二人だけの秘密

 続けて2ゲーム目!

 2ゲーム目もフィルキャノ組vsペリヒカ組です!

 まだまだ体力は残ってますよー!これはバイトのおかげかなっ?

 バイト先ではいっつもチョロチョロ動き回ってますからね!知らない間に体力ついたみたいですよ!

 オススメです!


「じゃあ2ゲーム目いくよっ♪レッツプレイ!バスケ!」


「うらああああっ!」


 ドゴオオンっ!


 2ゲーム目もフィルフィーのアタックから始まりましたよっ!ナニやってんですかねアタック女神!

 最初と同じように俺がボールを取ってレイアップ!

 先制点はペリヒカ組!まるで1ゲーム目のリプレイみたいですよ!


「まだまだあっ!こっからだっ、いくぜキャノラっ!」

「あいよフィルフィーちゃんっ!」


 コートの端々に別れてパスのみで切り込んでくるフィルキャノ組!

 2ゲーム目にして早くも鮮やかな連携プレー!

 キャノラさんの得点であっという間に同点!


「なかなかやりますわねキャノラさん!では!こちらのターンですわっ!ヒカリ様ぁっ!」 


 ばひゅーん!とペリメール様のロングスロー!

 リング下の俺にダイレクトパスからのレイアップ!こんころころりとリングに吸い込まれるボール!

 おおっ!流れるように華麗に得点ゲットですよ!

 自分でもビックリです!


 と。


 てってー♪ ぴろりろりーん♪


 突然、ドコからともなく鳴り響くベルの音。

 ん?なんだコレ?

 俺の頭の上から聞こえるような気がするぞ?


「おっ。ヒカリちゃんっ、ランクアップしたみたいだよ?」


「えっ?そうなんですかっ?コレってボクのランクアップの音なんですかっ!?」


「だってキミ、ランクアップする為に来たんでしょ?」


 はっ!そうだったっ!コレって特別クエストだったっ!

 バスケが楽しすぎてランクアップのコトなんて忘れてましたよっ!


 てってー♪ ぴろりろりーん♪

 てってー♪ ぴろりろりーん♪

 てってー♪ ぴろりろりーん♪


 一体いくつランクアップしてるんだっ?実際にはバスケやってるだけなのにっ?まだ2ゲーム目ですよ!

 

 てってー♪ ぴろりろりーん♪

 てってー♪ ぴろりろりーん♪

 てってー♪ ぴろりろりーん♪


「ピロピロうるせえ……」


「えっ?」


「ピロピロうるせえんだよっ!うらああああっ!」


 なななんとっ!フィルフィーがドリブルしながら俺に向かって突進してきたっ!

 うるせえって言われても、俺のせいじゃないんだからなっ!

 ピロピロと鳴り止まない目覚まし時計にブチ切れてるのと同じだぞヤンキー女神っ!

 て言うか女神なら、俺のランクアップを祝福するのが普通じゃないのかっ!?


「うらああああっ!」


 俺を弾き飛ばす勢いで突進してくるフィルフィーは隙だらけ!左手しか使わないから動きが読めますよー!

 これはスチールチャンス!

 

「ふにゃっ!」


 ちっこい身体を利用してタイミング良く!

 ぺちっ!という音と共にスチールしちゃりましたよっ!


「なっ!?んにゃろうめっ!」


 ダムダムっとドリブルダッシュ!追い付かれる前にここは3ポイントで逃げるっ!


「うにゃっ!」


 だがしかし!

 ごいんっ!とリングに当たって外れたっ!

 リバウンド争いはフィルフィーvsペリメール様!

 二人は何度かリバウンド争いしてるけど、その度に身体が激しくぶつかり合っちゃってます!

 お互いの大きなオパイオパイがぶつかってボヨン!てなっちゃったりしてますよー!


「うっしゃあっ!反撃ぃ!」


 ボールを奪ったのはフィルフィー!

 すかさずキャノラさんへの弾丸パス!

 ここでキャノラさんがペリメール様に対して陽動作戦を仕掛けてきたっ!

 ドリブルしながら会話してます!


「イイよねペリちゃんはっ。身体がおっきいからフィルフィーちゃんと対等に戦えるんだもん」


「対等、って身体が大きいだけだからですわっ」


「いいなー。わたしもリバウンド争いしたいなー。リバウンドを言い訳にしてフィルフィーちゃんとおっぱいおっぱいのぶつけ合いしたいなー」


「そそそそそそそんなっ!ですわっ。わわわわ私はっ!純粋におバスケを楽しませて頂いているのですわんっ」


 おバスケって言い方はどうかと思うよペリメール様っ。

 キャノラさんの陽動が効いてペリメール様は動揺して動きが鈍い!

 

 さらに追い打ちの一言!


「言葉で相手を翻弄ほんろうするのも作戦の内だもんねー♪おもらしペリちゃんっ♪」


「はわわあっ!そそそそれはあっ」


 キャノラさんの一言で、ペリメール様は耳まで真っ赤になって動きが止まっちゃいましたよっ!

 ちょっとズルいよキャノラさん!

 

「フィルフィーちゃんっパス!」


 ぱしっ!と見事なパスが通った!

 これはっ!ダンクやられちゃうかっ?

 と、思いきや。

 あれ?フィルフィーが動かないっ?どしたのかな?


「……なあキャノラっ。『おもらしペリちゃん』ってのはナシなっ。あと、おもらしペリ子って言ってイイのはあたしだけだからなっ!」


 自分はペリメール様の悪口を言うクセにヒトに言われたらイヤって、それはもうアレしかないな?

 俺でもわかるぞヤンキー女神っ!

 なんか昔のガキ大将みたいだぞっ!


「ビビりのチキりのヒカリってのは言ってもいいけどなっ!」


 こらっ!照れ隠しに俺を巻き込むなガキ大将女神っ!


「ふーん。フィルフィーちゃんて、やっぱりそうなんだー♪良かったねペリちゃんっ」


「えっ!?なななっなんのコトかせませぬ、ですわっ」


 なんだかニコニコ笑顔のキャノラさん。

 ペリメール様はまたまた耳まで真っ赤になっちゃってますよ!


「だいたい、おもらしペリ子って言い出したのはあたしなんだからなっ。言ってもいいのはあたしだけってのがスジってモンだろっ。そんだけ!」


 フィルフィーはちょっと照れ臭そうに言ってから、俺にポイっとボールを渡して。


「ぼーっとしてんなよヒカリぃ!うらああああっ!」


 突進!突進チャージですよ猪突猛進女神っ!


 だがしかしっ!チョーシこいてる今の俺ならいけるっ!

 股下ドリブルと軽快なステップで抜いちゃります!


 ところがですよ!


「いつまでもレッグスルーが通用すると思うなよっ!うらああああっ!」


 すぱああんっ!


 フィルフィーのアッパースイングがっ!

 フィルフィーの左手がっっ!

 アッパースイングでの平手打ちがっ!


 俺の股間の双子ツインズをっ!

 下からはたいたあっ!!


 激痛を通り越したさらなる激痛っ!


 こらっ!ヤンキー女神っ!

 ボールはボールでもそっちのボールはスチールしちゃダメでしょーがあっ!

 あっ。今のウマかったかな?


 あぅ。

 目の前が真っ暗にっ。

 うーん。


 ぽてっ、と倒れる俺。

 


 ヤンキー女神フィルフィーマートよ。

 それはやっちゃダメなヤツです。

 ダメなヤツです。

 大事なコトだから二回言います。声は出ないけど。

 男のの股間に対して、下からのアッパースイングでの平手打ちは一番やっちゃダメなヤツですよ。

 男の最大の、イヤ、全世界の男達の最大の弱点なのです。

 何故だか俺は賢者モードですよ。


 ◇ ダメですよ

    下からはたいちゃ

     ダメですよ  ◇  ヒカリ


「っしゃあああああっ!あたしの勝ちだあっ!」


「何を言っているのですかフィルフィーさんっ!ヒカリ様っ?お気をしっかりして下さいっですわっ」


「んーだよヒカリぃ。だらしねーなあ?こんなんで白目むいて倒れてるようじゃラフィーに勝てねえぞー?」


 うーんむむむ。 

 声は聞こえるけど何も見えないのは、俺が白目むいてるからかっ。

 白目もむくってものですよ。俺の股間の双子ツインズがっ。天に召される一歩手前でしたようごおおおっ!


「一旦休憩にしましょう、ですわっ。ヒカリ様っ。ベンチにお運びいたします、ですわっ」


 と、ふわっと身体が浮くカンジ、これはっ!


 お姫様抱っこ!


 ペリメール様にお姫様抱っこされちゃってますよ男の

 思えばこの世界に来た時もペリメール様にお姫様抱っこしてもらったんだっけ。

 はー。いい匂いですよペリメール様っ。

 そんでもって、俺の肩がペリメール様のふわわなオパイにめり込んでますよ!

 ムハー!

 でも、おベンチって言い方はどうかと思いますよっ!


 てコトで5分休憩です。


           ◇


 ベンチで横になってる俺を介抱してくれるペリメール様。いと優しき女神様です。

 男のの股間をアッパースイングで平手打ちするヤンキー女神とは大違いですよ。

 冷たいタオルをまぶたにのせての膝枕。

 銀髪女神様のHI、ZA、MA、KU、RA!

 うおお、これはこれでオイシイですよー!


 フィルフィーはフリースローの練習してるみたいだな。決まる度にしゃーしゃーウルサイから丸わかりですよ。



「ねえ、ペリちゃんっ」


 ん?キャノラさんがペリメール様の隣に来たのかな?


「はいっ、なんですか?ですわっ」


「そのヘンな喋り方と髪の毛長く伸ばしてるのって、子供の頃にフィルフィーちゃんが『こういうのが好きだ』って言ったからでしょ?」


 ほほう。そんな事情があったとはっ!思わぬ情報ゲットですよ!


「えっ!?なななっなんのコトかわかりませぬっですわっ」


「フィルフィーちゃんはいろいろ忘れてるフリしてるけど、絶対覚えてると思うよ?」


「そそそそそうでしょうかっ?でしゅわんっ」


「フィルフィーちゃんもペリちゃんも純情でオクテだからねー。自分からいかないとダメだよー?」


「それはっ。あにょっ。うううっ」


「さっき、わたしペリちゃんの悪口言ってフィルフィーちゃんに叱られちゃったでしょ?フィルフィーちゃんってあんなだからアレだけど、アレはアレでアレだと思うよ?」


 うおお気になる!アレってなんですかキャノラさんっ!具体的な言葉で知りたいですよっ!


「まっ、応援してるよっ。でも!わたしだっておとなしく引き下がる気はないからねっ。

 ほらヒカリちゃん!起きてるんでしょっ?もう大丈夫だよねっ?バスケしようよっバスケっ!」


 起きてるって気づかれてましたかそーですか。やっぱりクセのある女神様ですよキャノラさん!


 ペリメール様の膝枕からむくっと起き上がると。

 顔を真っ赤にしちゃってますよペリメール様!


「あのっ……ヒカリ様っ。今の話をっ、聞いていらしたのですか?ですわっ」


 聞いてたと言うか、聞こえちゃってたんですけどね。


「ペリメール様っ、自分で言うのもアレですけど。ボクは、口は固い方なんですよ?」


「このコトは……二人だけの秘密に、ですわっ」


 細くてキレイな人差し指を唇に当てて『シー』のジェスチャー!

 うおお頂きましたっ!銀髪女神様からの!

 全ての男子の憧れ『二人だけの秘密』!

 これはっ!なんかアレですよ!

 なんて言っていいかわかんないけどアレですよー!ニャハー!

 まあ、二人だけとは言うものの、キャノラさんだって知ってるんですけどね!


「じゃあ、バスケしましょうかっペリメール様っ!」


「はいっ!頑張りましょうね!ですわっ!」



 なんてコトがありながら。


 2ゲーム目はフィルキャノ組の勝利でした。

 その後もペアを入れ替えて続けましたよバスケをね!

 フィルペリ組vsキャノヒカ組。

 フィルヒカ組vsペリキャノ組。

 フィルキャノ組vsペリヒカ組。

 1ゲーム30点先取。

 このローテーションでぶっ続けですよ。


 フィルペリ組の息はピッタリ過ぎて試合になんなくて、キャノラさんがちょっと拗ねちゃいましたよ。

 まあ、あの二人ならねー。

 そうなるよねー。


 で。

 真っ先にヘロヘロになってぶっ倒れたのは。


 やっぱり俺でしたとさ。

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