Sレア引いたはいいけれどっ!
派手に地表に降り立った俺達だけど、目立ちすぎじゃないですかね?
ケーサツとかに通報とかされないんですかね?そもそもケーサツとかそういう組織が存在するのかな?
学校あるくらいだから、何かしらの治安機関はあるハズ。
上空から見えてた学校の周りの様子を思い出してみると。
落下する恐怖で記憶が曖昧なんだけど。
学校の周りには住宅地とか見当たらなかったような……田畑の真ん中にポツンと学校が見えてたような……
田舎の学校っぽい?
空は明るいけど太陽が出てない。
夜が明けてまだ間もない早朝だからかな?誰も登校してないし部活の朝練とかもしてない。
そもそも魔王の女子高に部活ってあるのかな?
わかんないコトだらけだなー。
「なんで誰もいねーんだっ!?上等だコラァー!出てこいやコラァー!」
何が上等なんですかねヤンキー女神。
地上に降り立ってからなんだかコーフンしてウズウズしてます。
なんかやらかすよね、絶対。
「地上に降りても騒がしいですわねフィルフィーさんは。今日は日曜日ですから誰も居なくて当然ですわっ。明日から通ってもらうと神様も仰っていたではないですか」
「あん?そーだっけか?」
そう言えばそうでした。神様は『明日から』って仰ってました。
「ではヒカリ様、参りましょう!私達の
「あああのペリメール様っ!一人で歩けますから降ろして下さいっ」
「はっ。これは失礼いたしましたですわヒカリ様っ」
とん、と地上に降り立つ俺。
ここから、この一歩から始まるんですよ新たなライフが人生が!
意味がだだかぶってますけどね!いいんです!
地上に降り立って感激に浸るのもいいけど、もう一つ由々しき問題がっ!
「あのあのっ!ボク、おパンツ穿いてないんですけどっ!どうしたらいいですかっ?」
あーもう、なんとも締まりの無い俺ですよ。
新生活の始まりがノーパンメイドって。
「穿いてない?まさか、ヒカリ様にはそういうご趣味が……?」
「違いますよう!フィルフィーにビリビリに破かれちゃったんです!」
そういや、俺が逆さに持ち上げられた時、ペリメール様は気絶してたんだっけ。
「フィルフィーさんにパンティーを破かれちゃったのですかっ!?フィルフィーさん!あなたはまたそんな悪行をっ!」
ペリメール様はおパンツをパンティーって言うんだな。ふむふむ。
「あ?んーなもん、もっぺんお着替えすりゃーパンツは戻るぞ」
フィルフィーはおパンツを……まあいいや。
ん?
え、そうなの?おパンツ戻るって言ったよね?お着替えガチャのおパンツって無限に発生するの?
じゃあ、おパンツ脱いでガチャればおパンツ発生して、また脱いでガチャればおパンツが発生して、っておパンツいっぱいになるのかな……?
……売り……
……売りませんよ!?
男の
イヤ断言しますよヘンタイですよ!
そんな輩におパンツをアレやコレやされるのかと思うとっ!!
ちなみにアレやコレやと言うのはね。
夜な夜な男の
ハスハスしたり。
穿いたり。
被ったり……
うわ!鳥肌立った!無理無理!ダメ!ゼッタイ!
「あ、お着替えガチャは一日三回。左手で戻るのは、基本的に朝に着てる服だからな」
「三回……」
おパンツが毎日三枚……?
イヤ違うっ。おパンツから一旦離れよう。
今日は二回お着替えしたから、あと一回は出来るのか……でも、今お着替えガチャしても意味ないしなー。そもそも何が出るのかわかんないんだし。
ん?朝に着てた服ってコトは。
もし制服着てたら制服に戻るのかな?
それじゃあ……
「あの、このメイド服って?」
「あたしの趣味だ!なんだモンクあんのか?」
イヤ別に無いけども。カワイイ服ですよとっても良く出来てます。
いちいち突っかからないでくださいよヤンキー女神。
「ボクはカワイイと思いますよ、このメイド服」
「……っだろー!カワイイだろー!?なんだよわかってんじゃん!うっしゃヒカリ!今日からお前はあたしの舎弟だ!舎弟のお前には今日から『姉御』って呼んでもらうからなっ」
なんだか嬉しそうにバシバシと背中を叩いてきますよヤンキー女神。痛いんですけど。
あと、何ですか舎弟って。
メイド服を褒めたらめっちゃ上機嫌になったんだけど、もしかしてフィルフィーって……チョロい?
「あの、このメイド服って普段からこのまま?ボク、ずっとこの格好なんですかっ?」
「あ?ナニ言ってんだ?フツーに着替えは出来るぞ。右手でお着替えガチャ。戻る時は着てた服。そんだけ」
着てた服に戻る……ふーん。最初に着てたのメイド服だったからか。なるほど。
「どうせだからガチャってみろや。あと一回出来るだろっ」
この着せ替え人形みたいな感じは何ですかね?美少女メイドといい、お着替えガチャといい、フィルフィーの趣味度合いが高くない?
でもまあ、何が出るか気になる所ではあるよね。
「それじゃあ……えいっ!」
俺は右手を振り挙げた。お着替え挙手です!
っぽぽん!
アレ!?なんか音が違う?
違うって言っても、子供用シャンパンの栓を二回連続で抜いたような軽い音。
三度目のお着替えガチャで衣装チェンジした俺の姿、これはっ!
甲冑!しかも重甲冑!ファンタジー系のゲームでよく見るアレですよ!兜、全身鎧、剣と盾付きのフル装備!
全容は見れないけど、兜の隙間からなんとなく見えてますよキラキラ輝く騎士の鎧!
「まあ!ステキですわヒカリ様っ!カワイイお顔が見えないのはとても残念ですがっですわ!」
「これでどんなモンスターの攻撃にも耐えられるだろ?いいの引いたじゃねーかヒカリっ。Sレアじゃん!」
Sレア!?レアリティあるの!?
三度目でSレア引いたのかー!なかなかの引きじゃないですかっ?
モンスターの攻撃にも耐えられる重甲冑!
確かにバニーガールとか赤ブルマとかに比べれば『当たり』かもしれないけれども!
だがしかし由々しき問題がっ!
「うっ、動けましぇん!」
特に左手の盾!重いっ!左手振り挙げてメイドに戻る事すら出来ない!
なんで!?え!?俺ってそんなにザコなのっ!?騎士の甲冑身に付けたら、騎士並みに強くなるんじゃないのっ?
「あっはははーっ!動けねーんじゃタコ殴りだなヒカリよぅ!あははははーっ」
笑いながらフィルフィーが俺の胸の辺りをガンガン殴るんだけど、なるほどノーダメージです。
でも音が響いてウルサイ!
「笑い事ではありませんですわフィルフィーさんっ。ヒカリ様、一旦、元のお姿に戻りましょう!」
そうですねそれがイイです。このままだと、モンスターじゃなくてフィルフィーにタコ殴りにされちゃいます。
俺は盾を外してなんとか左手を振り挙げる。
それくらいなら、ギリギリ動かせますよ!
っぽん!という軽い音、そして意味不明の無駄な少量の紙吹雪。
メイドに戻れましたよ、俺。
ホッ。あ……おパンツ戻ってる。
……後で見てみよう。
イヤ、確認ですよ確認!やましい気持ちなんてそんなにも無いんだからねっ!
そんなにもねっ!俺のおパンツ見るだけなんだから問題ナシ!ねっ!
それにしても!不便なスキルだなー。
ちょっと頭の中で整理してみよう。
今着てる服がメイド服。
右手のお着替えガチャスキルでランダムにお着替え。
左手で元の衣装にに戻る。
これが一日三回限定。
あと、レアリティが気になるけど……
……なんか意味無くない!?
少なくとも日常生活では全く役に立たないのではっ!?
ハズレスキルってヤツなのではっ!?
「衣装ガチャってあとは何が出るかわかんないんですか?」
「何が出るかわかんねーから面白いんじゃん!出てからのお楽しみってヤツだなっ」
「甲冑はSレアって言ったけど、もっと上のランクもあるんですかっ?」
「レア、Sレア、SSレアの三種類だ。Sレアの出る確率は3パーセント、SSレアは1パーセントだな。たぶん」
「同じ衣装が、例えばバニーちゃんとか赤ブルマが出ちゃう確率とかって解らないんですかっ?」
「確率?知らねーわそんなもん。次はまたバニーが出るかもなっ」
うーん、丸投げですよヤンキー女神。
まあ、そもそも確率の問題なんて俺にはサッパリです。
とりあえず、5回連続でお着替えガチャ引いたとしても全部Sレア重甲冑!とかはならないんだろうな。
あ、でも一日3回って決まってるんだっけ……
このスキル、マジで一体どこで使えるんですかね?
「ヒカリ様の現在のランクでは重甲冑を操れない、という事ですわね。ランクを上げないとお宝のお持ち腐れになってしまいますですわっ」
お持ち腐れって。
ペリメール様が優しく解説してくれますけども。そーですか。ううむ。
ランク上げ、要はレベルアップしないといいガチャ引いても扱えない、と。
……マジかっ!!
「さあさあヒカリ様フィルフィーさん!!私達の生活の拠点にれっつらごー!ですわぁ!」
れっつらごー?耳馴染みの無い言葉ですよペリメール様。
でもまあ、スゴく楽しそうだからオッケーです!
さりげなく隣に立って、ちんちくりんの俺の歩幅に合わせて歩いてくれるペリメール様。
やっぱり、素敵なお姉さんです!
でも、歩く度にプルプル揺れる素敵なオパイがめっちゃ気になりますよっ。
学校では、ちゃんと
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