決着!!ヒカリ《ルレ美》vsラーフィア!

「おー!アツいなヒカリぃ!派手にドカンと自爆ってみろやー!」


 うごおおウルサイぞ、ヤンキー女神っ!

 場外から煽るんじゃないっ!


「ヒカリ様ぁ!バラバラになったパーツは拾って差し上げますのでご安心をー!ですわぁっ」


 ちょっとペリメール様までっ!?

 全く新婚バカップルは二人とも浮かれすぎですよー!



「さあ、どうするのヒカリちゃんっ!

 自爆るのっ?自爆らないのっ?」


 なんとラーフィアちゃんまで煽ってくるですよっ!

 こんなコトになるなら、言うんじゃなかったうごおおおおっ!

 ビビらせて退かせる作戦は大失敗!


 だがしかし!

 言い出しっぺが尻尾を巻いて退散するワケにはいかにゃいっ!

 ここは男のの根性を魅せる時ですよー!


「わかったよラーフィアちゃんっ!ボクの本気をっ!受け取って下さいましっ!」


 しゅぱ!っと腕を前に突きだし呪文的なものを唱えますよ!


「ラリラリルレルレラリルレ美っ!

 全てをごっそりなぎ払う!

 ルレ美の想いを受け取ってっ♡

 この世が焦土と化そうともっ!

 あなたと私は一心同体っ♡」


 うおお、こっぱずかしいっ!

 でもやるしかないっ!


 きゅわあああん!っと、なんか謎の高回転音が俺の中から響いてくる!

 ナニかが高まってるような、なんかまあそんなカンジです!



「おほー!ドカンとぶちかましてみろや、ヒカリぃー!」


「あっ!?フィルフィーさんったらっ♡」


 フィルフィーはペリメール様の細い腰をぐいっと抱き寄せて、なんか謎の障壁バリヤーで守っちゃってますよ。

 なーんか王子様っぽいですよー!

 どっちが妻かわかんなかったけど、やっぱりペリメール様が妻なんですかねっ。



「いくよラーフィアちゃんっ!ラリラリっ!ルレ美っ、バスタァァァーッッ!」



 カッッ!! ズドオオオオオンッ!


 目も眩む閃光と爆音と共に、ラリラリルレ美の必殺技『ルレ美バスター』がバトルフィールドに炸裂っ!!


「「「きゃああああっ!?」」」


 カシマシ三人娘の悲鳴が重なって、そのまま爆風で吹っ飛ばされたっ!


 そんでもって、俺は8つのパーツにバラバラにっ!


 あ、ペリメール様ぁ。あと、フィルフィーぃ。

 バラバラになった身体パーツの回収、お願いしまーす。



           ◇



 ラーフィアちゃん達との戦いは終わった。


 俺は。イヤ、ラリラリルレ美は。

 カシマシ三人娘に勝利した。

 って言うか、自爆で共倒れなんだから引き分けかな?

 文字通り自爆して8つのパーツにバラバラになっちゃった。


 普通の自爆なら本人お亡くなりなんだけども、だがしかし。

 ラリラリルレ美の必殺技『ルレ美バスター』は身体がバラバラになっても、パーツが全て揃っていればちゃんと復活出来るのです。


 元の世界でも、こんなとんでもない必殺技持ってる美少女キャラなんて見たコトない!


 ただ一つの難点は、自爆しちゃうと自分では元に戻れないトコロなのですよ。

 その辺はちょっとポンコツで親近感が湧きますよ!


 

「あー、あったあった。渡すぞペリ子っ。ほらよっと」


「ちょっ!?フィルフィーっ!?」


 フィルフィーが見つけてくれてポイッとペリメール様に放り投げたのは、俺の頭部。


 こらっ、俺のアタマはボールじゃないぞヤンキー女神っ。

 

「はーいっ。ナイスキャッチぃっ、ですわっ」


 ぼにょん、と俺のアタマを抱き締めるようにキャッチするペリメール様っ。

 うおお、ぷにょふわなオパイに埋もれますよ俺の顔っ!

 やわこくてぷるぷるの感触は久々ですよー! 

 ムハー!


「あっ!こらヒカリぃっ!

 ペリ子のおっぱいはあたしのだからなっ!

 ゲスい顔するなっ!」


「私のおっぱいは私のですわっ。でも、妬いてくれてウレシイですわっ♡」


 あー。もー、新婚バカップルさんったらもー。こっちが妬けちゃいますよー。



 その後も吹っ飛んだ手足を二人に回収してもらい。


「これが最後のパーツですわっ。それじゃあ、超絶合体っ!ですわあっ!」 

 

 ペリメール様が俺のアタマをルレ美のボディに合体させるとっ!


 しゃきーん!ってな音と共に復活しましたよー!


「ラリラリルレ美っ!ここに復活っ!」


 右手の人差し指を天に向ける復活のポーズを再現です!

 うーん、バカっぽいっ!

 でもやってる本人、大真面目っ。


 アタマから生えてた二振りの刀はラーフィアちゃんの元に戻ったみたいだな。

 ツノっぽくってカッコ良かったけど、首への負担がハンパ無かったからなー。

 物理的にアタマが軽いコトは良いことですよ!

 

「ペリメール様っ、ラーフィアちゃん達はどうなったんですかっ?」


「ダークエルフの方がお運びになられましたですわっ。三人共、大きな怪我はありませんでしたからご安心下さい、ですわっ」

 

 さすが元魔王とその側近!

 大きな怪我が無いって聞いて一安心ですよ。


「ヒカリも無事に復活したコトだし、ラフィーんとこに行くかっ。負けたラフィーに、あたしから大爆笑をプレゼントしてやるぜっ!」


 なぬっ!大爆笑だとっ!?

 ラーフィアちゃんがまた怒っちゃうだろっ!

 余計な煽りをぶっこむんじゃないぞトラブル女神っ!

 

「フィルフィーさんたらもうっ!そんなコトしたら、もうチューしませんっ!ですわっ」


「えっ!? しゃーねーなあ……わーったよっ」


 またですか。

 ペリメール様の『チューしません』には相当の抑止力があるみたいですよー。

 新婚バカップルはイチャこらと仲良きで妬けちゃいますよっ。

 

           ◇


 俺は男のver.2の姿に戻り、フィルフィーとペリメール様も一緒に医務室のカシマシ三人娘とご対面。


 広い医務室には5つのベッド。そこに静かに横になってる三人が。


 まだ寝てるっぽいかな?


 絆創膏を貼られたり包帯を巻かれてたりするけど、骨折とか大きな怪我は無いみたい。

 とりあえず、ほっ。


 医務室の窓から爽やかな風が入ってくる。


 さっきまでの戦いがウソみたいだ。

 眠ってるラーフィアちゃんの側に立つと、すうすうと穏やかな寝息が聞こえる。


 ラーフィアちゃんの寝顔って、カワイイなー。

 天使みたいな寝顔ってこういうのを言うのかな。

 フィルフィーなんて、時々イビキかきつつ白目むいて寝てる時があるからなー。



「ん……ん……?」


「あっ、気がつきましたわっ、ですわっ」

「ラーフィアちゃんっ」


「ん……お姉ちゃん?ヒカリちゃんも……私、ルレ美と戦って……」


 衝撃が強すぎたのか記憶がちょっと曖昧みたいだな。ダイジョブかな?


「お前はヒカリに負けたんだよ、ラフィー」


「えっ……フィルフィー……?」


 フィルフィーったら、敗れたラーフィアちゃんに大爆笑をプレゼントしなかったのはイイとしても、ストレート過ぎやしないかなっ。


「そっか……私、ルレ美になったヒカリちゃんに負けたんだ……」


 すーん、と肩を落とすラーフィアちゃん。

 でも、その表情は清々しい。


「なんかスッキリした顔してるな、ラフィー。つまんねえなー。もっと悔しがるかと思ってたのになー」


 んー?

 そういうフィルフィーも、どこか晴れやかな表情なのはなんでかな?

 

「ラーフィアちゃんっ、どこか痛むとかないのっ?気分悪いとかお腹痛いとかっ?」


 俺は身を乗り出してラーフィアちゃんの顔を覗き込んで聞いてみた。

 そしたらラーフィアちゃんは。


「えっ?あのっ、うんっ、ダイジョブですっ。あのっ、近いようっヒカリちゃんっ」


 あらら、ラーフィアちゃんたら顔を真っ赤にしちゃいましたよっ。

 そんなに近かったかなっ?

 男の娘ver.2は、ラーフィアちゃんのどストライクのようですよ!

 とりあえず、ホントに身体は無事みたいだな。



「あのね、ヒカリちゃん。負けたのは悔しいけど……相手がヒカリちゃんだったから……だから、なんだか嬉しいの」


 えっ? 嬉しいの?

 戦う前も嬉しそうだったけどもっ。

 うむむ、オトメゴコロは謎ですよっ。

 

「あっ! レイルとフェイリアはっ?」


「側近のお二方も無事ですから、ご安心下さい、ですわっ」


「そっか……良かった……」 


 隣のベッドに寝てる二人の姿を見て安心した表情のラーフィアちゃん。

 やっぱり、仲間想いのいい娘ですよー。

 


「なー、ハラ減ったからメシにしようぜっ!」


 突然ナニを言い出すんじゃい腹ペコ女神っ。

 まあ確かに、お腹が空く時間帯ではあるけどもっ。


「そうですねっ、ですわっ。みんなでランチタイムにしましょうっ、ですわっ♪」


 おっと、フィルフィーの提案にペリメール様が乗ってきましたよ?

 新婚女神の二人はなんだか楽しそうですよー!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る