やってきました!果報さん!
お茶漬けを食べてようやくアーラさんが帰りましたですよ。
賑やかましくって台風みたいな女神様だったなー。
あんなのが女神事務所にいるんだなっ。
あ。あんなのって言っちゃった。
でもココロの中の声だからセーフです!
「久しぶりに見たけど、やっぱ変わってんなアイツ」
それをフィルフィーが言うのかっ?
フィルフィーだって十分過ぎるほど変わってるぞっ!
「アーラさんは、そのっ、フィルフィーさんにご好意を寄せてらっしゃるのですわっ。
フィルフィーさんはっ、アーラさんのコトをっ、あのっ、どう思ってらっしゃるのですかっ?ですわっ」
「あ?別にどーもこーもねーわ。ただのムカシ馴染みだろっ。
そういや、アーラも言ってたけど、ペリ子の髪っていつ見てもツヤツヤのツルツルでキレイだよなー」
「えっ!?あっありがとうごじゃいましゅっ、ですわっ」
むむっ?
話をそらしたなフィルフィー?
いきなり話がぶっ飛びましたよっ?
普段はそんな褒め言葉なんて言わないフィルフィーの突然の一言に、ペリメール様は頬に手を当てて照れ照れです。
「ペリ子ってさー、なんでそんなに髪長く伸ばしてるんだ?手入れが大変だし、足に絡まったりしないのか?」
「えっ?それはっ……
だっ、誰かさんが子供の頃にっ、地面につくくらいに髪が長いコが好きだ、っておっしゃったのですわっ。だから……っ」
「へー、そう。誰かって?」
「それはっ、そにょっ……」
んん?んんんー?
フィルフィーの一言でペリメール様がうつむいて黙っちゃいましたよ。
でも、フィルフィーは『誰かさん』をわかってるんじゃないのかなっ?
すっとぼけ女神もいいトコですよ!
ペリメール様が沈黙しちゃったから、ここは髪の話題繋がりでフィルフィーのプリン頭の事を訊いてみようじゃないですかっ。
「じゃあ、フィルフィーはなんでキンパツに染めてるの?」
「あん?あたしのは地毛だぞっ」
「えっ?そうなのっ?」
なんとこれは意外な事実っ!そう言われれば確かに染めてるトコロを見たコト無い。
根本が黒いのに途中で金色に変わるなんて珍しい髪質だなー。
性格と同じでひねくれちゃってますよ!
「ガキの頃に真っ黒に染めたコトはあったけどなっ」
「へー。黒髪のフィルフィーってちょっと見てみたいかも。じゃあ、なんで元の色に戻したの?」
「初恋の銀髪君がなー、金色の髪の方がお人形さんみたいでカワイイ、っつったんだよなー。ったく、罪なヤツだぜっ」
おおう、なるほどそーですか。今ので俺は完全に理解しましたよ。
二人はちっちゃい頃からお互いを意識しあってたってコトですよ!
離れた期間も少しはあったみたいだけど、子供の頃からずっと、って二人とも一途だなー。
「銀髪君は引っ越しちゃったんだけどな。いつかまた会えたら
「ここここここここここここここここ告白をっ!?」
「あん?なんでペリ子がワタワタしてんだ?」
「いいいいいイエっ!にゃんでもごじゃりませぬですわんっ!」
「……ふーん。そう」
真っ赤になっちゃったペリメール様をじーっと見つめるフィルフィーの目がっ!
目がああっ!
優しさに満ちあふれた眼差し!
コトバにするなら『優愛』が最適っ!
優愛なんて、パープーな俺が知ってる中では、やさしさ最上級のコトバですよ!
フィルフィーのこんな眼差し見たコト無いっ!
なんか女神っぽい!
あっ。女神だった。ヤンキーだけど!
これはっ!
遠回しに告白してますよ、どう見てもっ!
遠回ししすぎてワケわかんなくなっちゃてるカンジです!
フィルフィーはペリメール様が
『私が銀髪君その人なのですわっ』
って言うのを期待してるんじゃないのかなっ!?
ペリメール様って、実は銀髪君。
ってコトに気づいてるクセに、すっとぼけし過ぎて今さら後には引けないんじゃないのかなっ!?
そんなのイロコイ沙汰に
あ!そう言えばキャノラさんが『二人とも純情で奥手』って言ってたなっ。
純情で奥手な二人が付かず離れずって、純愛ユリゲーよりユリゲーしてますよ!
例えがユリゲーなのがなんかアレなような気がしないでもないけど、まあそんなカンジです!
て言うかね。
フィルフィーもペリメール様も、薄々そうなのかなー?って思ってはいたけども。
俺が知り合うヒト達って
「まあいーやっ。ペリ子はペリ子だっ」
んんー!?
ホントにそれでいいのかヤンキー女神っ。
◇
フィルフィーとペリメール様の仲も気になりますがっ。
俺がさっきから気になってるのは、アーラさんが置いていった明細書。
うむむ。
やっぱり気になりますよ当然です!
「ねえ、フィルフィー。女神ポイントってどのくらい貰えたの?」
「あん?見てみろよ、ホレっ」
「えっ?いいのっ?」
フィルフィーがポイッと放り投げた茶封筒。
前にも見たよね、これ。
朝帰りするほど働いてたから、かなりのポイントを稼いだのではっ?
これはもしかしてもしかすると……っ?
でも、またマイナスポイントが多いんじゃないのー?なんて思いながら見てみると。
え?
いち、じゅう、ひゃく……
えっ?
フィルフィーがゲットした女神ポイントは、なななんとっ!
500000ポイントっ!
ごじゅうまんですよ、ごじゅうまんっ!
ゼロが5つも並んでます!タコ焼きが並んでるみたいですよ!
これはっ!
昇格出来るポイントを軽く超えちゃってます!しかも!
マイナスポイントがほとんど無い!
これって『再生』の仕事が善行って認められてたってコトかっ!
「これっ!スゴいよ、フィルフィー!50万ポイントもあるよっ!?」
「ごじゅっ……!?あっ、あたしだってなあ、やるときゃやるんだよっ」
なんつってどや顔ですよヤンキー女神!
でも一瞬ビックリしてたよねっ?
「実はですね、ヒカリ様っ。
私とフィルフィーさんはこの度、二人揃って昇格する事になりましたのですわっ!」
おおっ!ペリメール様も同時昇格!
なんて仲の良いライバルなんですかねっ!
ん?
昇格?
昇格ですとっ!?
と言うことは!
「フィルフィーがボクの姿をリセットする権利ゲットしたってコトっ!?」
「ああん!?だったらなんだよ!?」
だったらなんだよとはなんだよですよヤンキー女神っ!
そもそも、フィルフィーが俺をムリヤリ男の
「まあまあ、落ち着いてっですわっ。
さらにさらにヒカリ様にご報告、ですわっ。
私達はこの度、念願の
そういえば出会った時に言ってたっけ。1万ポイントでゲット出来るハズだったような。
フィルフィーの所持ポイントが『8』だったコトを考えると、余裕でゲットできちゃいますよねっ。
それで帰ってきた時に機嫌良かったのかな?
二人の女神様が
これは楽しみかも!
「これから神様の所に昇格のご報告を兼ねてドレスを受取りに行くのですわっ。ほらほらフィルフィーさんっヒカリ様っ!行きますわよっですわっ♪」
「あーん?だりぃなあ、もう」
フィルフィーの手を引くペリメール様は、にっこにこの笑顔です!
フィルフィーは、なんというか、お母さんにムリヤリ引っ張られていくコドモみたいな顔してますよ。
だだっ子かっ。
だがしかし、これはっ!
思わぬトコロで果報が舞い込んで来ましたよっ!
果報は寝て待て的なアレだけど、寝てなくてもやってきましたよ果報さん!
これはっ!
男の
イケメン勇者になれる日がっ!
ついにやってきたかも!?
ってコトですよー!
ニャハー!
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