決戦! 妹魔王ルルコちゃん!
俺に『ぱんつガン見』疑惑を被せてニコニコ笑顔のルルコちゃん!
ヒカリは150の精神的ダメージを受けた!って、まあ、そんなカンジですようおおー!
「妹のぱんつガン見してイヤらしい顔するなんて、ヘンタイだよね、お兄ちゃんっ♪」
「えっ!? だから、ガン見なんてしてないってばあっっ!」
「ルルコちゃんの言う通り、ヒカリちゃんはドMのヘンタイさんなのっ!
でも、そうじゃなきゃヒカリちゃんじゃないのっ!」
ちょっとラーフィアちゃんっ!?
ルルコちゃんは『ドM』だなんてひと言も言ってナイんですけどっ!?
「ラーフィアさんも認めてるんですねー♪
妹のぱんつガン見するし、ドMだし、男の
うごおおっ!
言葉責めっ! まさか妹魔王に言葉責めを浴びせられるとはっっ!
イヤ、まあ、何て言うか、精神的ダメージというか、なんかこう、ドMゴコロがくすぐられ。
◇ 妹に
ドMと呼ばれる
男の
ありがとうございます。
って、イヤ違うっ!
妹魔王からの言葉責めで新しい扉を開けようとしてる場合じゃないぞ、俺っ!
妹魔王と闘いにっ!
ルルコちゃんを止める為に来たってコトを忘れてはイケナイっ!
「あのね、ルルコちゃんっ!
ボクがドMかどうかは、今はどーでもいーんじゃないのかなっ!?」
「んー? まあ、それもそうかなあ?」
ペロッと舌を出してイタズラっぽく微笑むルルコちゃん!
カワイイですよ、だがしかし!
緊張感を高めて、ばばっ!と間合いを取る俺達ですよっ!
「お兄ちゃん、なんでラーフィアさんの背中に隠れてるのー? カッコ悪いなあ」
「えっ!? 別に隠れてナイよっ!?」
ルルコちゃんのご指摘通り、俺の目の前にはラーフィアちゃんのツヤサラ銀髪がっ。
これは隠れてるワケじゃ無くて、ラーフィアちゃんの方がアタマひとつ背が高いから、こんなポジションになってるだけなのですよー!
無防備に、すっ、と一歩前に出るラーフィアちゃんですよ。
「ねえ、ルルコちゃんっ。ヒカリちゃんと闘うなんて、やっぱり間違ってるよっ。だって、ホントのお兄ちゃんなんでしょっ?」
「えー? まあ、そうみたいですねー」
さっきまでのニコニコ笑顔が消え去って、抑揚の無い声でつまんなさそうに答えるルルコちゃん。
「ひとつだけお訊きしたいでござるっ。ルルコ殿は、ご自分の意志でヒカリ殿の首を狙っているのでござるかっ?」
ずいっ、と一歩、抜刀体勢で間合いを詰めるムラサメさんですよ。
うおお、カッコいいっっ!
俺が同じポーズをとっても『いやん♡』ってカンジにしかならないヤツですよー!
「ジブンノイシ……? えー? わかんない」
なななんですとっ!?
わかんない、ですとっ!?
人差し指をほっぺに当ててキョトンとしちゃってるけどっ。
大した理由も無く、言われるままになんとなく、俺の首を狩ろうとしてるのか、ルルコちゃんっ!
「だって、大魔王様が『勇者達の首を狩れ』って言うんだもん。魔王って、大魔王様の言うコトは絶対なんだから、仕方ないんじゃないのかなあ? って、ルルコは思いまぁす♪」
なななんですとっ!?
『仕方ない』のひと言で首を狩られてたまるもんですかってなもんですよっっ!
こここれはっ!『ルルコちゃん洗脳疑惑』が現実味を帯びてるっぽいですよー!
「ラーフィアさん達には手を出しませんから、ご安心クダサイっ♪
でもぉ♪
お兄ちゃんと、あと、くのいち勇者さんの首は狩り取って祭壇に飾りまあす♪」
ななななんですとっ!?
祭壇に飾られちゃうんですか、勇者の首っ!
それって、
なんて怖くて恐ろしいコトをぶっこんでくるんですかね、ルルコちゃんっ!
「あのっ!ルルコちゃんは、なんでボクと闘わなきゃいけないのかなっ? 闘う理由なんて無いんじゃないのかなっ?」
「タタカウリユウ……?
さっきも言ったけど、ルルコは『魔王』で、お兄ちゃんは『勇者』だからでしょー?
そんなの、そのヘンの野良犬でもわかるコトだよー?」
野良犬まで知ってるってマジですか。
俺の知識レベルは野良犬以下ってコトですかっ。
やっぱり、精神的ダメージ与えるのが得意みたいですよ、妹魔王ルルコちゃんっ!
「もう、お喋りはおしまいねっ♪ じゃあ、闘いましょうかあ♪ えいっ♪」
ルルコちゃんが、ひゅっ!と細い腕を振るとなんとっ!
一瞬にして『オンナノコのカワイイお部屋』が『オドロオドロしい魔王の間』に早変わりっ!
石畳の大広間にポツンと玉座がひとつ、所々にローソクが配置されてる、これぞラスボスの部屋!って、まあ、そんなカンジです!
これって、ラーフィアちゃんが魔王だった頃に対峙した大広間そのまんまですよ!
いきなり魔王とバトルですよ。
妹魔王ルルコちゃんとの決戦ですよー!
いかにも玉座! ってカンジのでっかい椅子に、足をぷらぷらさせながら、ちょこんと座ってますよ、ルルコちゃん!
魔王感なんてやっぱりゼロで、誰が見たって、白いワンピースが良く似合うカワイイ女の子!
麦わら帽子があれば絶対似合うよね。
って、100人中100人が思うカワイイ女の子ですよー!
「
ルルコちゃんが、ぱちん!と手を叩いてゆっくり広げると、にょろーりと出ましたよ、でっかい
ファミレスで俺を襲った時に使った、えっげつない武器ですよー!
首を狩る気まんまんじゃないデスカっっ!
「もっといっぱい勇者さん達が来てくれると思ってたのになー。結局、くのいち勇者さんだけなんだねっ。お兄ちゃん……トモダチいないんでしょー?」
うごっ。
イタイトコ突いてきますよ、ルルコちゃんっ。初めて会った時もそうだったけど、やっぱ精神的ダメージを与えるのが得意みたいですよっ。
「たとえ魔王とは言え、大勢の勇者が女の子をタコ殴りになどしないでござるよ、ルルコ殿っ。拙者とヒカリ殿で十分でござるっ!」
タコ殴りってムラサメさん。
まあ、タコ殴りにする気なんて無いですけど、だがしかし!
どうやって闘ったらイイノヤラっ!
お着替えガチャ封じをやられちゃう前にガチャちゃらないと、まともに闘える気がしないっ!
「ヒカリ殿っ。今こそ
「えっ!? あっ、うんっ?」
わっ、忘れてたっ!
そうだ、そうですよ!
俺にはお着替えガチャ以外にも、剣をびゅんびゅん操るスキルがあったんですよ!
今使わなくて、いつ使うんじゃいっ!てなもんですよー!
でもですよ!
「えっと、あの、ムラサメさんっ。ボク、自分の剣を持って無いんだけどっ?」
「えっ!? あんな高度なスキルを持ってるのにでござるかっ!?」
そうなのでござるっ。
高度なスキルの持ち腐れってヤツなのです!
どどどどーしましょうおおー!
「ヒカリちゃんっ! これを使ってっ!
ラーフィアちゃんが、ぱちん!と手を叩いて呼び出したのは!
ふた振りの刀、『白月』と『黒月』!
ラーフィアちゃん所有の魔法剣ですよっ!
両肩の辺りにふわふわ浮かぶ浮遊刀ってヤツですよー!
これはココロ強い味方なりっ!
「あっ、ありがとう、ラーフィアちゃんっ!」
呼び出されたふた振りの刀は、俺の両肩の位置でぷかぷか浮いて待機ですよ、これは絶大な安心感!
久々だけど、俺にはわかりますよ、このカタナはスッゴいパワーを秘めてますよー!
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