みんな揃って!らんらんランチタイム!
「んふ……ん……ここは?」
「ふああ~♡♡ あふうん♡ よく寝たぁ♪」
目を覚ましましたよ、レイルさんとフェイリアちゃん。
レイルさんはともかく、フェイリアちゃんのあくびはなんだかえっちぃですよっ。
「二人とも起きたなっ。そんじゃあ、ヒカリとラフィーもスッキリキッパリ決着したコトだし!
みんなでゴリュウの寿司でも食べに行くかっ」
おおっ、ゴリュウさんのお寿司!
なかなかのグッドチョイスじゃないですかっ?
俺も久しぶりに食べたいです!
「フィルフィーの気持ちは嬉しいけど……外出は許可されないから無理だよ」
「えー?そうなのか?じゃあ、しょーがねーかなあ」
「うふふっ♪ そういうコトもあろうかと思いましてっ!
なんと、私、ペリメールがお弁当を作ってきたのですわあっ!」
ペリメール様が虚空に四角い枠を描いてパチン!と指を鳴らすと、なんとっ!
にゅるーんと出てきましたよバスケットケース!
魔王城にも持ってったペリメール様愛用のバスケットケースです!
これはっ!
中身はもちろん!
「私、ペリメールの特製サンドイッチー♪ ですわあっ!」
おおっ!
テンション高いですよペリメール様っ!
にこにこ笑顔でめっちゃカワイイです!
ペリメール様が早起きして作ってたのは、やっぱりコレですよ!
なんて気の利く女神様なんですかねっ。
「えっ? お姉ちゃんのサンドイッチっ?」
魔王城で再会した時にも持っていったんだけど、あの時は一緒に食べられなかったんだよな。
アパートに帰ってから食べたんだけど、いつもは美味しいサンドイッチなのに、なんだか味気無く感じたんだっけ。
「サンドイッチかあ。悪くねえなっ!
いい天気だし外でみんなで食べるとすっか!」
「そうですわっ!
ではでは皆さん行きましょうっ!ですわあっ!
フェイリアさんとレイルさんもご一緒にどうぞっ、ですわっ♪」
「えっ?よろしいのですかっ?」
「わあ♪ 嬉しいですぅ!」
「もちろんですわっ。たくさん作ってきましたから、ぜひともどうぞっ♪ ですわっ」
新妻ペリメール様がウキウキしてますよ!
めっちゃカワイイです!
新妻ってコトバが、すこぶるお似合いですよー!
◇
というコトで。
みんなで中庭に移動して、レイルさんとフェイリアちゃんを交えて六人揃って初の!
らんらんランチタイムですよ!
妄想勇者と女神様。元魔王とその側近。
端から見るとカワイイ女子が六人だけど、実は一人混じっているのですよ、男の
芝生の上にぱさっと広げたシート。
ペリメール様の手作りサンドが入ってる大きなバスケットケースを真ん中に。
今日はおかずもありますよ!
ホントに良くできた新妻女神様です!
みんなでお弁当囲んで輪になって、青空の下での、らんらんランチ!
ほのぼのしてて善き善きですよー!
さっきまでの戦いがウソみたいだなー。
「ラフィーさんはツナサンドがお好きでしたねっ、ですわっ。
はい、どうぞー♪ ですわっ。
フェイリアさんとレイルさんもどうぞー♪ ですわっ」
「あ……ありがとう、お姉ちゃんっ」
「ありがとうございますっ」
「いただきますですぅ♪」
三人はちょっと遠慮がちにペリメール様からサンドイッチを受け取り、ぱくっとひと口頬張って。
「美味しい……っ」
「美味しいですっ。ペリメール様っ」
「アハー♪ 美味しいですぅ♪」
三人ともにっこにこの笑顔です!
やっぱり笑顔がステキですよラーフィアちゃん!
もぐもぐする姿がキュート過ぎますよー!
「お姉ちゃんのツナサンドって……やっぱり美味しい!」
「だろー?ペリ子サンドはサイコーだよなっ」
なんつってどや顔ですよ、新婚女神フィルフィーは。
でも、ペリ子サンドって呼び方はどうかと思うぞっ。
「サイコーだなんてっ!てててっ照れますですわあっ」
つんつんっとフィルフィーの腕を突っつくペリメール様。
あー。ハイハイ。
イチャコラしちゃってまあ。
フェイリアちゃんとレイルさんが美味しそうに食べてる横で、ラーフィアちゃんは嬉しそうにサンドイッチを見つめてますよ。
銀髪美少女とサンドイッチの組み合わせは、なんだかとってもマーベラス!
見てるだけでも幸せでハッピー!
意味がダダ被ってるけどいーんです!
ラーフィアちゃんがツナサンドをもうひと口、カワイイお口にぱくっとイン!
すると。
「……う……っ」
ん?
うつむいて黙っちゃいましたよ?
どしたのかな?
「……ラフィーさん?
お口に合いませんでしたか? ですわっ」
ペリメール様が心配そうにラーフィアちゃんの顔を覗き込むと。
ぽろっと。
ラーフィアちゃんが。
ひと
そしたら。
続けてぽろぽろっと、大粒の涙がラーフィアちゃんの頬を伝ってこぼれ落ちた。
「美味しい……美味しいよう……っ。お姉ちゃん……っ」
「ラフィーさん……」
ペリメール様がラーフィアちゃんを優しく見つめてる。
「らっ、ラーフィア様っ、泣かないでっ」
「ラーフィア様ぁ……」
フェイリアちゃんとレイルさんも涙ぐんでますよ。
よかったね、ラーフィアちゃん。
みんなでここに来られて、一緒にランチ出来て、ホントに良かったよ。
「三人が泣くほど美味いってコトは、ここのメシがよっぽどマズかったみてーだなっ!」
ちょっとフィルフィー!
そーゆーコトじゃないと思うぞっ!
良い場面が台無しでしょーがっ!
◇
その後は、みんなで楽しく美味しく頂きましたよ、ペリメール様のサンドイッチ。
またみんなで、こうして集まれたらいいのになー。
食後のミルクティーをずびーっと啜り、フィルフィーがラーフィアちゃんに問いかけた。
「んで?気持ちは決まったのか、ラフィー?
ここを出るのか出ないのか」
「……私はやっぱりここを出ないよ。三ヶ月の間、更生プログラムを受けて自分と向き合ってみたいの」
「ラフィーさん……」
ペリメール様がラーフィアちゃんを見つめる眼差しが柔らかい。
ラーフィアちゃん。
ここを出ない理由って、きっと、それだけじゃ無いんだろうな。
レイルさんとフェイリアちゃんを置いて自分だけ出所するなんて出来ないって言ってたよね、ラーフィアちゃん。
「それにさっ、フィルフィーなんかに借りを作っちゃうなんて絶対イヤだからっ」
「ああん?借りを作るなんてつもりはこれっぽっちもねえぞっ」
おっと、フィルフィーがちょっとムッとしてますよ!
これはケンカになっちゃう流れかなっ?
犬猿の仲ってこんなのを言うのかな?
もちろん、おサルさんはフィルフィーですよ、当然です!
いつでもどこでもキャッキャキャッキャとウルサイですからねっ。
ツンツンしてるラーフィアちゃんにブチキレるのかと思いきや、フィルフィーは。
「なあなあ、ラフィーよう。初めてのチューの相手に向かってそんなコト言うのかー?」
なんつってニターリと悪魔の微笑みですよ!
「なっ!?やっ、やめてよっ!
なんで覚えてるのよそんなコトっ!
私のファーストキスはヒカリちゃんなの!
フィルフィーなんかじゃないんだからねっ!」
「へいへい。わーったよ」
「でも、ね。フィルフィー。あの……ありがとう、ね」
おおっ!
素直ですよラーフィアちゃん。
ちょっとふてくされたような顔だけど、顔を赤らめちゃってツンデレ感がいっぱいです!
「おうっ。あたしの
オンナってそんなっ!
1年前にチューしたっきりでなーんも進展してないんですけどねっ。
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