お着替えガチャで初登場!新キャラ『レミィ』!

 おかしな押し問答を終えて、やっとこさ魔王シフォンとバトルスタート!


 お着替えガチャの基本手順、その1!

『元気に勢いよく右手を振り上げるっ!』

 以上!


 なにも知らずに、運任せのランダムでガチャってた最初の頃とは違うのです!

 一番大事なのはイメージ!

 イメージですよー!


 これもう『お着替えガチャ』じゃ無くて、フツーに『変身』スキルなような気がしないでもないですがっ。


 スキルレベルがアップっぷすると、こんなコトまで出来ちゃうのです!


 フィルフィーは詳しく教えてくれないし、自分で実践して覚える以外に無かったですからねっ。

 頑張ったのですよ男のっ。



「お着替えガチャっ! いきまあすっっ!」


「どんなもんか見ててあげるわよ、妄、想、勇、者っ♪ クスクスっ♪」


 うぬぬ、めっちゃ小バカにしながら、余裕ぶっこいてくれちゃってますよ魔王シフォンっ!

 ゼッタイにぎゃふんと言わしちゃりますよ!



 むむむー!っとイメージ!

 強くイメージですよー!

 強烈な妄想力でアタマの中にあるキャラクターを実現させるのだっ!


 俺は知っているのです!

 最強と呼ばれ愛される二人のキャラクターを知っているのですよ!


 この世界のアニメや特撮で『どっちが強いか問題』で話題になる二人の美少女キャラ!


 男女問わず、小さなお友達から大きなお友達まで、老いも若きも大人気!

 戦隊モノとかヒーローモノを押し退けちゃう、二人のスーパーヒロイン!


 アニメ『愛の大魔王天使ラジカルラミィ』と!

 特撮『超絶合体ラリラリルレ美』っ!


 この二人の『最強』と『最強』を足せばよいのです!

 アニメと特撮だとジャンルが違うんじゃないのー? なんてツッコミはガン無視ですよ!


 生き残る為には、なりふり構っていられません!


 悶々とアタマの中で膨らませたイメージが完成!

 元気に勢いよく右手を振り上げる俺っ!


「「ううにゃああああっっ!」」


 しゅぱあっ!


 いまだかつて無いくらい、気合いの入った勇ましい挙手ですよ!

 勇ましい挙手ってどんなんかわかんないけど、まあそんなカンジです!

 俺の勇ましい挙手に応えて下さいまし、ガチャの神様っ!

 ガチャの神様なんているかどうか知らないけど、まあそんなカンジですよー!


 届けっ! 俺の願いっ!

 


 フィルフィーとポプラールさんの声を取り戻す為にっっ!



 すると、なんとっ!


 ずっぽぽぽぽんっ!

 てってれー、パパパー♪♪

 パッパラー♪♪ パパパパー♪♪♪

 ジャジャーン! ジャンっ!


 おおっ!?

 子供用シャンパンを4回連続で抜いたみたいな音と共に鳴り響くファンファーレ!

 初めての音ですよっ!

 さらに加えて、ヒラヒラっと金色と銀色の紙吹雪が舞うですよっ!


 これはっ!

 SSレアを上回る『SSSレア』ってコトですかあっ!?



 ぶしゅわわわあっ!と七色のド派手なスモーク!

 パリパリパリィッ!と音を立てて、輝くスパークが全身を駆け巡る!!

 

 あっ。

 このスパーク、ちょっとピリピリ痺れてイタキモチいいっ。

 静電気よりちょっと弱めで、電気風呂に入ってるみたいなカンジですよっ。

 

 あっ。

 ピリピリスパークがっ。

 胸の先っちょとかコヒカリ君とか、敏感な部分を絶妙ゼツミョーに刺激するですよっっ。

 その度にピクピクっと反応しちゃいますようおおっ。

 これって、俺にドMっ気があるのとは関係無いと思うんだけど!


 あっ。

 ちょっとビミョーに、こう、ね!

 刺激がちょみっと、ねっ!

 新たな世界の扉がオープンザドア!的な!


 イヤ違うっ!

 自分の発生するスパークでイイキモチになってる場合じゃないぞ、男のっ!


 パリパリバリバリッ! シャキーン!


 と、お着替え終了、そしてっ!

 ふわわあっとスモークが晴れて現れたのはっっ!


 地面に付きそうなくらいに長ーいツインテールは、左右で色違いになってます!

 右が『ラミィ』のピンク色で、左が『ルレ美』の金色ですよ!

 白のタンクトップにちっさいベスト。

 おっ? なんか巨乳なんですけどっ!


 そんでもって、ぴちぴちムチムチのホットパンツに、ニーハイブーツ!

 ナックルガードも左右で色違いです!

 ラミィとルレ美のチャームポイントをミックスしつつ、お互いの良さを損なわない超絶美少女な合体キャラ!

 

 これがっ!


 妄想勇者である男のの妄想が生み出した、最強の中の最強のニューキャラクター!


 その名もっ!


『愛の超絶合体大勇者天使ラジカルラリルレミィ!』


 長いから『レミィ』って言っておきますよ!

 俺は魔王じゃナイから、勇者に名前変更してるトコロがポイントなのです!


 ええ、わかってます、わかってますともさ!

 キャラクターをごっちゃにするなんて邪道すぎるってコトくらいっ!


 元の世界で言えば、魔法少女と特撮戦隊モノのヒロインを足しちゃったようなもんですからねっ。

 だがしかしっ。

 なりふりかまってなんていられないのですよー!

 生き残る為には、手段を選んでなんていられません!


 なんてったって、生半可な強さのキャラクターとか衣装で魔王シフォンに挑もうものなら、ポクッとやられちゃいますからねっ!



「お初にお目にかかりマスっ!

『ラジカルラミィ』と『ラリラリルレ美』のイイトコ取りの合体キャラ!『ラジカルラリルレミィ』でございマスっ!

 レミィとお呼び下さいましっ!

 魔王シフォンっ! お覚悟をっ!」


「へーえ。

 なかなかやるわね、ぐるぐるクソメガネっ!

 私はルレ美派だけど、それはあえて黙っておくわっ」


 黙っておくと言いつつ、ルレ美派だって言っちゃってますよ、魔王シフォン!

 なんだか言動がちぐはぐですよっ。

 レミィって呼んでっつってるのに、ぐるぐるクソメガネと呼ぶとはこれいかにっ。

 て言うか、レミィはメガネかけてませんよっ。


 さすが魔王だけあって余裕の表情ですがっ。

 ここはちょっと陽動作戦をぶっこんでみるですよ!


「よーくお聞き下さいまし、魔王シフォンっ!

 ボクの妄想が生んだ『レミィ』は『ラミィ』と『ルレ美』の能力全てが使えるのです!」


 どうですかっ!

 びっくり仰天して顔をひきつらせてもイイですよ!

 ところがですよ!


「へー。そう」


 無関心!

 明後日の方向を向いちゃって退屈そうですよ、魔王シフォンっ!

 うぬぬ、余裕をぶっこいてくれちゃってますよー!


「そんな急ごしらえなキャラクターに負けてたまるもんですかっ! 『爆速』っ!」


 言うと同時に俺に向かって、ぎゅわっ!と、急加速ですよ、魔王シフォン!

 不意討ちとは卑怯ナリっ!

 だがしかし!

 見える!見えます!見えてます!


 魔王シフォンの動きがバッチリ見えちゃってます!

 めっちゃ動体視力がいいっていう設定のおかげなのですよ!


「遅いですよっ、魔王シフォン!」


 魔王シフォンの攻撃を、いとも簡単にひょいっと避けちゃう俺ですよ!


「なっ!?」


 少し距離を取って、まじまじと俺を見つめてますよっ。

 ふっふっふっ、びっくりしてますね魔王シフォンっっ。


「ルレ美のニーハイブーツを白とピンクのボーダー柄にするなんて、なかなかいいセンスじゃないの、ぐるぐるクソメガネっ。

 それにはちょっとびっくりだわよっ」


 え。そこですか?

 もっと他にびっくりするトコ無かったですかねっ?

 イヤイヤ、そんなの強がりですよ!

 俺にだってわかっちゃいますよー!


「さらに髪型がアシンメトリー!

 小顔にぱっちりオメメでオッドアイなんて、ヲタクゴコロをくすぐってくれるじゃないの!

 さらにさらにっ!

 白のタンクトップにイイ感じの巨乳なんて反則よっっ!」


 え。

 なんか、スラスラと俺の容姿を解説してくれちゃってますよっ。

 オッドアイですか、そーですか。

 自分では顔が見えないけど、そんなカンジになってるんですか。

 ……タンクトップに巨乳って、フィギュア化したら売れるかな?

 イヤ違うっ!


 俺は、フィギュアの造形師ゴコロをくすぐる為にこのキャラクターを生み出したワケではナイのだ!

 

「どこからどう見ても、美少女の美少女による美少女のための美少女にっ!

 ねえ、あなたホントにオトコなのっ?

 まあいいわっ。パンツずり下ろして確かめてあげるわよおっ!」


 なぬっ!

 おパンツずり下ろして確かめるですとっ!?

 フィルフィーみたいなコト言ってますよ魔王シフォンっ。

 うぬぬ、そんなコトされてたまるかってなもんですよ!


 俺はっ!

 ワガママ魔王を懲らしめてっ!

 フィルフィーとポプラールさんの声を取り戻すのですよー!

 本来なら女の子をぶっ飛ばすなんて出来ないトコロですがっ!


 相手はラーフィアちゃんより強い魔王!

 全力でいかせて頂きマスっ!

 おパンツずり下ろされてたまるものですかっっ。


「それじゃあ、いきますよおー!

 『百回百回パンチ』を食らうがいいですよっ!」


 しゅぱあっ!と間合いを詰めて、からのおっ!


「うにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃっっ!

 うにゃあはあっ!」


 ズドドドドドドゴゴゴッ!と!

 神拳的なアレを百回ぶっこむ!的なカンジで高速パンチを繰り出す俺ですよ!

 

「くうううっ!?」


 高速で繰り出す俺の連撃パンチを両腕でガードですよ、魔王シフォンっ。

 なかなかの防御力はさすがです!


「チョーシに乗るんじゃないわよ、ぐるぐるクソメガネっ! はあっ!」


 びゅわっ!と回し蹴り!

 だがしかし! 足が短くて空振りですよ魔王シフォン!

 と思いきやっ!


 ドゴオッ!


「う゛にゃっ!?」


 空振りしたハズの短い足が、にゅわ!っと伸びて俺の脇腹にヒット!

 ちっこい身体のどこにそんなパワーがあるのってくらいの強烈な蹴りですよ!

 うごおお、いってーですよー!


「だーかーらぁ、私の間合いを甘く見るなって言ったでしょおー? おーほっほっほっ!」


 え。

 いや、足が伸びるなんて初耳なんですけどっ。

 と言うことは、腕も伸びちゃったりするのかなっ? 近距離戦闘を得意とする『レミィ』には不利な状況なのかしらっ?


「ちなみに腕は伸びないわよ」


「えっ?」


「ウソだけど。はあっ!!」

 

 ウソかいっ!一瞬信じた俺がバカだったっ!


 だがしかしっ!

 にょわーんと伸びたのは髪の毛っ!

 マジかっ、腕じゃなかったんかいっ!


「うにゃっ!?」


 打撃的な攻撃してくるのかと思いきやっ。

 しゅるるるんっと生き物みたいに巻き付いてきたっ!?

 あっという間に、長ーく伸びた髪の毛でぐるぐる巻きですよー!


 全然身動き取れましぇん!


 やっべ! YABEEEEですよー!

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