反撃開始!?
戦いのゴングが鳴るとほぼ同時!
初手でいきなり黒い炎、ブラックドラゴンブレスを吐く黒竜王!
咄嗟に両手を前に出しはしたものの、目の前が真っ暗になり視界ゼロ!
嫁にするとか言ってたから殺す気は無いのかと思いきやですよ!
あっ、死んだっ!?
俺、死んだっ!?
俺っ!一瞬で消し炭にっ!?
センセエ、さようなら……
みなさん、サヨウナラ……
……?
……ん?
アレ?死んだら魂消滅って言ってたよな……
この感覚……この感覚って……
生きてる?
一瞬の静寂。
俺の視界を遮ってた黒い煙がすうっと流れて消えていく。
そしてっ!
『なあんとおっ!耐えた耐えましたっ!我らがヒカリちゃんは全くのノーダメージ!
ラジカルラミィの衣装はただのコスプレ衣装では無いようです!
やっぱりラジカルラミィは最強というコトでしょうかあっ!素晴らしい!素晴らしいですよヒカリちゃあんっ!』
実況のワタナベさんがコーフンする声で、はっ!と我に返り自分の身体を確認するとっ!
無傷!俺、無傷です!
ヒラヒラフリル衣装どころか、オモチャみたいなステッキも髪の毛の一本すら焦げてない!
ナニこの防御力!?
SUGEEEEE!!
「っしゃー!よく耐えたなヒカリぃ!やっぱラミィは最強!いやっはー!」
「ヒカリ様ぁ!ステキですわあっ!頑張れー!ですわあっ!」
フィルフィーはコブシを握って天高く突き上げ大喜び!ペリメール様も胸の前で手を組んで応援してくれてます!
「やるな俺の嫁ヒカリよ!俺の嫁になるからには、この程度の攻撃は防いで当然っ!
それだけ強い身体ならば俺の子供をパカスカ産んでくれるコト間違いナシだなっ!
ぬはっ!ぬはっ!ぬはははははっ!」
子供っ!?子供なんて産めませんて!
ボク、ホントは男なんですよって、さっき耳打ちしたのに!
何を聞いてたんじゃい黒竜王っ!
もしかしておバカさんなのかっ?
あと、ぬはぬはウルサイ!
『コスプレ衣装も全くのノーダメージ!スゴいスゴすぎますっ!さてさてそれではっ!我らがヒカリちゃんはどういった攻撃を見せてくれるのでしょうかあっ!?』
えっ!?攻撃っ!?
ナニしたらいいかわかんないんですけどっ!
「ふぃっ!フィルフィーっ!ラミィの攻撃ってどんなのがあるのっ!?」
「あん!?そんなコトも知らねーのかっ!?
ったくしょーがねーなぁっ」
さっき『ヒカリはラミィ知らねーんだっけか』とか言っといてコレですよっ!
面倒臭そうにするないっヤンキー女神っ!
「よく聞いとけよっ!
ラジカルパンチ、ラジカルキック、必殺技はラミィキャンディーハンマーアタックパンチ!だっ!」
パンチとキックはイイとしてっ、ラミィキャンディーハンマーアタックパンチ!ってハンマーなのにパンチなのっ?
「それっ!どうやるのっ?ラジカルパンチってどんななのっ?」
「ああん!?グダグダうるせえっ!
とりあえず技の名前叫びながら殴りかかってきゃいーんだよっ!」
失格!
セコンド失格ですよヤンキー女神っ!
何のアドバイスにもなってない!
「さあ来いっ!俺の嫁ヒカリよっ!お前の愛を!受け止めてやるぞっ!」
なんだか嬉しそうですよ黒竜王!
これはもう、やるしかないっ!
せっかくのSSレアの強さを!今ここで出さなきゃ意味が無いっ!
とりあえずっ!ラジカルパンチを打ってみようっ!
左手に持ってる魔法のステッキは全くの無意味ですよ!
とてとてとてっと黒竜王に走りこんでっ!
「らっ!ラジカルパーンチっ!うにゃああああっ!」
ハズいっ!
見た事も無いアニメのコスプレ衣装でナニ言ってるんだ俺っ!
ボクシングとかやったコト無いから、正しいパンチの出し方とかもテキトーです!
だがしかし!
ッドゴオオオオオオオオンッ!
「ぐわあああああっ!?」
え!?
ヘロヘロ~なパンチが黒竜王に当たった瞬間、コブシの先が大爆発!
宙に浮いて吹っ飛ぶ黒竜王!
対角コーナーまで吹っ飛んで激しく身体を強打したっ!
なんだこの威力!
SUGEEEEE!YABEEEE!
『おぉっとぉっ!いつ攻撃したんでしょうかあっ!?見えなかった!ヒカリちゃんの攻撃は見えませんでしたよおーっ!
凄まじい爆音と共に黒竜王が対角コーナーまで吹っ飛びましたあっ!なぁんという攻撃力なんでしょうっ!』
えっ!?そうなのっ?
実況で言ったようなスゴい感覚なんてゼロだったんですけどっ!
尋常ならざる超スピードの爆速パンチ!
ってコトですかあっ!?
意味が被ってるけどまあそんなカンジです!
「やっ、やるにゃ俺の嫁ヒカリよっ!
だがっ!こにょ程度の攻撃はたた耐えて当然っ!お前の夫ににゃるかりゃにはっ!たた耐えて当然にゃっ!」
ろれつが回ってませんよ黒竜王っ。にゃって言っちゃいましたよ!
たった一撃で膝がカックカクしちゃってますよー!
俺の体感的にはへろへろ~なパンチだったのに、実際には超スピードだったみたいです!
黒い炎をも防ぐ超絶的な防御力に加え!
一撃で黒竜王の膝をカクカクさせちゃう攻撃力!
これはっ!
ばっさばっさと羽ばたいて逃げてった勝機が戻って来た!?
何日も戻って来なかった伝書鳩がズタボロになりながらも戻ってきた時のような感動と感激!
伝書鳩なんて飼ったコト無いからわかんないけど、まあそんなカンジです!
『目にも止まらない速さのヒカリちゃんの攻撃で黒竜王の膝がガクガク笑ってます!大爆笑です!これは次の一撃で決着がついてしまうのではないでしょうかあっ!?』
なぬっ!?そうなんですか実況のワタナベさんっ?そんなコト言われたら、俺っ、チョーシに乗っちゃいますよー!
「こっ!黒竜王スズキさんっ!トドメをささせていただきますよおっ!
ラジカルっパーンチっ!うにゃああああっ!」
とてとてとてっと走りこみ!
再びのラジカルパンチをお見舞いです!
ところがっ!
ぺち。
黒竜王にクリティカルダメージを与えた最初の一撃の百分の一、いや、千分の一、いやいや一万分の一、いやいやいや、それ以下のゴミパンチ。
これはっ!
現在の俺の実力パンチなのではっ!?
「ナニやってんだよ、技は順番に出さねーと効かねーぞヒカリぃ」
なぬっ!?
順番にっ!ってコトは次に出す技はラジカルキックってコトかっ!
ていうか、そういう大事なコトは先に言わないとダメでしょうがヤンキー女神っ!
「俺の嫁ヒカリよっ!今度は俺の番だっ!」
へろへろパンチを繰り出した俺の右手をがしっと掴み、軽々と持ち上げる黒竜王っ!
体重41キロあるのにペットボトルでも持ってるようなカンジですよ!
「やあっ!はにゃっ!はにゃしてっ」
ぱたぱたと暴れる俺ですが!黒竜王はピクリともしませんよー!
「間近で見るとやはり超絶カワイイな俺の嫁よっ!」
ぷらーんと片手でぶら下げられる俺に、黒竜王の右手がするうっと伸びてっ!
つんっ。
と!なんとっ!
おっ!オパイつつかれたっ!
「きゃあっ!にゃにゃにゃっ!にゃにしゅるんでしゅかあああっ!」
『おおっと!なんとっ!黒竜王のセクハラ攻撃!なんてハレンチなんでしょうかあっ!
これは精神的ダメージが大きいっ!ですがたった今!黒竜王はクロジョの全生徒を敵に回したと言っても過言では無いですよおっ!』
今のが攻撃だったのかっ!?
痛くも痒くもナイけどもっ!
オパイっ!オパイつつかれたっ!
いやーん!
って違うっ!
男にオパイつつかれたっ!
きっ!
キモい!キモいキモいキモいキモいキモい!
キショいっ!キショいキショいキショいっキショいキショいっ!
同性にっ!オトコにオパイつつかれたああっ!
全身に悪寒が走るうっ!
トリハダ立ったようっ!
「『スうぅズうぅキいいいぃぃぃッ!』」
これはっ!
ラーフィアちゃんのイケボっ!離れた校舎にいるハズなのに聞こえてくるよ!
フィルフィーのチューの時より重低音がハンパなくスゴいんですけどっ!
「『私のヒカリちゃんをぉっ!よくも汚してくれたわね黒竜王ぉぉっ!キサマは○○す!絶対コ○す!アレをチョン切って晒す!チョン切ってあら塩すりこんでやるから覚悟しておきなさあああいっ!』」
ラーフィアちゃん。
落ち着いて、ラーフィアちゃん。
全校生徒がドン引いてシーンと静まり返っちゃってますよ!
魔王の片鱗のエキスがだだもれですよラーフィアちゃんっ!
「いいっ……いいおっぱいだっ、俺の嫁っ!小ぶりだがハリがあり、ほどよい弾力っ!控えめに言って最高っ!だっ!」
ラーフィアちゃんの声をガン無視でほざきよったですよ黒竜王!
勝手に人のオパイつついてからにっ!なんってコト言うかなー!
ちょっと変なヤツだけど悪いヤツじゃ無いのかも、なんて思ったりもしたけども!
大勢の生徒の目の前でオパイつつくなんて許せないっ!
俺はっ!
俺のささやかなCカップのオパイをつっついた黒竜王スズキさんをっ!
許すワケにはいかにゃいっ!今こそ!
ザコはザコなりの全力を尽くす時!
ラジカルラミィの必殺技を黒竜王のジエンドオブソウロウに叩き込んじゃう予定です!
予定ですよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます