大異変!? 妹魔王ルルコちゃん!
勇者側は、ルルコちゃんの
お着替えガチャで『魔法少女』でも出せたらまだなんとかなるかもだけど、こんな状況じゃどーしよーもねーですよー!
「じゅもんっ♪
たのしいっ!? ってナニがっ!?
ルルコちゃんたら、シールドの向こうで歌いながら超絶魔法の呪文を思い出そうとしてるんですけどっっ!
リズムに乗せて覚えるとアタマに入りやすいよね。
なんて思ってる場合ではナイですよっっ!
こここれはっ!
なんとしてでも止めないと、みんなみんな吹っ飛んでしまうっ!
もっかい浮遊刀でシールドを攻撃してみるですよっ!
「行けっ! 白月っ! 黒月っ! うにゃあっ!」
イメージ通りに、びゅひゅひゅんっ!と!プロペラ回転しながら飛んでいくレンタル魔法刀!
それだけはスゲーですよ、俺っ!
だがしかしっ!
がききんっ!と、弾かれちゃいましたよ、困ったもんですよ、もうどーにもなんないのかっっ!?
「おーい、ヒカリぃ。せっかく『魔剣』持ってんだから、妹に『負けん』なよー。なんつってなっ! だははっ!」
ぬおお、この場の全員がクスリともしない
「フィルフィーったらウルサイよ、もうっ!」
「ヒカリちゃんっ! 向こうからの物理攻撃は通るから気をつけてっ!」
「えっ!? そうなのっ!?」
フィルフィーに文句ブー垂れてる一瞬の間に、ぎゅわああああっ!と、SUGEEEE風切り音と共に
「う゛にゃあっっ!?」
ガギィンッ!と、咄嗟に白月と黒月で防御する俺ですよ!
ラーフィアちゃんの声が届かなかったら、今のはホントにヤバかったっっ!
ルルコちゃんの武器はシールド通っちゃうんですか、そーですか。
こっちは防御しかできないってのに、もうどーにもこーにもってヤツですよー!
「そうだっ! ムラサメさんの忍法で攻撃してみたらどうかなっ!?」
「やってみるでござるよっ! 忍法『火遁の術』っ! ニンッ!」
ぼひゅひゅんっ!と、ムラサメさんの手から飛んでく三つの火の玉っ!
だがしかしっ!
「レベルが違い過ぎて、拙者の忍法は通用しないでござるっ! いかがいたしますか、ヒカリ殿っ!」
いかがもナニもっ。
手も足も出ないですようおおおー!
どーしたもんかね男の
「じゅんじゅんじゅもん~♪ えっとっ、えーとっ……あっ! 思い出したっ!」
なぬっっ!
思い出しちゃったっ!?
ぐぬぬっ、このまま何もしないまま吹っ飛ばされるワケにはいかにゃいっ!
もうこうなりゃ、お着替えガチャでなんとかするしか無いっ!
でも、なーんもイメージ出来ねーですよっ!
テキトーにお着替えガチャって『ナース服』とか『スクール水着』とか出ても何にもならねーですよー!
それならば、最後の手段っ!
ここはなんとか説得をっっ!
「るっ、ルルコちゃんっ! 超絶魔法なんて使っちゃダメだよっっ! そんなコトしたら、パパとママが泣いちゃうよっ!
お兄ちゃんもカナシイよっっ!?」
これですよ『泣き落とし』!
キミのお母さんは泣いているぞ的なアレで必死に呼び掛ける俺ですよ、だがしかしっ!
「えーとっ。確か、手はこうでー、足は肩幅くらいに開くのが魔力的にいいんだよねっ」
聞いてない!
聞いてないですよルルコちゃん!
ぶつぶつと独り言を呟いてて、俺のコトなんて眼中ナシみたいですようおおおー!
「準備よしっ! じゃあ、呪文詠唱しまーす♪
『闇の深淵より沸き
我、魔王ルルコとの盟の元に集束せよ!』」
なぬっっ!?
こここれはっ!
シフォンちゃんが使ったのと同じヤツ!
ホントのホントに超絶魔法を使うなんて、マジのガチでYABEEEEですよー!
「くっ! させんでござるよ、ルルコ殿っ!」
ひゅひゅひゅんっ!と、手裏剣、クナイ、泥団子を連投するムラサメさんですよ、だがしかしっ!
どれもこれも
でも、まだ!
まだ、諦めるワケにはいかないっ!
「もう一回っ! 白月っ! 黒月っ!」
俺も必死こいてレンタル魔法刀で攻撃ですよ!
でも、これまたあっさり、がききんっ!と弾かれて、全然通用しねーですよっ!
にしても、スキルとか魔法を同時に操るなんて、ルルコちゃんの魔力ってどんだけスゴいんだっ!?
「『暗き昏睡、暁の惰眠、窓際のうたた寝!
「おえあっ!? ダメだよ、ルルコちゃんっっ!」
ワタワタしてる間に呪文詠唱が完了!
ルルコちゃんの周りに青白い魔力の渦が集まって! って、これはっ!
シフォンちゃんと闘った時と同じ魔力の渦じゃないデスカっっ!
これはマジでヤバいっっ!
辺り一面が、まっさらでさらっさらの草一本すら無いスベスベの荒野になっちゃいますようおおおおー!
「『
細い両腕を高々と掲げるルルコちゃん!
その手のひらが青く輝いてるのは、魔法を発動する寸前の光ですようごおおおー!
もう誰にも止められないっっ!?
とりあえず伏せるしかねーですよっ!
「みんなっ! 伏せてっっ!」
と、振り返るとなんとっ!
フィルフィーが作った半円球型のバリヤーの中に全員いるじゃないですか。
ムラサメさんまで、いつの間にっっ!
「おーい。ヒカリは入んねーのかー?」
「ヒカリちゃんっ! 早くこっちに来てっ!」
「走れっ! ヒカちくりんっ!」
「早く来てぇヒカリ様ぁ♡」
「ヒカリ殿っ! こちらにっ!」
「吹っ飛んじゃいますよっ、ですわんっっ!」
みんなが俺に呼び掛けてくれてるけど、フェイリアちゃんだけエッチなカンジに聞こえちゃうのはなんでかなっ!?
って言うか、間に合わねーですようおおー!
あっ、死んだっ。
俺、死んだっ。
と、思いきやっ。
しーん。
ん?
あれ?
あれれっ?
何も起きないぞ?
「ヒカリ様、ヒカリ様っ! ルルコさんの様子がおかしいですわっ!」
のっぴきならないペリメール様の声に、ルルコちゃんの方を見るとなんとっ!
カワイイお顔が真っ青になって、全身がぷるぷる震えてるじゃないですかっ。
さくらんぼ色だったクチビルは青紫色に変色して、さらに白目むいてカチカチと歯を鳴らしちゃってますよっ。
誰が見たって、これはただ事ではナイっっ!
「るっ、ルルコちゃんっ!?」
「……うにゃ」
んっ? うにゃ?
「うにゃにゃにゃっ! うにゃっ!」
どうしちゃったのかなルルコちゃんっ!
なんか、うにゃうにゃ言い出したっ!
明らかに平常運転のルルコちゃんじゃナイですよっ!
とりあえず超絶魔法は止まったっぽい!
と思った瞬間!
「うにゃにゃあっ!」
ルルコちゃんが、ひゅんっ!と手を振ると青白い光のタマタマが打ち出されて、魔王の間の壁にぶつかってドガァンッ!と爆発っ!
「う゛~にゃあああ~っ!!」
「るっ、ルルコちゃんっ!?」
目付きが全然違いますよ、ルルコちゃん!
くりっとしたパッチリおめめが三白眼になっちゃって、めちゃめちゃ目付き悪くなっちゃってますよー!
もももしかして、これはっ!
暴走ってヤツですかっっ!?
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