勝利の報告!
小一時間ほど、必死にシフォンちゃんにしがみつき。
たどり着いたよ魔王城。
朝集会の挨拶でやらかした
ふう、やれやれですよ。
なんとか落とされずに済んでヨカッタヨカッタ。
シフォンちゃんのスベスベでぷにぷになお腰は抱き
ムフー!
ばささっと、広場に降り立つと。
「大遅刻だけど私はダンスレッスンに行くからっ!
じゃあね、ヒカリっ!後で連絡するからねっ!」
「えっ!? あにょっ! ちょいとお待ちをっっ!?」
連絡ってどうやってー!?
って訊くヒマもなく、ばささっと、翔んでっちゃいましたよシフォンちゃん。
取り残されたよ男の
シフォンちゃんにほったらかされるのは、これで何回目かなっ?
ひゅるるーん、と弱い風が吹くですよ。
閉城時間が近いコトもあってか、集いの広場は閑散としたもんですよー。
とりあえずレミィからコウダヒカリに戻りますかね、っと。
左手を勢いよく振り上げて、しゅわあっ!と、元のゴスロリメイド服ver.2にチェンジ!
「はー。やっぱ落ち着くなー、コレ」
……はっ!!
今なんつった俺っ!
すっかり男の
ヤンキー女神フィルフィーを更正させてイケメン勇者を目指すハズだったのにっっ。
うむむ。
まあ、コレはコレでアリなのかな。
フィルフィーにリセットしてもらった時に、
『とびきりカワイイ男の
なんて言っちゃったし。
んむむ……んっ?
今は男の
でも、オパイがあるイケメン勇者ってのはアリなのかしらっ?
うーん、ちょっと妄想してみよう!
このままイケメン勇者に成長した姿をっ!
でもやっぱ、身長はもっと欲しいトコロだよなー。
スラリと高身長で長い手足はイケメンのテッパン項目!
顔はこのままでも良いかも知れないけど、美少女が過ぎちゃうから眉と髪型くらいはキリリと整えようかな?
問題はオパイ! Eカップのオパイ!
オパイはしぼむワケ無いし、ノーブラだとぷらぷらしちゃうし、垂れちゃうし。
それに先っちょビンカンだし。
例えイケメン勇者になったとしても、やっぱブラジャー着けなきゃいけないのかっ!?
あっ。
サラシでも巻けばいいのかなっ?
んー、でもなー。サラシって、ぐるぐる巻かなきゃいけないから、めんどくさそうだよなー。
だがしかし。
ブラジャー着けてるイケメン勇者なんて見たコトナイよな……
もし、仮にその姿を見られようモノならっ!
間違いなく、ヘンタイの烙印を
そうなったらもう、ブラジャー着けてるヘンタイ勇者として生きるしかなくなってしまうのではっっ!?
それはそれで新しいような気がしないでもナイけどもっ!
うごおおお、たとえイケメンでもブラジャー勇者は抵抗がありすぎるっっ!
「ヒカリちあゃんっ!」
「うえあっ!?」
閑散とした集いの広場でひとり妄想にふけってる所に、聞き覚えのある爽やかな声がっ!
この声は、もしかしなくてもっ!
「ラーフィアちゃんっ!?」
「お帰りなさいっ! ヒカリちゃんっ!」
「よくやったなっ、ヒカちくりんっ!」
「スゴかったですよう、ヒカリ様ぁ♡」
なななんとっ!
明るい声で、すてててっと駆け寄って来るのはっ!
ラーフィアちゃん!
レイルさん!
フェイリアちゃん!
一緒に魔王城に来たのに、はぐれちゃった三人の新米女神サマ達ですよー!
どーん!と体当たりで俺に抱きつくラーフィアちゃん!
うおお、ツヤサラ銀髪からふわりと香る良い匂いが、俺の鼻孔をくすぐるですよー!
「ずっと観てたよヒカリちゃんっ!」
「えっ!? 観てた、ってっ?」
「スゴかったよっ! ヒカリちゃんとシフォンのバトル! さっきまでこの集いの広場で生中継されてたんだよっ!」
なななんとっ!
中継されてた!?
「私達がオバケ屋敷から出たら、外が騒がしくってねっ。それで、ここに来てみたらヒカリちゃんとシフォンのバトルの生中継してたのっ!
ラミィとルレ美が合体なんてスゴい発想だようっ!」
おおー!
ラーフィアちゃんがレミィを受け入れてくれている!
ちょいヲタなラーフィアちゃんに認めてもらえるのはちょっと、イヤ、かなりウレシイですよ!
んっ?
ってコトは、レミィがオパイぶっ叩かれてたのとか、ちちビンタとかみんな
「スゴい! スゴいよ、ヒカリちゃんっ!
ホントにシフォンに勝っちゃうなんてっっ!
私のカノジョはスゴい勇者サマだようっ♡」
かかカノジョっ?
喜びバクハツで、俺にぎゅうっと抱きつくラーフィアちゃんですがっ。
俺が男だって知ってるのに『カノジョ』って言っちゃうのっ!?
ラーフィアちゃんの中で俺は女の子のままで、
「単独で魔王シフォンを打ち負かすなんてやるじゃないかヒカちくりんっ! 見直したぞっ!」
と、俺のアタマをポンポンしてくれるレイルさん!
アタマポンポンなんて、イケメンにしか許されない神の技のひとつデスヨっ!
でも、レイルさんにされちゃうと、なんかキュン♡って、なっちゃいますよー!
はっ!
これが、ツンデレとは似て非なるギャップ萌えってヤツデスカっ!?
ちょっと違うような気がしないでもナイけど、普段は俺にツンツン冷たいから効果は絶大ですよレイルさーん!
「ヒカリ様ぁ♡ホントにホントにスゴいですぅ!
よろしければぁ、今夜、みっちりねっちりたっぷりしっぽり、癒しのマッサージをして差し上げますよお? もちろん、朝までっ♡」
感嘆しつつ褒めてくれてるレイルさんに対して、くねくねと身体をくねらせて俺を誘惑するフェイリアちゃん!
朝までみっちりねっちりたっぷりしっぽりマッサージってのは気になりマスっっ!
「ちょっとフェイリアっ。そんなのダメに決まってるでしょっ!
ヒカリちゃんを朝までみっちりねっちりたっぷりしっぽり癒すのは、私なんだからねっ!」
うおお、マジですかっ!
ラーフィアちゃんが俺を癒してくれるのデスカっっ。
いったいどんな癒しが待ってるのか楽しみですようおおー!
ニャハー!
「とりあえず今夜は祝勝会だねっ! あっ!
お姉ちゃん達にも知らせてあげないとっ!」
にっこにこのハジケル笑顔ですよラーフィアちゃんっ! それだけで俺のココロは明るく軽くなっちゃいますよー!
俺、勝てて良かったっす。
三人の新米女神サマにチヤホヤされてるこの瞬間が、人生最高の時間っす。
ラーフィアちゃんは、右手の親指と小指を立てる『
二人は新婚旅行中なのにダイジョブかなっ?
「お姉ちゃんにコールっ♪ ぴぽぴぽぷうぷう♪」
何ですか、そのめっちゃカワイイダイヤル音!
カワイイが過ぎますよラーフィアちゃんっっ。
「……あっ! もしもし、お姉ちゃんっ? ごめんね、フィルフィーとねっとりぐっちょりしてるトコロをジャマしちゃってっ!」
ねっとりぐっちょりっ!?
一体ナニをねっとりぐっちょりしてるんデスカネっ!?
ペリメール様がお顔を真っ赤にして慌てふためく姿が思い浮かんじゃいますよっ。
「あのね、お姉ちゃんっ! 勝ったの!
ヒカリちゃんが、シフォンに勝ってくれたのっ!
フィルフィーとフィルフィーのお母さんの声を取り戻してくれたんだようっ!!」
おおう。なんか、あらためてでっかい声で言われちゃうと照れマスヨっ!
俺ったら、ホントに凄い事を成し遂げちゃったみたいに感じますようおおっっ!
ラーフィアちゃんは涙ぐんじゃってますよ。
いつもはフィルフィーとあんまり仲良くナイけど。
なんだかんだ言いつつ、フィルフィーのコトが心配だったのかな?
やっぱりイイコですよ、ラーフィアちゃん!
「ちょっと待ってねっ! ヒカリちゃんに代わるからっ」
ラーフィアちゃんが親指と小指を立てた右手を、ずびっ!と俺の耳に当てると。
「『もしもし、ヒカリ様っ?』」
おおっ! ちゃんとクリアに聴こえますよ、ペリメール様のお声ですよー!
この『
「もしもしっ? あのっ、ペリメール様っ。
なんとか無事にフィルフィーとポプラールさんの声の元を取り戻しましたっ!
だから、安心して新婚旅行を楽しんで来てクダサイねっ!」
「『ありがとうございます、ですわっ、ヒカリ様っ! フィルフィーさんも、とってもお喜びになってます!ですわっっ!』」
弾むようなペリメール様の声ですよ。
優しい笑顔が思い浮かんじゃいますよ!
フィルフィーはどんな顔をしてるのかなっ?
もし、喋るコトが出来てたら。
「やったな、ヒカリぃ! それでこそあたしの舎弟だぜっっ!」
とか言ってくれるんじゃないのかなっ?
……あれ? なんか。
早く、フィルフィーの声が聴きたくなってきちゃったなー……
イヤイヤ、でもでも。
二人きりの新婚旅行ですからね!
ココロおきなく楽しんで来て欲しいですよ!
「詳しい話は二人が帰ってきてからしますからっ。楽しみにしててクダサイねっ」
「『本当に、本当にありがとうございます、ですわっ!ヒカリ様っ!
今すぐ抱きしめてあげられないのが、とっても残念ですわっっ』」
うおお、マジですかっ。
新妻女神ペリメール様からのご褒美は歓喜のハグですかっっ!
俺の顔面をペリメール様のふわわなオパイに埋もれさせちゃってもいいんデスカー!
「……ヒカリちゃん? なんか、お顔がゲスくなってるんですけどっ?」
「うえあっ!?」
ヨコシマな考え事が顔に出ちゃってましたか、そーですか。
ゲスいって言われちゃったよ、男の
「あのですねっ。そういうワケなので、引き続き新婚旅行をお楽しみんで来てクダサイまし、ペリメール様っ」
「『はいっ!ありがとうございます、ですわっ!』」
「じゃあ、また何かあったら連絡するからねっ! フィルフィーとたっぷりねっとりぐっちょり楽しんで来てねっっ♪ じゃあねっ♪」
言うだけ言って
ペリメール様が真っ赤になってワタワタしてる姿が思い浮かんじゃいますよー!
俺も、たっぷりねっとりぐっちょりってなんなのかが、めっちゃ気になりマスよー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます