エキシビジョンマッチ!
「ヒカリちゃああああああんっ!!」
おっとっ?ラーフィアちゃんの声がするっ。
校舎の方から全力で走って来るのが見えますよっ!足早いなラーフィアちゃん!陸上部も顔負けです!
「ヒカリちゃあんっ!」
リングの中に飛び込んできてフライングボディアタックするようにどーん!と俺に抱きつくラーフィアちゃんっ!
うるうるの瞳で俺に頬をすりすりです!
「勝った!勝ったねヒカリちゃんっ!カワイイっ!スゴかったっ!ラミィのコスチューム似合ってるよヒカリちゃんっ!て言うかラミィそのものだよっ!どうしてそんなにカワイイのっ!?」
ラーフィアちゃんっ!
コーフンし過ぎですよラーフィアちゃん!
「はっ!そうだ!フィルフィーに汚された唇をっ!私のヒカリちゃんのカワイイ唇を浄化しないとっ!お口直しをしないとっ!ねっ?ねっ?」
「ウルセエなあ、ラフィー。勝ったんだからいーだろーがよー?」
「うっさいのはそっちよ、う○こフィルフィー!よくも私のヒカリちゃんのカワイイ唇を奪ってくれちゃったわねっ!」
「ラフィーさんっ!落ち着きなさいなっですわっ!乙女がう○こなんて言ってはいけませぬっ、ですわっ」
ペリメール様っ。言っちゃってます!
見目ウルワシイ銀髪女神様がっ!
ツヤサラ銀髪美少女がっ!
『黒竜王が逃げちゃったのでっ!今年はクロジョの勝利でぇす!ありがとうっ!ありがとうラミィちゃあんっ!バンザーイ!』
実況のワタナベさんがバンザイって言ってくれてますがっ!勝ったのはヒカリなのですよー!お忘れなくー!
「ヒカリ様はご存知無いかもしれませんが、ラミィにはもう一つの必殺技があるのですよ、ですわっ。『ラジカルほっぺにチュー』の出番はありませんでしたねっ、ですわっ!」
「えっ?ヒカリちゃん、ラミィ知らなかったのっ?『ラジカルほっぺにチュー』はね、ラミィの最終奥義なの。なんとっ、悪を更正させる力があるのです!あ、そうだ!今度、一緒に全話イッキ見しようっ!二人っきりで!朝までしっぽり!」
楽しそうにラジカルラミィを語るラーフィアちゃん!でも、朝までしっぽりってナニ!?
ラジカルほっぺにチューって、技の名前なのか。
悪いヤツを倒して更正かー……なんとなーくどんなアニメか想像がつきますよ!
どっかから悪の怪人が出てきて良からぬ悪事を働いて世の中は大混乱!
そんな時、普段はポンコツな女の子がラミィに変身!
悪いヤツを3つの技でやっつけて、最後には『ラジカルほっぺにチュー』で悪人を改心させる!って流れでしょ!
たぶん!
俺もアニメ好きだったからね!魔法少女モノって大体こんなカンジでしょ!
ほっぺにチューで悪を更正ってカワイイけど、主人公が悪いヤツを更正させる為とは言え、チューするってのは問題ないもんなのかな?
……んっ?
更正……ワルいヤツを更正っ!?
それって!それってもしかしてもしかするとっ!
フィルフィーをっ!ヤンキーをっ!更正出来ちゃったりするのかっ!?
ヤンキー女神を良いコに!
更正出来ちゃったりするのかしらっ!?
動揺し過ぎておネエ言葉になっちゃったっ!
「でも、ラミィが出せるなんて『お着替えガチャ』って意外にスゴいスキルなんだねっ。ヒカリちゃんてもう一つスキル持ってるんでしょ?どんなスキルなのっ?」
出せるというか、勝手に出ただけなんですけどねっ。思い通りの衣装が出せたらどんなに良いことか。
ボーリング場でラーフィアちゃんに見せたスキルは『お着替えガチャ』のみ。
だって言えない!股間の『黒光り』なんてスキルの内に入らないっ!『
この時、俺は気づいていなかった。
俺の背後にヤンキー女神が悪魔の微笑みを浮かべながらそろりそろりと忍び寄っていたコトに。
「せっかくのイイ機会だっ!『黒光り』スキルをみんなにも見せてやれよっ!うらああっ!」
ずるうっ!
「きゃあああああああっ!?」
リング上に響き渡る俺の悲鳴っ!
ホットパンツずり下ろされたっ!完全に無防備だったから足首まで一気に脱げたっ!
俺は一瞬でいや刹那でホットパンツを穿き直すっ!
今気づいたけど、ラミィはおパンツ穿かない派のようです!
イヤ違うっ!
晒されたっ!コヒカリ君がああっ!全校生徒の前に晒されたああっ!
大型モニターにも大映しされたよコヒカリ君っ!
響き渡る生徒達の悲鳴っ!
はっ!ラーフィアちゃんはっ!?バレてないっ!?バレてないよねコヒカリ君っ!
「ななななななにすんのさあ!フィルフィーっ!」
「あーはははっ!『黒光り』スキルで守られてっから大丈夫だっつーの!あーはははっ!やっぱヒカリは、こうじゃなくっちゃなー!あーはははっ!」
フィルフィーは腹を抱えて大爆笑!
ヒカリはこう、ってなんなのさヤンキー女神っ!
『なななんとおっ!ふぃふぃふぃっ!フィルフィーマート様がっ!みんな大好きラミィちゃんのホットパンツをずり下ろしちゃいましたあっ!なんてワルい女神なんですかフィルフィーマート様ぁっ!』
ワタナベさんワタナベさん!実況のワタナベさん!
見た目はラジカルラミィでも、中身はヒカリです!コウダヒカリなのですよー!ていうかまだ実況してたのかっ。
でも、ワルい女神ってのには激しく同意ですよっ!
「『ふぃいいいるううううふぃいいいいっ!』」
ズゴゴゴゴオッと、地鳴りの音と共に響き渡るラーフィアちゃんの怒りのイケボっ!
銀色のキレイな髪が総毛立って、アニメとかマンガとかゲームに出てくる
「『私のヒカリちゃんにナニしてくれちゃってんのよおおおっ!う○こフィルフィーっ!』」
ラーフィアちゃんには『コヒカリ君』はバレてない!
ほっ。
でも、俺のホットパンツをずり下ろしたフィルフィーに怒り心頭です!
「らららっラーフィアちゃんっ!ちょっと待ってっ!落ち着いてっ!ボクに任せてっ!」
「えっ!?なんで止めるの、ヒカリちゃんっ!?」
う○こって言いながらフィルフィーに襲いかかる勢いのラーフィアちゃんを必死に止める俺っ!
俺には『ある考え』があるのですよ、ラーフィアちゃん!
俺はっ!今日ほどっ!
フィルフィーに赤っ恥をかかされた事に!
傍若無人なフィルフィーの振る舞いに!
怒りを覚えた事は無いような気がしないでもない!
今なら!ラジカルラミィのこの姿なら!黒竜王を倒したあの技なら!
フィルフィーに勝てるかもしれないような気がしないでもない!
フィルフィーを泣かすチャンス!なのかもしれないような気がしないでもない!
だからラーフィアちゃんを止めたのです!
素のままのポンコツな男の
ええ、そうですとも声を大にして言いますですよ!
ポンコツな男の
ってね!
だがしかし!ラミィなら!
愛の大魔王天使ラジカルラミィならヤンキー女神に勝てるかも!
そんでもって『ラジカルほっぺにチュー』でヤンキー女神フィルフィーを!
良いコに更正させるコトが出来るかもっ!
俺がフィルフィーのほっぺにチューってのがちょっと照れ臭いような気がしないでもないような気がしますけれどもっ!
俺はっ!
ヤンキー女神フィルフィーマートをビシッと指差しこう言ってやったですよ!!
「もうっ!許せにゃいんだからねっ!フィフィフィフィっ!フィルフィーっ!ボクとっ!たたっ!タイマン勝負しましぇんかあっ!?」
ってね!
「ああーん?おもしれえじゃねかヒカリぃ?このあたしにケンカ売るとはいい根性してんなあ?」
ニターリと悪魔の微笑みですよヤンキー女神っ!もうすっかり定着してるな、悪魔の微笑みヤンキー女神っ。
「ヒカっ!ヒカリ様っ!?たたたタイマンって、フィルフィーさんとイッパツやる気なのでごじゃりましゅるでしゅかっ!?」
えっ。
ナニを口走ってるんですかねペリメール様はっ?
イッパツやるなんて、聞く人によってはヤラシイコトに聞こえちゃいますよっ?
「お姉ちゃん、ナニを言ってるのっ!タイマンってケンカのコトだよっ?お姉ちゃんが考えてるようなエッチなコトなんてヒカリちゃんとフィルフィーがするワケ無いでしょっ!」
エッチなコトって、ラーフィアちゃんっ?
ペリメール様がそのような御思考をっ!?
「エッチなコトなら、この後でフィルフィーといっぱいすればイイじゃないっ!」
「にゃにゃにゃにゃっ!にゃにを言ってるでごじゃりましゅるでしゅかあっ!」
ばちーん!
「ぷわっ!?」
炸裂!ペリメールスマッシュがラーフィアちゃんの口元に炸裂です!
不意打ちを食らったラーフィアちゃんはリング下に吹っ飛んじゃいましたよっ!
おパンツ丸見えですよー!
ダイジョブかなっ!?
「ああっ!?ラフィーさんっ!?」
ペリメール様はすぐさまラーフィアちゃんを救護っ。
アニメとかマンガみたいに目を回して気絶しちゃったラーフィアちゃんを抱えてダッシュ!
面白い
『なななんとおっ!エキシビションマッチ!
女神フィルフィーマート様vsラジカルラミィ!あっ。もとい!ザコレベルB班コウダヒカリっ!これは予定外のプログラムですよおっ!』
実況のワタナベさんが、ようやく俺の名前を言ってはくれましたけれども!
あっ。
って何ですか、あっ、て!でもまあいーです!
ラジカルラミィが!
ヤンキー女神フィルフィーを成敗してっ!良いコに更正させちゃいますよー!
なんか楽しみですよ!
ムハー!
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