対決!男の娘勇者ヒカリvs百合娘魔王ラーフィア!
取り残されたよ男の
魔王の私室に二人きり!
ギャルゲとかエロゲだったら、17歳の男女が彼女の部屋に二人きりシチュですがっ!
ラーフィアちゃんは
それに加えて、今の俺達は『勇者』と『魔王』!
男の
いきなりのラスボスとのご対面ですよ妄想勇者!
ととっ!とりあえずっ!
お話をっ!なにかお話をしなければっ!
「らっ、ラーフィアちゃんっ!髪の毛伸ばしてるんだねっ。スゴくキレイで似合ってマスっ」
「あ……うん。ヒカリちゃんも伸ばしてるんだね。ゆるふわでカワイイよっ。
あのね、今日は……来てくれてありがとうね、ヒカリちゃん。お姉ちゃんはともかくフィルフィーまで来るとは思ってなかったけど……」
「えっ!?あ、うん。そのっ。チケットは3名様まで入場可能ってなってたから……」
「……うん、そうだったね」
「えっと……うん」
しーん。
沈黙っ!謎の沈黙の時間帯に突入ですよ!
これはっ!
ギャルゲとかエロゲだったら、自然と二人の距離が縮まってチューとかのシチュになってもおかしくないような気がしないでもないですがっ!
1年以上離ればなれで音信不通だったもんだから、気まずさがハンパないっ!
いったいどうする男の
「……あの、ね」
先に口を開いたのはラーフィアちゃん!
おおう、ドッキドキですよー!
「手紙にも書いたけど……会いたかった……会いたかったよ、ヒカリちゃん。ヒカリちゃんは、私に会いたいって思ってくれてたのかな……?」
「えっ?あのっ……ボクは……っ!ボクも会いたい、って……」
これはっ!
今こそ言うべきなのではっ!?
言わないまま、言えないままでラーフィアちゃんと離ればなれになっちゃたんだから仕方ないと言えばそうだけどっ!
いくらラーフィアちゃんが勘違いしてたとは言え!
男だってコトを隠してたのは俺の方なんだから!
今こそ!
勇気を振り絞る時!
「ラーフィアちゃんっ!ボクはっ!こんな格好してるけどっ!」
ゴスロリメイド服ver.2の胸を張る俺っ!
今こそ真実をっ!
「本当は男なんだよっ」
思いきって告白すると同時にっ!
ぷちんっ。
と、胸のボタンが弾け飛んだっ!
ボタンはそのままラーフィアちゃんの目の前にこんころりんと転がってったっ!
マジかっ!こんなコトってあるのかっ!
このブラウス、胸周りがちょっとキツイなー、って思ってはいたけどもっ。
まさかのボタン飛ばしですよ、男の
フィルフィーとかペリメール様ならともかく、俺ぐらいの大きさでも出来ちゃうんですねビックリです!
ハジけたボタンを見てラーフィアちゃんはフリーズ!
「『大きく……なったんだね……ヒカリちゃん』」
イケボっ!クールでダンディーなイケてるボイスっ!久々に聞いたよラーフィアちゃんっ!
迫力ある重低音の効いたイケボは魔王としての貫禄は充分ですがっ!
床に落ちたボタンからゆっくりと視線をずらして、ラーフィアちゃんは俺の
「『何カップになったの?』」
「えっ?あの……Eカップ、です」
「『へー。指折り数えて5番目だね。ふーん。そうなんだー』」
指折り数えてとは言うものの、ラーフィアちゃんは指折り数えてないですよ。Eが5番目と既にインプットされてるみたいです。
イヤまあ、ね。些細なコトなんですけどねっ。
「『私はAカップです』」
「えっ?
なんつってね!
だがしかし!
渾身のさっぶいダジャレにラーフィアちゃんはピクリとも動きませんよ!
「『私はAカップデス』」
「えっ?あ、うん……」
「『私はAカップ、DEATH』」
ナゼに同じ言葉を繰り返すのデスカっ!?
デスがDEATHに聞こえるのは気のせいデスかっ?
うおお、コワイっ!
ラーフィアちゃんのツヤサラ銀髪がっ!
アニメとかゲームに出てくる
「…………」
沈黙したまま俺の
沈黙は力なりって誰かが言ってたような、言ってなかったようなっ!
無言の圧力ってヤツが、ちみっこい俺をプチっと押し潰しにかかってますよー!
俺はいったいどうすれば良いのデスカネっ!?
〖 ラーフィアの脳内思考 〗
ヒカリちゃんがEカップっ!?
触りたいっ!吸いたいっ!揉みしだきたいっ!
顔を埋めて
魔王なんていう立場じゃ無ければっ!
今すぐ飛び付いてしっちゃかめっちゃかしたいよヒカリちゃんっ!
ああ、もう、なんで私は魔王なのっ?
ヒカリちゃんのおっぱいをガン見するコトしかできないヘタレ魔王なのっ?
イヤそんなコトは無いっ!
私は!ラーフィア=リンデルは!
ヒカリちゃんの全てを!真実を知って!
ヒカリちゃんと結ばれるの!
今こそヒカリちゃんを我がものにっ!
「あのね、ヒカリちゃん……」
フリーズから解凍したよラーフィアちゃんっ。
ユラユラうごめく長い銀髪が美しくもあり、恐怖でもありますよー!
「ヒカリちゃんがオトコだなんて……そんなのウソだよね?私と別れたいからそんなコト言うんだよね?」
「うっ、ウソなんかじゃないよっ!ラーフィアちゃんっ」
「じゃあナニ?私はオトコが穿いたパンティーを穿いたり被ったり、袋に入れて深呼吸したりしてたワケ?
ヒカリちゃんから貰ったパンティーが私に残された唯一無二の希望っだったんだよ!?」
え!?
それ間違ってないですかラーフィアちゃんっ!?
「毎晩毎晩!ヒカリちゃんから貰ったパンティーを穿いたり被ったり、袋に入れて深呼吸したりして自分を慰めていたんだよっ!」
マジですかラーフィアちゃん!おパンツの使い方間違ってますよっ!
「そっ!それ、おかしいよラーフィアちゃんっ!」
「だって!他にどんな使い道があるっていうの!?そうするしかないじゃない!」
違いますよラーフィアちゃん!
おパンツは下着として穿く物であって、アタマに被ったり袋に入れて深呼吸するモノではないですよー!
冗談かと思ってたのに、ホントにそんなコトしてたのかっ!
ラーフィアちゃんのおパンツフェチは尋常じゃないですよっ。
「男だって言えなかったのはっ!チュンされるのが怖かったからなんだよラーフィアちゃん!」
「……オトコがおっぱい大きくなるなんて聞いたコト無いよヒカリちゃん。やっぱり、この目で確かめないと信じられない。
もし
うおお、やっぱりチュンされる方向なんですねっ!巨大じゃなくてもチュンされるんデスカネっ?!
でも、俺の
異世界だから、って一言で片付けられちゃったらそれまでなんだけどっ!
「私のヒカリちゃんへの気持ちは1年前と変わってない。ううん、それ以上だと思う」
「あのっ、ラーフィアちゃんは……そのっ。なんでそこまでボクのコトを好きになってくれたのっ?」
「そんなのっ。一目惚れだよっ!好きになるのに理由なんて無い!強いて言うなら、カワイイからだよ!
ヒカリちゃんがどんなにパープーでも、ぱっぱらぱーでも可愛いければそれでいいのっ!」
俺ったらヒドイ言われようですよ!
まあ、パープーなのは否定しませんがねっ!
一目惚れって言われるのはウレシイけど、可愛いければそれでいいって、それでいいんですかねっ!?
「ヒカリちゃんはどうなのっ?私のコトっ、好きって言ってくれたのはウソだったのっ!?」
「うっ、ウソじゃないようっ!」
確かにウソでは無いですよ!
再会してハッキリわかりましたよっ!
俺はラーフィアちゃんのツヤサラ銀髪が!
拗ねた顔がっ!
明るい笑顔がっ!
照れ臭そうにもじもじする仕草がっ!
優しい気遣い出来るトコロがっ!
とっても大好きですよ!
「でも、今のラーフィアちゃんはっ!ボクの知ってるラーフィアちゃんじゃ無いような気がするんだようっ」
「それは、私が魔王になったから?無慈悲にチュンしまくってるから……?」
「その両方だと思う……よ」
「私は魔王になったの!後戻りなんて出来ないの!私の快進撃を止めたければ、私を倒すしかないんだよヒカリちゃん!」
びしい!っと俺を指差すラーフィアちゃん!
「いや!『妄想勇者』コウダヒカリっ!」
とっても緊迫した場面なのに、なーんか締まりが無いような気がするのは『妄想勇者』のせいですよ!
言ったラーフィアちゃんが『?』ってカンジで、
「……つかぬコトをお訊きしますがヒカリちゃん」
「はいっ?」
「妄想勇者ってナニ?」
「あっ、えっとっ、そのっ。勇者事務所にボクのデータを入力したらコレになっちゃったのデス……」
「ヒカリちゃんが妄想勇者って肩書きになったっていうのは、部下に調べてもらって知ったんだけど……そっか……ヒカリちゃん
ん?今、
ラーフィアちゃんも妄想好きなのかなっ?
「妄想の話は後回し!ヒカリちゃんがホントにオトコかどうかっ!
今まではキモいから見ないでチュンしてたけど、今日は!今日だけはっ!
ヒカリちゃんに巨大で臭くてグロくてキモいアレが付いてるのかどうか!
確かめさせてもらうよ、ヒカリちゃんっ!」
今まで見ないでチュンしてたっ?
銀髪美少女ラーフィアちゃんに見てすらもらえずチュンされるなんてっ!
それはそれでチュンされちゃったヒトがお気の毒なような気がしないでもないですよー!
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