究極の二択 《フィル×ペリは敷地内のアトラクションを堪能中》

「それでは!ヒカリちゃんがオトコかどうか!確かめさせていただきますっ!」


 そう言うと同時に右腕を水平に、すぱっ!と振るとなんとっ!


 しゅわわわあっ!ぶわあっ!


 と、ド派手なスモークエフェクトの後、ふわあっと煙が晴れて現れたのは!


 ピンク基調ベースだった女の子の部屋が、一瞬で殺風景な石畳の大広間に早変わり!

 なんかオドロオドロしいローソクがいっぱいあって、いかにもこれぞ魔王が鎮座まします広間です!ってカンジの殺風景な石畳の大広間!

 ちゃんと玉座までありますよ、もちろん肘掛け付きですよ!


 さらに、ラーフィアちゃんの衣装がチェンジ!

 バイト先でモニター越しに見た、あの時の衣装!

 えっちっちな割りにはオパイの膨らみが無いもんだから、店のお客に『男のじゃねえの?』って言われて俺も一瞬ギワクっちゃった、あの衣装コスチュームですよー!!

 

 実際に生で見るとちょっと、イヤかなりエロス!ハイレグ度合いがマシマシで、長い脚がさらに長く見える!

 ボンテージの黒と長い銀髪のコントラストが美しいです!

 ハイヒールはイイとして、蝶のカタチのアイマスクって必要なんですかねっ?


 さらにさらにっ!


「成長した私の翼を見せてあげるよ、ヒカリちゃん!はっ!」


 かけ声と同時に、ぶわさあっ!と広げたラーフィアちゃんの『漆黒の翼』が!

 なななんとっ!

 翼が増えてる!初めて見た時は二枚だった翼が今は六枚!

 魔王になるだけあって、めっちゃパワーアップしてますよラーフィアちゃん!

 六枚の漆黒の翼を持つ美しき銀髪魔王!百合娘ゆりっこだけど!

 

 さらにさらにさらにっ!


武器召喚サモンウェポン!出でよ、白月!黒月!」


 ぱん!と手を打ち鳴らしてゆっくりと開き、にゅるーりと出現させたのは!

 二振りの浮遊刀!

 1年前、ちょっとだけ俺に貸してくれたあの浮遊刀ですよ!

 浮遊刀はラーフィアちゃんの左右の肩辺りにふわふわ浮いてスタンバイ!

 カッコいい!

 フィギュア化したら、観賞用と保存用と保存用の保存用の3つがゼッタイ欲しいヤツですよー!

 はっ!

 まままっまさかっ!その浮遊刀でチュンするつもりなのデスカっ!?


「白月と黒月の切れ味はバツグンだから痛みなんて感じさせないよっ!大丈夫だよヒカリちゃんっ!」


 切れ味はバツグン。

 なるほど大丈夫。

 じゃ無いっ!

 二振りの浮遊刀のスゴさを俺自身が操って体験しちゃってますからねっ!

 全然、大丈夫じゃないですようごおおおおっ!


 こここっ、ここはっ!

 なんとしても、お着替えガチャスキルで回避しなければっ!


「こっ!この1年っ!ボクだっていろいろ学んだんだよ、ラーフィアちゃんっ!」


「ふうん?何か変わったの?おっぱいは大きくなったよねっ」


 オパイの話題からは離れてくれませんかねラーフィアちゃんっ!


 お着替えガチャで変身する時に強くイメージすれば出したい衣装が出る確率が高くなる!

 実際にバスケのユニフォームとか出したコトあったし、あれからひっそりこっそり特訓してたりしたのですよ!

 一日三回しかお着替えガチャれないけど!


 この1年で俺は学んだのですよ!

 お着替えガチャスキルでSSランクの強さを誇る衣装は何なのか、と!

 そして出た答えが、この二人のキャラクター!

 この世界のアニヲタ特撮ヲタなら、まず知らない人はいない傑作!

『愛の大魔王天使ラジカルラミィ』そしてっ!

『超絶合体ラリラリルレ美』!


 ルレ美は特撮ですけどねっ!アニメのラミィと比較されるコトが多いのですよ!


 激レアSSランクのラミィやルレ美を、お着替えガチャで出す為にっ!

 アニメ全話観たり、衣装の設定調べたりしたのですよー!

 しょーもないなんて言わせませんよっ!

 最強を知る、それすなわち!

 最強に近付けるってコトなのですよー!

 たぶんね!


 ここはちょっと、ラーフィアちゃんに『禁断の問い』をぶっこんでみるですよ!


「ラーフィアちゃんは、ラジカルラミィとラリラリルレ美、どっちが強いと思いますかっ?」


「それはっ……禁断のっ!『究極の二択』だね、ヒカリちゃんっ!」


 そうなんです!

 この世界のアニヲタ、特撮ヲタの間で論争が巻き起こるくらいの人気キャラの『どっちが強い?』問題!

 意外とアニメ好きなラーフィアちゃんがこの質問に食いつかないハズは無いっ!

 魔王がこんなパープーな質問に答えてくれるかわかんないけど!


「私はラリラリルレ美の方が強いって思ってるよ、ヒカリちゃんっ」


 答えるのっ!?

 魔王と言えどもヲタには変わり無いんですねラーフィアちゃん!

 ここは、いっちょハッタリですよ!

 チュンされない為には手段を選んでなんていられません!


「ボクはね、ラーフィアちゃんっ!ラリラリルレ美に変身出来るようになったんだよっ!ラーフィアちゃんは、ルレ美に勝てるのかなっ!?」


 お着替えガチャでラリラリルレ美に変身できればっ!

 ラーフィアちゃんと対等に戦えるかもしれないような気がしないでもないっ!

 ルレ美を出せるかどうかもわかんないけど!


「正直、ルレ美に勝てるかどうかはわかんないよヒカリちゃん。でも見たいっ!めっちゃ見たいよヒカリちゃんのラリラリルレ美コス!」


 よし食いついたっ!


「でもねヒカリちゃんっ!私は無慈悲な魔王なの!そうやすやすと変身なんてさせませんよっ!はっ!」


 しゅぱあっ!

 

 ラーフィアちゃんが右手を水平にを振ると、白い輪っかが現れて俺に向かって飛んできたっ!

 しゅっ!と横っ飛びで素早く避ける俺っ!

 そのくらいは出来るようになったのです!バイトで鍛えた足腰を甘く見てはイケマセンヨっ!


 ところがですよ!


 ぱちんっ、という音と共に!

 ラーフィアちゃんが放った白い輪っかが俺の両手首に絡み付いたっ!


 アレっ?


 捕まったっ?


 あまりにもあっさりと、お着替えガチャさせてもらえずに!

 いとも簡単に捕まっちゃったっ!

 マジかっ!


 俺の両手首を捕えた白い輪っかがゆっくりと上昇していくっ。

 これはっ!

  ゲーセンのクレーンゲームみたいなアレですよ!

 ぷらぷらぷらりとぶら下げられる男のっ!

 お着替えガチャスキルを発動させるには右腕を振り挙げる動作が必要なのにっ!

 あっさり封じられちゃった!


 かろうじてつま先立ちになってるけど、全然チカラが入らない!

 両手首を縛られてぷらーんと吊し上げです!

 まるで無防備になっちゃいましたよー!

 短い足をパタパタするしか出来ませんよー!

 攻撃力なんてゼロですよー!


 これじゃあ、ただのポンコツザコな男のです!


「いい格好ね、ヒカリちゃんっ。えっちな魔王に吊し上げられる美少女シチュっ!これはこれでムラムラするよねっ!つんつんっとつま先立ちなのが萌えポイントだよねっ!」


 ラーフィアちゃんっ!?フェチとSっ気がマシマシになってやしませんかねっ!?


「いくよヒカリちゃんっ。今こそ真実をっ!確かめさせていただきますっ!はっ!」


 かけ声と同時に右手を振り下ろすラーフィアちゃん!

 するとなんとっ!


 ずるうっ!


「やあっ!?」


 手も触れずに足首まで勢いく、一気におパンツ下ろされたあっ!

 脱がされちゃったよ男のっ!

 だがしかし!

 股間の黒光くろびかりスキルとスカートのおかげでコヒカリ君はさらされて無い!

 俺のコヒカリ君をどうやって確かめるんですかねラーフィアちゃんっ!

 まさかオサワリしちゃうんデスカネっ!?


「ふふっ……ヒカリちゃんは私のもの。その脱ぎたてパンティーも私のモノ。ね?」


 ね?

 ってなんですかラーフィアちゃんっ!?


「……クロジョで黒竜王と戦った後だったっけ。ラミィちゃんのホットパンツ、フィルフィーにずり下ろされちゃったんだよね」

 

「らっ、ラーフィアちゃんっ!?」


 目がっ!なんだかつやっぽいんですけどっ!?

 心なしか息遣いが荒くなってるようなっ!?


「あの時ね、スキルオフっていう幻視系を無効化するスキルでヒカリちゃんのを『見た』ってがいたの」


 ええもうしっかり覚えてますよ、教室で聞いたのですよ、昨日のコトのように覚えてますよー!

 その後、すぐにクロジョを追放されちゃいましたからねっ!

 誰にもサヨナラも言えないままだったから、ハッキリくっきり明確に覚えてますよー!


「今、そのは私の部下なの。フェイリア、って女の子だよ」


 フェイリア?

 あ!バイト先のモニター越しに見た、おっとりした喋り方のあの娘かなっ?

 むちむちぷりりんでエッチなカッコしてたから覚えてますよ!


「私が言うのもアレだけど、あの娘はヘンタイだから。あの娘に任せるくらいなら私の目で確かめて、私の手でヒカリちゃんのをチュンしてあげる」


 ななななんですとおっ!?


 ラーフィアちゃんがすうっと手をあげると!

 スカートがっ!

 ゴスロリメイド服ver.2のスカートがあっ!

 ぺろーんと捲れ上がったあっ!

 スースーしますよコヒカリ君と股間の双子ツインズがっ!


 だがしかし!まだ大丈夫です!

 股間の黒光くろびかりでコヒカリ君は見えないハズ!


 と、思いきやっ!


「スキルオフ」


 ラーフィアちゃんからまさかの一言っ!

 幻視系スキルを無効にするスキル発動でっ!

 ラーフィアちゃんが俺の股間をガン見ですよー!


 魔王となったラーフィアちゃんにっ!


 めっちゃ股間を見られてますようごおおおおっ!


           ◇


《 一方その頃。ヒカリが貸したフリーパスで魔王城の敷地内を堪能中のフィルフィーとペリメール 》


「あ!次、アレ乗ろうぜアレ!ペリ子と一緒に乗ってみたかったんだよなー!」


「えっ?かかかか観覧車にわわわわ私とっ!?」


 あの観覧車はっ!

 恋人達の輪舞曲ロンドという別名があるのですわっ!

 フィルフィーさんは知ってて言っているのかしらっ、ですわっ。


「再生の仕事してる時にチラチラ見えててさー。乗りてーなって思ってたんだよなー。あたしとじゃイヤか?」


「えっ!?そんなっ、イヤじゃありませんっ、ですわっ」


「じゃー行こうぜっ!」


「えっ!あっ!はいっですわっ」


 はわわっ!てててて手をっ!

 どうして手を繋ぐのですかっ、ですわっ!

 なんだかドキドキしちゃいますですわー!


「どした?顔赤いぞー?」


「はわっ!?にゃにゃにゃにゃんでもごじゃりませぬですわっっ」


「ペリ子の手はやわこくてキモチいいなっ。ずっと握ってたいぜっ」


「ほえあっ!?そそそそそうでしゅかっ!?」


 ずっと、って!ずっとってどういう意味でしゅかっ?ですわっ!

 今日のフィルフィーしゃんは積極的でドキドキさせられちゃいますですわー!

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