続、激闘! 妹魔王ルルコちゃん!

 にょろりろりんっ!と急接近するルルコちゃんの尻尾鞭テイルウィップが足首にがっちり巻き付いちゃって、あっという間に捕縛されちゃいましたよ、男のっ!


 さささらにっ!


 にょろにょろにゅろりと、どんどん身体に巻き付いてくるじゃないですかっっ!


 きゅきゅうっと締め上げられる俺のオパイ!

 そんでもって、股間にまで食い込んでっっ!

 

 ってこれは、まさかのっ!


 きっ!

 きっ!

 亀甲縛りっ!


 ムラサメさんがヤられちゃった亀甲縛りを、男のの俺まで食らうとはっっ!


「油断しすぎだぞ、ヒカちくりんっ!」

「ヒカリ様ぁ、呼吸をしっかりして下さぁい」


 ちょっと離れた場所から、レイルさんとフェイリアちゃんが心配してくれてますですよっ。


「ヒカっ、ヒカリちゃんが亀甲縛りっ♡♡」


 あの、ラーフィアちゃんっ?

 頬に手を当てて真っ赤になっちゃってるけど、なんか嬉しそうなのは、なんでかなっ?



「ほらほら、どんどん締め上げちゃうよ、お兄ちゃんっ♡」


「えっ!? まだキツくなるのっ!?」


 なななんとっ!

 ルルコちゃんが指をくるくる回す度に、グイグイと締まりがキツくなっていくじゃないですかっ!

 動けないもんだからされるがままで、なんたる屈辱!ってヤツですようおおー!

 このままられちゃうのか男のっ!


 うごおお、苦しいですようおおー!

 大ピンチですようおおおー!


 ……んっ?


 でも、なんか。


 あれっ。

 あれれっ?


 グイグイきゅうきゅうと締め上げられるにつれて、なんかこう、何て言うかっ。


「ちょっ! あっ♡ ルルコちゃんっ!」


「やだもうっ! ヘンな声出さないでよっ!

 お兄ちゃんのバカ! ヘンタイっ! ドヘンタイっ! ドMの男のっ!」


 うごおお、ののしられつつ尻尾鞭テイルウィップでグイグイ締め上げられる俺ですよっ。


 だがしかしっ。

 苦しさの向こう側にある快感と言うかなんと言うかっ。

 Eカップっぷの俺のオパイが、ぷにょにょん、みちみちっ!って!

 そんでもって、ココココヒカリ君が、ぐきゅううっっ!ってなっちゃってますようおおー!

 

 身体の奥から込み上げてくるドM根性が新しい扉をオープンザドア的なっっっ!


 こここれはっ!

 覚醒前夜っ!みたいなー!

 真のドMな男のが目覚めようとしちゃってますようおおおおー!


「るっ、ルルコちゃんっ♡ それ以上はっ! 

 あっ! らめっっ♡」


「……お兄ちゃん……『らめ』ってナニ?」


 すんっと冷めた顔でドン引きですよ、ルルコちゃん。

 らめ、って言うのは『ダメ』がR15版に進化した単語なのですよ、10歳かそこらのお子ちゃまは知らなくてもいいのですよー!


 って、イヤ違うっ!


 エロゲとかエロマンガにかぶれて『らめっ♡』なんつってる場合じゃねーですよ、男のっ!


「むっ、ムラサメさんっ! 助けて下されっっ!」


 助けを求めて、パッとムラサメさんの方を見るとなんとっ!


 ムラサメさんも尻尾鞭テイルウィップで亀甲縛りされちゃってるじゃないですか。


 推定Fカップっぷのたわわなオパイが、またまた、ぼにょにょん!ってカンジになっちゃってますよー!

 さささらにっ!

 食い込んじゃイケナイトコロに、みっちりバッチリ食い込んじゃってますようおおー!

 ムハー!


「あっ♡ そこはっダメでござるっ♡♡」


「お兄ちゃん、ゲス顔がキモいっ!

 くのいちさんもヘンな声出さないでっっ! もうやだっ!」


 キモいって言われて、ペペッと投げ捨てられちゃいましたよ、妄想勇者とくのいち勇者っ!


「はあっ! ニンッ!でござるっ」

「う゛にゃっっ!?」


 すたっ!と華麗に着地するムラサメさんの横で、ぼてっ!とずっこける俺ですよ!


 何はともあれ、尻尾鞭テイルウィップの緊縛からは逃れられたっ!

 とりあえず、ほっ。


「これ以上ルルコのジャマするなら、今度はお兄ちゃんのぱんつ、チカラいっぱいずり下ろしちゃうんだからねっ!」


 なぬっっ!

 それは危険でデンジャラス!

 いくら黒光りスキルで守られてるとは言え、女の子しかいない中でおパンツずり下ろされてたまるもんですかっ、てなもんですよー!

 って言うかね!

 

「おっ、お兄ちゃんにそんなコトしちゃダメなんじゃないのかなっ!?」


「じゃあ、ルルコのジャマしないでよっ! ホントにぱんつずり下ろしちゃうんだからっ!」


「おほー♪ それいいなー!

 やっちまえ、ルルコっ! ヒカリのパンツずり下ろせー!」


 なんつってルルコちゃんを煽るフィルフィーですよ。ぬうう、ガヤガヤとウルサイぞ、ひな壇女神っ!

 

「中立の立場の女神サマは静かにしててねっ。特にヤンキーのおばちゃんっ♪」


「誰がヤンキーのおばちゃんだコラっっ!」


 またまたフィルフィーをおばちゃん呼ばわりですよ、そこはナイスですよルルコちゃん!



「もうっ!こんなトコロでコントやってる場合じゃ無いのっ! 大魔王様に勇者の首を捧げないといけないんだからねっ!」


 ジャキン!っと大鎌デスサイズを構え直して、まだまだる気まんまんですよルルコちゃんっ!

 

 と、そこにっ!

 

「あのさー、ルルコよう」


 ルルコちゃんと対峙する俺とムラサメさんをすり抜けて、いきなり唐突、突然に!

 無防備にスタスタとルルコちゃんに歩み寄るフィルフィー!


 怖いもん無しなのは知ってるけど、いくらなんでも危険でデンジャラスですよっ!


「ちょっ、フィルフィーっ!? ナニやってんのっ!?」


「フィルフィーさんっ! 危険ですわっっ!」


 俺とペリメール様が止めるのも聞かずに、ずんずんとルルコちゃんの前まで行っちゃいましたよー!


 ルルコちゃんは意表を突かれて、きょとんとしちゃってますがっ。


「なっ、ナニっ? 女神サマが勇者と魔王の闘いに首を突っ込んじゃダメなんだからねっ」


「グダグダうるせえちびっ子だな。ったくよー」


 ずずいっと近付いて、ちっちゃいルルコちゃんを見下ろすフィルフィー!


 ヤンキー女神vs妹魔王の図だけど、端から見ると身長差があるもんだから、ヤンキーにカツアゲされてる小学生みたいに見えちゃいますよー!


「なあ、ルルコよう。オマエは大魔王のジジイに言われなきゃなんにも出来ねーのか?」


「えっ? だって、魔王は大魔王様に従うのが当然だもんっ。ルルコは言われた通りにやってるだけだし、間違ったコトなんてしてないもんっ!」


「じゃあ、大魔王が間違ってるとしたら?」


「間違ってる……? 大魔王様が……?

 うっ、うるさいうるさいっ! そんなハズなんて無いっ! おかしなコトばっかり言わないでよ、ヤンキーのおばちゃんっ!」


「誰がヤンキーのおばちゃんだコラっっ!」


「大魔王様の言う事は絶対の絶対の絶対なんだもんっっ!」


 ルルコちゃんたら、だだっ子みたいに両手をばたばたさせちゃって混乱しちゃってますよ。


 これって、やっぱり。

 自分の意志で俺達の首を狩ろうとしてるんじゃ無い、ってコトなのかっ?

 レイルさんが言ってた『洗脳説』がめっちゃ色濃いですよっっ!



「大魔王様の言う事は絶対の絶対の絶対なんだもんっ! ルルコは魔王だから、だから、言われた通りにやってるだけだもんっっ!」


 同じコト繰り返しちゃってますよ、だいぶ混乱しちゃってますよ、ルルコちゃんっ。


 その姿を見下ろすフィルフィーは、めっちゃどや顔ですよー!


「生まれたてのヒナってのは、初めて見た相手を親だと思い込むって言うからなっ。刷り込みってヤツと同じってこった!」


「……? ルルコのパパは大魔王様じゃ無いもんっ」


「あん? んなこたあわかってるっつーの。ナニ言ってんの、オマエ?」


 むむっ?

 イヤちょっと待ちなさいよヤンキー女神。


 今の話の流れだと『ルルコちゃんは大魔王サマを親だと思い込んでる』ってカンジだったでしょーが。

 ナニ言ってんの、ってフィルフィーがナニ言ってんのってカンジですよっ!

 めんどくさいからツッコまないけど!


「もういい、もういいっ!

 ワケわかんないっっ!

 お兄ちゃんも、くのいちさんも、ヤンキーのおばちゃんも、ぜんぶぜんぶ吹っ飛んじゃえっ! 魔法障壁マジックシェルっ!」


 ひゅわっ!とルルコちゃんが手を振ると、なんとっ!

 俺達を遮る透明っぽい壁が現れたっ!


「むっ! これはマズイでござるっ!」


 ひゅひゅんっ!とムラサメさんが手裏剣を投げつけると、かききんっ!と簡単に魔法障壁マジックシェルに弾かれたっ!


「やはり! こちらからの物理攻撃は通用しないようでござるよ、ヒカリ殿っ!」


 なななんとっ!

 物理攻撃をシャットアウト!

 だとしたら魔法を使えない俺達は、手も足も出せねーですよー!


 やっべ!やっべーですよー!

 童貞のまま、こんなトコロで終わってしまうのか男のっっ!!

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