更生施設に殴り込み！？
「ヒカリのバージョンアップっぷも済んだコトだし、次はラフィーだなっ！」
えっ？
ラーフィアちゃん？
更生施設にいるのに、ナニする気なんだっ？
「ラーフィアちゃんてどういうコトっ？
また何かワルいコト考えてるんじゃないのっ？」
「またって何だよ、またってよー！
んーなもん
よっしゃ
みんなで殴り込みだあ！」
なぬっ！？
殴り込みっ！？
いきなりナニを言い出すんじゃい
「殴り込みなんて物騒なコトを言ってはいけませぬですわっ！ラフィーさんの所に面会に行くのですわっ」
なるほど面会ですか。
なんか、ほっ。
でもフィルフィーならホントにやらかしそうだからコワイっ。
フィルフィーとペリメール様って、やっぱりいい組み合わせだなー。
動と静。火と水。みたいな。
ムダにアツいフィルフィーとクールなペリメール様はナイスカップリング！
ペリメール様がクールってちょっと違うような気がしないでもないけど、火事になったら水で消すってのと同じですよ！
「面会なんてまどろっこしいことやってらんねえからなっ！ラフィーをかっさらいに
殴り込みだあっ！」
イヤ殴り込みじゃないってばっ。
静かにしなさいヤンキー女神っ！
「今日はもう遅いですから、日を改めて面会にいきましょうっ、ですわっ」
「ああん！？そーなのかっ？
ペリ子がそう言うんならしょーがねーなっ」
なんじゃいソレ。
ペリメール様のひと言で退き下がるなんて、フィルフィーも相当ペリメール様のコトが好きみたいだなっ！
入所中のラーフィアちゃんに会いに……かあ。
んっ？
これはっ！考えようによっては、
『捕らわれたお姫様を救出に向かう勇者』シチュじゃないですかっ？
でも今は、
『施設で更正中の元魔王に面会に行く男の
「お前達、くれぐれも面倒を起こさんようになー。特にフィルフィーマートじゃな」
「ダイジョーブっすよ神サマっ！ちょっと暴れてくるだけっすよー！」
だから暴れちゃダメだってば暴走女神っ！
なんだか先行きが不安ですよ！
◇
ラーフィアちゃん……
俺が最後に見たラーフィアちゃんは涙顔だった。
俺の首筋に刃を当ててから、涙をこぼしながら震える手で刀を鞘に納めて。
すごく悲しそうで辛そうで……
あんな顔のラーフィアちゃんを見たのは初めてだった。
俺はっ！
もう一度ラーフィアちゃんの笑顔が見たい！
笑顔にしてあげられるかどうかはわからないけど。
少しでも元気を取り戻してくれるなら、何度でも面会に行きますよ！
待っててねラーフィアちゃんっ！
妄想勇者コウダヒカリver.2が会いに行きますよー！
◇
選択の部屋から戻った翌日です。
ペリメール様は早起きして何やら作ってますよ。
コレって、きっとアレですよ！
アレしか思い浮かびません！
ラーフィアちゃんと再会した時の楽しみにしておこうじゃないですか！
「今日は
ペリメール様はいつぞやのワンピース。フィルフィーはジャージですよ。
それで面会に行くつもりですよフィルフィーは。
「
なるほど、そーなんですねっ。
フィルフィーがいつも着てたらすぐにズタボロになっちゃいそうですもんねっ。
俺は魔王城の時と同じくゴスロリメイド服ver.2ですよ。
これを見てラーフィアちゃんが少しでも元気になってくれたら嬉しいですよ！
◇
そんでもって三人で！
やって来ました更生施設！
ラーフィアちゃん達が入ってる更生施設です！
思ってたより小さい建物だけど、中に入ってビックリ！
明らかに建物の外観より室内の方が広い！
どうやら魔法が施されてるみたいだな。別の場所に移動したみたいなカンジです。
魔王不適合になった者が送られる更生施設ってだけあって、警備がとっても厳重ですよ。
所々に
今は動かないけど、動いたらめっちゃ強そう。
フィルフィーはそんなゴーレムに向かってメンチ切ってますよ。
なにやってんですかねヤンキー女神っ！
「ラフィーさんを連れて帰りたい所なのですが……最低でも三ヶ月は入所しないといけないのですわっ」
「三ヶ月ですか……長いですね」
「お金かポイントを支払えば仮出所も可能なのですが……ですわっ」
ポイントって、そんなんでオッケーなのか更生施設っ。
「それって、どのくらい必要なんですか？」
「それは場合によりけりですので、わかりかねますですわっ。受付でお訊きになってみましょう、ですわっ」
「ああん？ココ出るのに、金とかポイントとかそんなの要るのか？だったらラフィーの親に出してもらえばイイじゃねーか」
フィルフィーが珍しくまともなコト言ってますよ。
でもそれって難しいのでは？
「それは……多分、無理だと思います、ですわっ」
「なーんでだよー？自分の娘がこんなトコ入れられてんだぜー？」
なんつってペリメール様に文句言ってブータレてますよフィルフィーは。
「だって……ラフィーさんのお母様は、ラフィーさんが魔王になる事を猛反対してましたから……
きちんと反省するまで施設に入れておくべきだとお考えなのですわっ。
本来なら、心の歪みを矯正するまではここを出られないのですわっ」
反省とか心の歪み、ってそんな……
ラーフィアちゃんは歪んでなんかないのではっ？
ちょっとヘンタイだけど。
「……ヒカリはどう思うよ？」
うむむっ？
俺に意見を述べよとっ？
「……魔王だった時のラーフィアちゃんの考え方って、勇者寄りだって大魔王サマが言ってたから……だから、心が歪んでるとか、そんなコトは無いと思う、よ？
チュンしまくるって行為は魔王的だったと思うけど、全ての女性の為に、って考え方は真っ当だったんじゃないのかな……？
その辺りを見抜いた大魔王サマが、ラーフィアちゃんは魔王向きじゃ無いって考えたんじゃないのかな……？」
フィルフィーの方がよっぽどココロが歪んでるんじゃないですかねっ？
言わないけど！
「ふーん。まあまあわかってんじゃん、ヒカリぃ」
おおっ。珍しくフィルフィーに褒められたっ。
明日はきっと雨ですよ！
「ラフィーおかんのコトなんか知るかっ！
従姉妹のペリ子がいるんだから出所させんのに問題ねえだろっ！
だから暴れちゃダメだってばヤンキー女神っ！
フィルフィーがでっかい声を出したその時ですよ！
『ピピッ！ピピッ！館内ではお静かに願います』
フィルフィーの怪しい行動と言動に反応して、一体のゴーレムから警告がっ！
これ以上騒ぐとつまみ出されてしまうぞっ！
「ぺっ！ペリメール様あっ！何とかして下さいようっ！」
ここは新婚ホヤホヤの新妻ペリメール様にお願いです！
んっ？ところでどっちが妻なのかなっ？
「フィルフィーさんっ暴れちゃダメダメっですわっ！
そんなコトしたらフィルフィーさんとはもうチューしません！ですわっ！」
もうチューしないってコドモですかっ！
そんなのフィルフィーが聞くワケ無いですよ！
と思いきやっ！
「えっ！？……チッ……わーったよ。ペリ子がそこまで言うんならガマンしてやんよっ」
そこまでってマジですか。
そんなので止まるのかヤンキー女神っ。
ペリメール様の『もうチューしない』発言にはフィルフィーの抑制効果があるみたいですよ！
それにしたってバカっぽい！
新婚さんってバカップルの延長線上みたいなもんなんデスカネっ？
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます