。

 助かったっ。何とか一時避難出来たっ。


「コレ、カワイイよねー♡コレから着けてみよう、ヒカリちゃん!」

「ラーフィアちゃんっ!?なんで一緒に入ってくるのっ!?」


 いつフリーズから解凍したのか、音も無く一緒に試着室に入ってきましたよ、ラーフィアちゃん!


「えっ?女の子同士なんだから恥ずかしく無いよね?それに……カノジョなんだしっ」

「えー!?恥ずかしいよう!」


「じゃあ、私も脱ぐから。それなら恥ずかしく無いでしょ?」

「えっ!?」


 イヤイヤイヤイヤ!大胆過ぎますよラーフィアちゃん!

 試着室という逃げ場のない密室でのムフフイベントなんて、アニメとかマンガとかギャルゲとかエロゲとか小説とかWeb小説とかではテッパン中のテッパンネタですけれども!

 ラーフィアちゃんまで脱ぐ意味がわからない!


「密室で二人きりって……えっちだよね、ヒカリちゃん♡」


 違います。

 入ってきたのはアナタですよラーフィアちゃん!

 

「二人っきりだね、ヒカリちゃん……♡」

「えっ。ちょちょっ!ラーフィアちゃんっ!?」


 確かに二人きりですけども!うっすいカーテンの向こうにはギャル店員さんがいるんですけどっ!?

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