復活! フィルフィーの女神声《ゴッデスボイス》!
さてさて、お次は!
フィルフィーとポプラールさんの声の元、金色のタマタマを渡すイベントですよ!
フィルフィーとペリメール様が新婚旅行から帰ってきたらビックリさせてあげるんだからねっ!
◇
◇
ってコトで帰ってきましたよ、おふたりさん!
俺と新米女神達の四人でお出迎え!
「お帰りなさい、お姉ちゃん!あと、フィルフィー!」
「お帰りなさいませっ、ペリメール様っ。フィルフィーマート様っ」
「お帰りなさいませですぅ♪ センパイ
「ありがとうございますっ。おかげさまで楽しめました、ですわっ♪」
フィルフィーとペリメール様は、三人の新米女神に出迎えられてニコニコ笑顔!
フェイリアちゃんに『センパイ』なんて呼ばれちゃって、とっても嬉しそうですよー!
ていうか。
ペリメール様はいつもと変わらないキレイな白い肌なのに、フィルフィーは真っ黒に日焼けしちゃってるじゃないデスカっ。
それはもう、ちょいコゲたホットケーキくらいにこんがりと
一瞬、誰だかわからなかったぞっ。
「同じ場所に行ったのに、なんでそんなにこんがり焼けてるの、フィルフィーはっ?」
金髪にこんがり茶褐色の肌って、ヤンキーって言うよりギャルですよ!
GAL!ですよー!!
フィルフィーがパタパタっと手話で応えたのを、すかさずペリメール様が通訳してくれましたですよ。
「『こんなの三日もあれば、ド根性で元の美肌に戻るぜ!』だそうですわっ♪ さすがはフィルフィーさんですわっっ」
なななんと。
三日ですか、そーですか。
こんがり焼けちゃってるのに、そんなに早く色落ちするんですかっ。
ド根性の意味がよくわかんないけど、どんだけ代謝がイイんですかね、フィルフィーはっ。
「ねえねえ、ヒカリちゃんっ。フィルフィーに渡すモノがあるんじゃないのっ?」
ラーフィアちゃんがこしょこしょっと、ウイスパーボイスで耳打ちですよ。
うおお、くすぐったいっ!
そんでもって今日も甘くてイイ匂いですよ!
って、イヤ違うっ!
ふわりと香るラーフィアちゃんの良き匂いを堪能している場合ではナイっ!
「私も早く見てみたいなー? みたいなっ♪」
こくんこくんっと、小首を左右に傾げてオネダリですよ。なんてカワイイんですかねっ。
まあまあ、慌てるコトなかれですよ、ラーフィアちゃん!
フィルフィーの声の元、オレンジ色がかった金色のタマタマ!
実は今日、初めてみんなに見せるのです!!
みんな一斉に見てくれた方が驚いてくれそうですからねっ!
小さい木箱に入れて大事にしまっておいたのですよー!
「ではでは、みな様、ご注目っ!
フィルフィーの声の元をお見せいたしマスヨっ!」
見てます見てます!
グイグイと前のめりでみんなが注目してマスよー!
フィルフィーの声の元を見て、びっくりしちゃって下さいなっっ!
「じゃじゃんっ! これです!」
かぱっと木箱のフタを開けて、ここでみんなに初披露!
シフォンちゃんから取り戻したフィルフィーの声の元。
オレンジがかった金色のタマタマですよー!
どうですか、みなさんっ。
みなさん、どう、です、かっっ!
「うわー! キレイなキンタマだね、ヒカリちゃんっ」
「え!?ちょっ!? ラーフィアちゃんっ!?」
「素晴らしく見事なキンタマ!
これがフィルフィーマート様のお声の元っっ!」
「オレンジがかっててキレイですねぇ♡
フィルフィーマート様のキンタマっ♡」
レイルさんとフェイリアちゃんまでっ!?
ちょっと新米女神達っ!
うら若きオトメが、キンタマキンタマ言っちゃダメですよー!
驚かせるつもりだったのに俺の方が驚かされちゃってますようおおっ!
「素晴らしいですわっ!
フィルフィーさんのお声の元って、とっても美しいですわっっ!」
ですよね!
ペリメール様はキンタマなんて言いませんよね!
なんか、ほっ。
俺はフィルフィーの前に、つつつっと歩み寄り。
「じゃあ、フィルフィー。これ、どうぞっ!」
特別なプレゼント渡してるみたいで、なんかちょっと照れ臭いカンジだなー。
それはフィルフィーも同じみたいですよ。
でも。
俺の目をじっと見つめながら。
『ありがとな』
って。口の動きでわかりましたよ。
うむむ、照れ臭いっ。
でも、胸の奥がポカポカと温かいカンジがするのは、なんでかな……?
フィルフィーは金のタマタマを受け取って、しばらく見つめてから、お口の中にパクっとイン!
口の中でコロコロっと転がした後、ゴクンと飲み込んで。
「……どうですかっ?ですわっ。
フィルフィーさんっ?」
フィルフィーの手を握って、めっちゃ心配そうに見つめてますよ、ペリメール様。
フィルフィーは喉に手を当てて何回か口をパクパクして、からの。
「……んっ、んー?」
おおっ! 声が出たっ!?
「あ、あー。テステス。ら~ら~らららぁ~♪」
おおー! フィルフィーの声が戻ったっ!
なんか感動的ですよー!
これで少しはフィルフィーを見返すコトが出来たかなっ?
歓喜してむせび泣いちゃってくれてもいいんだぞ、こんがり日焼け女神っっ。
と、思った瞬間!
「せーのっ。『うらああああああああああっ!』」
「うにゃああああっ!?」
声を取り戻した途端に、いきなり『
猛獣が目の前で吠えるよりSUGEEEEですよー!
猛獣に吠えられたコトなんてナイけど、まあ、そんなカンジの
こんころりんっと、後ろにひっくり返る俺ですよ!
「にゃにゃにゃっ! にゃにするのさ、ふぃるふぃーっ!」
うおお、耳鳴りがキンキンしてるですよっ。
「おっ? なんだ、ヒカリぃ。あたしの『咆哮』食らって気絶しないなんてやるじゃねーかっ。ちょっと見ない間に強くなったみてーだなっ」
「えっ? そうなのかなっ?」
「知らんけど」
おいっ! いきなりテキトーなコト言うんじゃ無いぞデタラメ女神っ!
声を取り戻した途端にコレですよ!
静かに黙ってる方がヨカッタんじゃないのかって思っちゃいますよー!
「ふぃふぃふぃフィルフィーさんっ! 名前をっ!
私の名前を呼んでみて下さいっ、ですわっ!」
「んあ? おうっ。じゃあ……ペリ子っ」
「……フィルフィーさんっ!」
「ペリ子っ!」
「フィルフィーさんっっ♡」
「ペリ子っっ!!」
「フィルフィーしゃあんっっ♡♡♡」
ナニやっとんじゃい、二人とも。
互いの手を握って名前を呼び合うなんて、バカップル丸出しじゃないデスカっ。
アツアツでラブラブなのは善きかな善きかなですけど、みんながいないところでやってくれませんかねっっ。
「よかったねっ、フィルフィー!」
「これでひと安心ですね、フィルフィーマート様っ。ペリメール様っ!」
「お二人に、ずっとずっと
三人の新米女神達も喜んでますよ。
いきなり『咆哮』浴びせられたのはビックリしたけど、まあ、ヨカッタヨカッタですよー!
でも、あのですねっ。
フィルフィーとペリメール様は見つめ合ったまま動かないんですけど!
見つめ合う二人には言葉は要らないってカンジですよ、もう。
「あのっ、フィルフィーっ。
盛り上がってるトコロ悪いんだけどっ。
ポプラールさんの声の元を届けないといけないんだけど、どうしようかっ?」
「あん? そんなの宅急便でいーんじゃねーの?」
マジかっ。
母親の大事な声の元なのに扱い方が
「宅急便て、もし割れちゃったらどうするのさっ?」
「ああん? そんなの『ワレモノ注意』ってシールでも貼っときゃいーんじゃねーの?」
「フィルフィーさんたら、もう!
そんなコト出来るハズがありませぬ!ですわっ!
ポプラールさんのタマタマは私とフィルフィーさんが責任を持ってお届けいたします!ですわっ!」
「えー? 別にいーんじゃねーのー?
かーちゃんのタマタマくらいさー」
「いけません!ですわっ!
フィルフィーさんのお母様の大事なタマタマなのですから、必ず!無事に!お届けしなくてはなりませぬっ!ですわっ!」
キレイで美人な二人の女神サマが、タマタマって連呼しちゃってますけどねっ。
タマタマって言いたいんデスカネっ。
「ポプラール様は、今や私の義理のお母様なのですから、ぞんざいな扱いなんてダメダメ!ですわっ!」
「ああーん? しゃーねーなあ。わーったよっ。じゃあ、二人で行くかっ。三泊四日くらいでな!」
「えっ!? 三泊四日っっ?」
フィルフィーの思わぬ言葉に驚いちゃってますよ、ペリメール様。
「ポプラールさんて神様店長と一緒に暮らしてるんじゃないのっ?
あ。もしかして別居中とかっ?」
「あん? ちげーよ。
かーちゃんは実家で療養中なんだよなー。
けっこう遠いトコだから宅急便って言ったんだけどなー。
ペリ子がそこまで言うんじゃ仕方ないよなー?
なんか、二度目の新婚旅行みてーだなっ」
「えっ♡ そそそそんなあっ、ですわあっ♡」
あー、ハイハイ。
二度でも三度でも、新婚旅行に行けばいーんじゃないデスカネっ。
結婚前はぶつかり合う事も少なくなかった二人なのに、結婚した途端にここまでバカップルになっちゃうとはビックリ仰天ですよー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます